2013年9月度MVP ゲーオ・フェアテックス
毎月eFightが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2013年9月のMVPは、9月15日(日)東京・ディファ有明にて開催されたムエタイ大会『M-FIGHT』において、梅野源治に壮絶なTKO勝ちを収めたゲーオ・フェアテックスに決定!(2013年10月3日UP)
PROFILE ゲーオ・フェアテックス 1984年9月5日、タイ・バンコク出身 身長169cm、体重60~67kg Fairt’ex Muay Thai Camp所属 ※詳細は選手名鑑へ→ |
選考理由
1、「名勝負の末に梅野源治をTKO」
2、「8年間のvs日本人無敗記録を守る」
3、「格闘技の凄みや面白さを存分に発揮した」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とeFightの全スタッフ
受賞されたゲーオ選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、eFightより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
「ムエタイの名誉を守るため絶対に負けられない試合だと思っていた」
■異例の対戦要求、その理由は…
日本キックボクシング界最後の砦が勝つか、ムエタイの超強豪が勝つか。大きな注目を集めて9月15日(日)東京・ディファ有明で行われた梅野源治vsゲーオ・フェアテックスの一戦は、1Rから目が離せない期待以上にスリリングな勝負となり、2R1分14秒、ゲーオが3度のダウンを奪ってTKO勝ち。その恐るべき強さを改めて証明した。
ゲーオは2005年7月に初来日して以来、8年間も日本人に無敗を誇るムエタイ戦士。元々はフェザー級(57.15kg以下)だったが、現在は10kg近く重いウェルター級(66.68kg以下)でも日本のトップ選手たちを次々とKOしている。
今回の梅野戦はゲーオ自身が望んだ試合だった。ムエタイの選手が日本人選手と「戦いたい」と言うこと自体が異例のことで、普通、タイ人選手は外国人選手に興味を持たない。ましてやゲーオのようなトップファイターが日本人との対戦を望むなど異例中の異例。その理由は……。
「6月に来日して試合をした時に、同じ大会に出ていた梅野の試合を見て“彼と戦いたい!”と思いました。理由はウティデート(2008年のムエタイMVP)をKOした選手だからと、実際に試合を見て強いと思ったからです。ムエタイの名誉を守るために、絶対に負けられない試合だと思っていました」
500年の歴史を誇るタイの国技ムエタイ。長年に渡って立ち技世界最強の座に君臨している格闘技だが、近年はタイ人選手が外国人選手に負けてしまうことも増え、その座が揺らぎ始めている。梅野は日本における打倒ムエタイの急先鋒だった。
「ムエタイは好きです。大好きです。でも、子供の頃からずっとやっているので、どこが好きかと聞かれても困ってしまいます(笑)」と、幼い頃からムエタイの世界で生きて来たゲーオにとって、ムエタイが日本のキックボクシングに負けることはプライドが許さなかったのである。
「フェアテックスグループのオーナーからは“名を汚すことは許されないぞ”と言われました。この言葉には3つの意味があり、ゲーオ・フェアテックス、Fairt’ex Muay Thai Camp(所属ジム)、そしてムエタイの名を汚すことは出来ないという意味です」
■私は“職業・ムエタイ選手”だから戦い続ける
ムエタイの名誉を守るために梅野と戦う。ゲーオはそのためになんと2年半ぶりとなる減量を敢行。周囲からは「いきなり減量してすぐに梅野と戦うのは危険、徐々に体重を落として調整試合を何試合かやるべき」と言われたが、ゲーオは「すぐにでもやりたい」とプロモーターに直訴し、断固として譲らなかった。それだけ“本気”の自分に自信があった。
練習内容は「いつもの試合と一緒です。早朝に走って、ミットを朝は5R、午後は6~7R蹴りました。あとはパンチのスパーリングや首相撲。日本の友人から“梅野はボディを狙ってくると思う”と言われたので、腹筋運動に力を入れました」と言うが、体重を落とすために練習量や密度の濃さはこの2年半で一番だったという。
その結果、減量しなくても目にも止まらぬハイスピードだったゲーオの技は、さらにスピードとキレ味を増していた。梅野も見事にその技をかわしていたが、一瞬の隙を突いたヒジ打ちをもらってダウンし、パンチのラッシュでさらに2度のダウンを追加されてKO負けを喫した。
試合後、自分の小さなミスで負けたことを悟っていた梅野は主催者に即再戦を要求。この試合を見ていた多くの関係者やファンが「もっと長く見たかった」「もう一度やっても見たい」と口にしていることから、再戦は望まれるところだ。ゲーオ自身はどうだろうか。
「もう1回やりましょう。年内でも来年でもOKです。いつでも受けてたちます。でも、勝つのは私です」
ゲーオは現在29歳。少年時代から試合を頻繁に行い、20代前半で強さのピークを迎えるムエタイ選手としてはもう若くはない。ゲーオ自身、28歳で引退するつもりだったという。
「3~4年前はあと2~3年で引退するつもりでした。引退があと1年先になるか2年先になるかは分かりませんが、試合のオファーがあれば戦い続けます。私は“職業・ムエタイ選手”ですから」
今回の梅野戦での勝利で、日本キックボクシング界において誰がゲーオを倒すのかは一大テーマとなった。そう、かつて日本の総合格闘技界が打倒ヒクソン・グレイシーに向けて動いたように。ゲーオもヒクソンのように無敗のまま引退するのか、それともゲーオを超える日本人選手が現れるのか。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・ゲーオvs梅野のノーカット試合動画
・試合レポート「強すぎるゲーオ、日本最後の砦・梅野をも粉砕」
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