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第1回「大山倍達との出会い。初めての極真合宿の取材で予想外の出来事が…」

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 「極真の合宿に行って来い」

 当時の上司・近藤隆夫さんから新たな指令が告げられた。正直、ブルった。極真の合宿のイメージと言えば、『地上最強のカラテ』とか『世界最強のカラテ  キョクシン』といった映画で観た、崖をよじ登ったり火の輪を潜ったりという人間の限界を超えるようなものだと思っていたからだ。しかも、総本部に電話で問い合わせをしたことがあって、その時にもの凄く横柄な態度をとられたことがあり、「極真=怖い人たち」というイメージがあったのである(今はそんなことないですよ、念のため)。

 しかも、カメラを持って一人で行って来いというのだ。日程は一泊二日。7月下旬、ビビりながら千葉の館山へ。とりあえず教えられたとおりに宿舎へ行き、広場で誰かが出てくるのを待った。その内、ぞろぞろと道場生たちが集まりだし、教えられたとおりに横溝監督(そう言えといわれた)に挨拶。監督は優しくて、まずは一安心。

 そこから歩いて近くの海岸へ向かう。ちょうど海岸の入口に着いた時、一台の黒い車が僕の横を通り過ぎ、少し前に止まった。車の中から現れたのは…大山倍達総裁だった!

 「うわっ! マス大山だ!」僕は超・緊張しながら、とにかく挨拶をせねばと総裁に近寄った。

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