【UFC】メキシコと韓国のエース対決は残り1秒で神技KO決着
Ultimate Fighting Championship
「UFC Fight Night 139」(創設25周年記念大会)
2018年11月10日(土・現地時間)アメリカ・コロラド州デンバー ペプシ・センター
Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/UFC
▼メインイベント フェザー級 5分5R
○ヤイール・ロドリゲス(26=メキシコ/UFC世界フェザー級15位)
KO 5R 4分59秒
●ジョン・チャンソン(31=韓国/UFC世界フェザー級10位)
今大会は『UFC』の創設25周年記念となる興行で、そのメインイベンターを務めたのは、フェザー級の人気選手である韓国のチャンソンとメキシコのロドリゲスだ。
チャンソンはパンチ力と打たれ強さを持ち味に、“ザ・コリアン・ゾンビ”の異名で知られる選手。2013年8月には代役というかたちではあったが、UFCフェザー級タイトルマッチを経験している(当時の王者ジョゼ・アルドに4R・TKO負け)。母国での兵役を経て、昨年2月に約3年半ぶりとなる復帰戦に臨むと、強豪デニス・バミューデスから強烈アッパーで1R・KO勝利を収め、健在を示した。
対するロドリゲスはテコンドー仕込みの派手な蹴り技を多用するファイトスタイルから注目を集める選手。今大会には負傷欠場となったフランキー・エドガー(37=アメリカ)の代役として、2週間前に急遽参戦が決まった。そのエドガーに昨年5月の試合で喫したTKO負けが、UFCで7戦目にして初黒星となっており、今回の試合が約1年半ぶりの再起戦だ。
1R、構えをスイッチしながら相手の足を刈るように鋭い左右ローを飛ばすロドリゲスに対し、ゴツゴツとした力強いパンチのコンビネーションを振るうチャンソン。両者が時おり動きを止め、じっと目を凝らしての駆け引きに出ると、緊迫感が一気に高まる。それを断ち切るようにロドリゲスが左ジャブを突けば、チャンソンも堰を切ったように左フック、右アッパー、左ストレートを一気にまとめる。
2R、ロドリゲスは左構えから横蹴りでヒザと頭を狙ったかと思えば、右構えに切り替えて後ろ回し蹴りを腹に飛ばす。中盤に入ると、今度はチャンソンが右ストレートで仕掛け、突進しながらの左フック。ロドリゲスもバックステップでかわすと即座に左の回転ヒジを返す。さらにチャンソンの組みを捌いたロドリゲスは二段飛びヒザ蹴りからの右ハイ。チャンソンもすかさず右フックと右アッパーのフルスイングで応戦する。
3R、右構えのロドリゲスは右フックからの後ろ回し蹴り、さらに左手をマットに着けての豪快右ハイ。チャンソンにかわされると、ロドリゲスは左構えにスイッチして左ミドルと左インロー。今度はチャンソンを捉える。しかし、チャンソンも左ジャブと右ストレートでロドリゲスを仰け反らして譲らない。両者とも鼻から出血が見られる。
4R、一進一退の展開から試合がここで動く。ロドリゲスの前蹴りに合わせてチャンソンの右フックがヒット。ロドリゲスはバランスを崩したところで、チャンソンの右ストレートをもらってよろめく。続けてチャンソンは右フックからの左ストレートも突き刺し、試合の主導権を握る。
5R、なおもチャンソンの強力なパンチのコンビネーションに押し込まれるロドリゲス。チャンソンの勝利の色は濃くなる一方だ。そして迎えた残り時間10秒。観客を煽るように両手を上に掲げるロドリゲスに対し、チャンソンは微笑みながらのグローブタッチで応え、これが最後の勝負の合図に。
左右フックから右ミドルを入れてすかさず離れんとするロドリゲスに対し、チャンソンは左ジャブから突進。すると次の瞬間、さっと前屈みになったロドリゲスが下を向いたまま右ヒジを後ろに振り上げ、これを飛び込んできたチャンソンの下アゴに命中させた。チャンソンは頭からマットに崩れ落ちて失神。直後に試合終了のホーンが鳴った。
劣勢だったロドリゲスがチャンソンの死角からヒジを入れる見事な技を決め、試合時間残り1秒での逆転KO勝利。MMA(総合格闘技)世界最高峰の記念大会に相応しい劇的な決着となった。
▶︎次ページ:セラーニがUFC最多勝利&フィニッシュを達成
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