2014年8月度MVP 元谷友貴
毎月イーファイトが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2014年8月のMVPは、8月23日(土)東京・後楽園ホールにて開催された『DEEP 68 IMPACT』で和田竜光(吉田道場)にチョークスリーパーで一本勝ち、DEEPフライ級王座を奪回した元谷友貴に決定!(2014年9月5日UP)
PROFILE
元谷友貴(もとや・ゆうき) |
選考理由
1、「鮮やかな一本勝ちでDEEP王座を1年ぶりに奪回」
2、「強豪ばかりを相手に4連勝、2連続一本勝ち」
3、「まだ24歳と若く世界レベルでの活躍が期待される」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とイーファイトの全スタッフ
受賞された元谷選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
「自分のやりたいことをやるというイメージで前へ出た」
■いきなりピンチに見舞われた1Rをどう凌いだのか?
いま国内のMMA(総合格闘技)で最もアツい男、それがDEEPを主戦場にする元谷友貴だ。
2011年7月にプロデビューを果たし、そのわずか1年後にはトーナメントを制して初代DEEPフライ級王座に君臨。22歳の天才現れると話題になったが、2013年8月の初防衛戦では吉田道場の実力者・和田竜光に敗れてタイトルを失った。
しかし、その試合内容は年間ベストバウト候補にあがるほど白熱したもので、敗れた元谷の評価が下がることはなかった。また、ここまでは伝説の序章に過ぎなかったのである。
快進撃は2013年12月から始まった。まずパンクラス現役王者として5度も防衛に成功している清水清隆を破ると、翌年3月には長く国内トップに君臨してきた元DEEPフェザー&バンタム級王者・今成正和にも圧勝。続いて6月には同じく国内トップの座を長く守っていた元DEEPバンタム級王者・前田吉朗には腕十字で一本勝ち。いずれの試合も内容がよく、ファンや関係者の間では“元谷の試合にハズレなし”とまで言われるようになった。
そして1年ぶりに迎えた和田とのリベンジマッチだったが、1R開始早々、元谷はいきなりピンチに追い込まれた。
「前蹴りをボディにもらって効いてしまい、気持ち悪くなってしまったんです。前に出ることがテーマだったのに前へ出られず下がってしまい、全体的に力が入りませんでした」
和田は元谷がダメージを受けていることを見抜いたか、首相撲からのヒザ蹴りでボディを攻めまくる。このピンチを元谷はどう凌いだのか。
「1年間、この試合に勝つために練習も試合もやってきたという想いが支えてくれました。絶対に倒れない、絶対に勝つという想いです。かなりリキんでいたんですが、時間が経つごとにリキみが抜けてきたので、次のラウンドまで耐えよう、インターバルで休めば大丈夫という気持ちでした。
でも、何とかしのごうとは思わなかったですね。動きが悪いなりにも“今、出来る範囲でやろう”と考えました。守るよりは攻めよう、と。テイクダウンを取るつもり、打撃も当てるつもりで出しました」
苦しかった1Rを耐え、2Rに突入すると元谷は打撃戦からのタックルで和田をテイクダウン。バックを奪うが、和田はその状態のまま元谷を前に投げて上のポジションを奪う。
「その場面からはよく覚えています。下になった時に“ヤバイな”と思ったんですが、下から足を絡めて倒そうとしていたので、そのプレッシャーで和田選手はパウンドをあまり打ってこなかった。結果、上を奪い返していいポジションが取れました」
上になった元谷はパンチを連打、さらにバックを奪ってチョークスリーパー。これがガッチリと極まって、元谷は宿敵から一本勝ちでタイトルを奪回した。
■負けたら終わりだといつも思っている
昨年の和田に敗れた試合との違いは「前に出たこと」だと元谷は言う。退がらずに前へ出たことはどのような影響があったのだろうか。
「自分のやりたいことをやるというイメージで前へ出ました。退がるというのは相手がやりたいことをやっていることなので、自分から押して行く方がやりたいことが出来る。テイクダウンは押されたら取れないですけれど、押していれば取れる。打撃も退がりながら出している人のパンチはそんなに喰らわないと思うので、前に出ている方が安全です」
試合を終えての感想は、「勝てて良かったですが、悪いところも出ました。その悪いところを直したい。思い通りの展開ではなく、苦しい1Rからの2Rになったので経験としては良かったと思います」と、今後につながる経験になったという。
この1年間、DEEPを盛り上げてエース的存在になった元谷だが、石川県在住で試合のたびに東京へ出て来る立場から危機感は常に持っている。
「負けたら終わりだといつも思っています。負けたらもう東京へ呼んでもらえないかもしれない。絶対に一戦一戦負けられない、絶対に勝つつもりで日々練習しています。
それと、地元の応援してくれる人たちが毎回のように東京まで応援に来てくれます。凄く時間もかかりますし、帰りが次の日になってしまうこともある。自分のために時間を犠牲にして来てもらっているので、面白くない試合は見せたくない。面白かったと言われる試合を常に心がけています」
1日5時間、週6日の練習を欠かさず、本来は休みとなる日曜日にも練習することがあるという。さらに、試合があった翌日は休むが、次の日にはもう練習を再開するという練習の虫だ。
そんな元谷が目指すのは、MMA世界最高峰の場所であるUFCだ。
「次の試合はまだ決まっていませんが、早くて年内と聞いています。出来れば海外でやりたいと自分は望んでいます。いきなりUFCでもかまわないですし、UFCには絶対に行きたいですね」
DEEPを背負う存在から、日本を背負う存在へ。まだ24歳の元谷には可能性が広がっている。そのアツいファイトで世界をあっと言わせる日も近いかもしれない。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「元谷が一本勝ちでタイトル奪回、次は世界」
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