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【新連載】格闘技名勝負列伝 第1回 藤原あらしvs藤原国崇

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J-NETWORK
「GO!GO!J-NET’05 ~MACH55準決勝~」
2005年5月6日(金)東京・後楽園ホール

▼メインイベント 「MACH55」準決勝 55kg契約3分5R
○藤原あらし(全日本バンタム級王者/S.V.G)
TKO 3R1分47秒 ※ドクターストップ
●藤原国崇(NJKFバンタム級王者/拳之会)

■各団体のチャンピオン、トップランカーが参戦し、夢の対決

 ご存知の通り、国内にはいくつものキックボクシング団体があり、それぞれが日本チャンピオンを認定している。真の日本チャンピオンは誰なのか、王座統一戦はいつの時代もファンが望むところなのだが、そのためには超えなくてはいけない様々な壁があり、なかなか夢のカードは実現しない。

 しかし、何年かに一度、各団体のチャンピオンやトップランカーが集い、真の日本一を決めるトーナメントが開催されることはある。有名なところでは、2000年にMA日本キックボクシング連盟で開催された『COMBAT2000』、2006年にニュージャパンキックボクシング連盟(以下NJKF)で開催された『真王杯』など。

 今回紹介する試合も、そのひとつである『MACH55』で行われたものだ。『MACH55』は2005年にJ-NETWORKが主催した55kg契約のトーナメントで、全日本キックボクシング連盟バンタム級王者・藤原あらし、NJKFバンタム級王者・藤原国崇、MA日本キックボクシング連盟バンタム級王者・高橋拓也、J-NETWORKバンタム級王者・牧裕三と4団体の王者(加えて4団体のトップランカーで合計8名)が集うという、まさに55kg日本最強を決定する画期的なトーナメントだった。特に、それまで交流がなかった全日本対NJKF、MA対NJKFの対決が期待された。

■事実上のバンタム級日本最強決定戦が実現!

 その中でも最も注目を集めたのが、当時、全日本バンタム級王者だった藤原あらし(S.V.G)vsNJKFバンタム級王者だった藤原国崇(現・国崇/拳之会)の準決勝だった。この2人が日本バンタム級のトップであることはキックファンの誰もが認めるところであり、事実上の決勝戦、事実上のバンタム級日本最強決定戦であった。さらには、全日本キックとNJKFのチャンピオン同士が対戦するのはこれが初のこと。

 注目度の高さは、J-NETWORK始まって以来の観客動員(チケットは完売)とマスコミの多さを記録したことでもうかがえた。両者は大会前に「負けた方は今後“藤原”を名乗らない」と約束し、プロレスの覆面剥ぎマッチならぬ藤原剥ぎマッチとして行われたことも話題となった(ちなみにあらしは“ふじはら”、国崇は“ふじわら”で読み方は違う)。

 試合は期待通りの名勝負となった。1Rはあらしが「パンチをスウェーでかわすのが分かっていたので、避けると思った方へ蹴った」と、パンチをフェイントして左ハイキックをヒットさせる作戦で有利に。2Rは両者が攻撃の手数を増やす中、国崇が得意の飛びヒザ蹴りで優位に立つ。

■右縦ヒジ一閃!その一撃に秘められたエピソード

 そして3R、劇的な決着が訪れた。パンチで倒そうと前へ出た国崇に、あらしの右縦ヒジがこれ以上はないという完璧なタイミングでヒットしたのだ! 国崇の左目尻からは血が噴き出し、あらしの右肩にも返り血がベットリと張り付く。

 国崇はドクターストップを恐れて猛然とあらしに襲い掛かり、パンチでラッシュを仕掛けるが、今度はあらしがバッティングとヒジで両目上を切られ、なんと両者同時にドクターチェック。試合再開後、国崇は再びラッシュを仕掛けたがあらしも右ストレートで応戦。国崇の流血がさらに酷くなっていき、ついにドクターが試合をストップした。敗れた国崇はマット上に泣き崩れた。

 あらしによれば、事実上のフィニッシュとなった右縦ヒジの一撃は、トレーナーの杉田健一と練習中に、スパーリングで出して誤って杉田をカットしてしまったのと、全く同じタイミングだったという。体に染み付いていた技が自然に出た一撃だったのだ。

「いままでで一番の難敵だった。本音を言えば、もうやりたくないです」との、勝者であるあらしのコメントが激闘を物語っていた。

▼メインイベント 「MACH55」準決勝 55kg契約3分5R
藤原あらし(全日本バンタム級王者/S.V.G)
TKO 3R1分47秒 ※ドクターストップ
藤原国崇(NJKFバンタム級王者/拳之会)

 

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