2013年3月度MVP 山崎秀晃
毎月eFightが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2013年3月のMVPは、3月20日(水・祝)東京・後楽園ホールで行われた『Krush.27』で王者トーマス・アダマンドポウロス(フランス)が保持するKrush -63kg級タイトルに挑戦。海外に流出していたタイトルを見事に取り返し、第3代Krush -63kg級王者に就いた山崎秀晃に決定!(2013年4月11日UP)
PROFILE |
選考理由
1、「Krush-63kg級タイトルを獲得」
2、「番狂わせの勝利で海外に流出したタイトルを取り返した」
3、「強打を武器に今後さらなる活躍が期待される」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とeFightの全スタッフ
受賞された山崎選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、eFightより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
「チームドラゴンのみんなで勝たせていただいたタイトルマッチ」
■「負けたらそこまでの選手だと思っていた」この言葉の真相とは
「初めはあまり実感がなかったけれど、応援してくれた人たちが『おめでとう』と言ってくれ、獲ったベルトを嬉しそうに巻いている姿を見るとこっちも嬉しくなるし、幸せですね。“あ~、獲ったんだな”という実感が沸いてきます」と、番狂わせともいえる大金星を上げた山崎は、強敵トーマスとのタイトルマッチで勝利した今、嬉しさ溢れる思いを語った。
伝統派空手出身の山崎は、遠い間合いから打ち込む破壊力に満ちたパンチを持ち、KO勝ちした試合はほとんどが1R決着。2012年7月には、寺崎直樹を左フックで倒し、わずか24秒のKrush最速KOタイムを記録している。これまで8連勝し、タイトルマッチ前哨戦となった2012年12月14日の『Krush.25』では、フランスのグァニー・バラッジに2RKO負けしたことで大きく株を落としてしまった。
トーマスは2011年8月の『Krush.11』に初来日。外国人ならではのパワーと圧力の強さが武器で、山崎のジムの先輩である尾崎圭司とのISKA世界スーパーライト級(63kg)王座決定戦を制して王者に。翌年8月の『Krush.21』では、Krush-63kgタイトルマッチにおいて、同じく山崎のジムの先輩であるKrush-63kg級初代王者・梶原龍児を2RにハイキックでKO。日本で2つ目の王座を獲得した。
戦前は王者トーマス有利との声が大きかったことは否めない。山崎自身も「いいイメージが浮かびませんでした。今までの自分だと、『自分が最強』『怖いものはない』『自分が負けるわけがない』とポジティブな気持ちで試合前を過ごしていたのですが、今回は自分の攻撃が当たるいいイメージが浮かびませんでした。練習していくうちにポジティブな気持ちになるのですが、寝て朝になるとまたマイナスから始まるという繰り返しだったんです。筋トレしているときも練習しているときも、自分が絶対に勝つと言い聞かせていました。試合が近づくにつれてネガティブな気持ちが大きくなるし、試合直前までそれが続いていましたね。練習がうまくいかなかった、怪我をしていたというわけではないのですが、こんなに不安だったことは初めてでした。自分が不利と言われるのは間違いないかな、と思っていました」という。
それでも山崎は、前述の尾崎、梶原とチームの先輩である2人がトーマスに敗れていることから、勝つことが己の使命だと感じていた。「2度あることは3度あるか、それとも、3度目の正直となるか。これで自分が負けたらトーマスにチームドラゴンは三タテを食らうことになります。日本に王座を取り戻さないといけない。王者挑戦権を懸けた『Krush -63kg WILDRUSH League 2012』で優勝して今回に臨むわけだし、何が何でも絶対に勝たないといけない条件が今回は揃っていました」
負けられないプレッシャーの中、試合のゴングが鳴った。左右フックで前進するトーマスに山崎が前蹴りで距離を保ち、主導権を握らせない。2Rには、トーマスの右ローに合わせて山崎がバックブロー。これをモロに食らったトーマスがダウンを喫すると、超満員札止めの後楽園ホールは大いに揺れた。挽回を図るトーマスがプレッシャーを強めると、山崎はクリンチと前蹴りで逆転を許すことなく終了のゴング。30-28、30-28、30-27とフルマークの判定で勝利し、新王者に輝いた山崎は大泣きした。
完封勝利ともいえる内容。この勝利はチームドラゴンで勝ち取ったものだと山崎は振り返る。「前田(憲作)先生と対策を立てて、トーマスの攻撃にはこの攻撃で止めよう、この攻撃をこのタイミングで当てるとか練習してきました。尾崎さんと梶原さんの想いも強く感じたし、凄く背中を押してくれました。タイトルマッチに向けた練習も年明けから集中してやっていて、チームのみんなには無理を言って付き合っていただきました。本当にみんなに感謝しないといけません。チームドラゴンのみんなで勝たせていただいたタイトルマッチです」
試合後には、「負けたらそこまでの選手だと思っていました」と言い、進退を懸けた一戦だったことをほのめかしていたが、真相を聞くとやはり“引退”を考えていたという。
「あまりみんなには言っていなかったのですが、身内には『(負けたら)みんなに気づかれないように離島に行くから探さないでくれ』と告げていたんです。地元(京都)でもなく、誰も知らないところにひっそりと行こうと……」
■山崎が理想とするチャンピオン、選手像
Krushのチャンピオンとなった今、山崎のこれからとは!?
「チャンピオンになった本当の実感というのは、これから強敵を倒していって、胸を張って『自分がKrush-63kg級のチャンピオンだ』と言えるように防衛を重ねることで感じられるのかなと思います。これからはKrush63kg級の顔になれるような選手を目指します。それだけではなく、『山崎の試合は本当にお客さんを魅了するような試合だよな』『あいつは迫力のある試合をするよな』と言われるような選手を目指します。チャンピオンとしての責任感を感じて、さらに強くなるしかありません」
山崎の次戦はKrush6月大会を予定。「国内ではチャンピオンクラスの選手やKrushで勢いのある若手と対戦したい」としており、新王者の第一戦に注目が集まる。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「山崎秀晃が大金星!63kg級王座を日本に取り戻す」
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