3月9日(金)東京・後楽園ホールで開催される『RINGS~reincarnation再臨~』で、総合格闘家としてのデビュー戦を飾る小比類巻。かつて魔裟斗のライバルとしてK-1MAXで活躍した小比類巻は、どんな総合格闘技の試合を見せてくれるのか? デビュー戦を目前に控えて、「18種類の必殺技」の存在を教えてくれた。(2012年3月7日UP)
PROFILE |
■寝技をやれるもんならやってみろ!
ーー総合格闘技デビューの日が刻一刻と近付いてきました。今はどんな心境ですか?
「今は体調調整の時期(※取材日は3月1日)で、月曜日(3月5日)に最後の練習をする予定です。それまでは100%全力を出して行きたいと思います」
ーー不安とワクワク感、どちらの方が大きいですか?
「不安よりもワクワク感の方が大きいです。2年前と何が一番変わったかと言うと、感謝する気持ちが変わったんです。一緒に練習しているメンバーから全てに対して。みんなが協力してくれるので、それに恩返しをしなければいけないし、感謝をしなければいけません。自分の中の何かが確実に以前とは変わったんです。それを一言で言えば“感謝”なんです」
ーー今までは一人でやってきた部分が大きかったんですか?
「リングの上には自分一人で上がるので、自分がやらなければいけないという感覚だったんですが、今は自分という欲を捨てたんです。勝ちたいのは当たり前なんですが、何が何でも絶対に勝ちに行くという気持ちではないんですね。
それよりも、今まで積み重ねてきたものがどうリングに現れるか、そこだけなんです。勝つという欲よりもみんなに感謝して、その感謝をちゃんとリングの上で表現できるかというところにテーマがあります。それは今回だけでなく、格闘技を一生続けて行くなら一生のテーマになると思います」
ーー総合の実戦的なスパーリングはやってみたんですか?
「何回もやっています。大山(峻護)さん、加藤(清尚)さんを始め、対戦相手を想定した身長185cmのスパーリングパートナーを用意していただいてやったりもしました。その人は僕の知らない選手だったんですが、わざわざ自分のために来てくれたんです。もう感謝の気持ちしかありません。とてもいい練習が出来ました」
ーーほかにはどんな選手たちと練習しているんですか?
「三崎(和雄)さんや郷野(聡寛)さんもいます。三崎さんは見ていて何が凄いかと言うと、マックスに自分をかき立てるんです。殺気があります。その辺はさすがプロだな、と思いました。あれが三崎さんの強さなんでしょうね。三崎さんと郷野さんは似ていますね。練習の時も、もの凄く負けん気が強いんです。そういう選手でなければ強くなれないでしょうね」
ーー総合のスパーリングをやってみて、どんな感触を得ましたか? 総合格闘家・小比類巻太信の完成度などは。
「自分の中では、現時点で出来上がっています」
ーー最初の内はタックルで転がされたりしましたか?
「全く知らないことばかりでしたからね。最初の1カ月目は、転がされて当たり前の状態からスタートしました。身体も3日間でオーバーワークになるくらいでしたね。そんな毎日が続いて、身体がガチガチになって寝るのもきついくらいで。ある時は知らない内に寝ていたりとか、話しかけて欲しくないほど疲れました」
ーー練習は寝技から入ったんですか?
「そうです。まずは寝技の対処法から始めましたね。まずどんなものなのかを体感しようと思い、1カ月間は寝かされてやられての繰り返しでした。ポイントポイントで、これはどうすればいいですかと質問攻めするんですが、それに対してみんなが教えてくれました。その中で自分はこうしていこうというのが段々と分かってきた感じです。
一番きつかったのは首を絞められた時でしたね。クラッと来て“うわっ、これは落ちる”という体験をしました。目の前がクラクラと揺れるんですよ。これは本当に危ないなと思いました」
ーー1度、落とされてみなかったんですか?
「それはやりません(笑)。その前にタップします。それもセンスだと思っているんですよ。鈍くさい人は極められて怪我をしてしまいますが、センスのいい人は次にどうなるかを読んでいるので、完全に極まる前にタップするんです(笑)」
ーー試合前に怪我をしてもしょうがないですからね。自分からも寝技で極めに行くんですか?
「はい、行きます。自信のある寝技もあります」
ーースパーリングで小比類巻選手が極めることもあるんですか?
「あります」
ーーガードワークはどうですか?
「やっています。基本的に、全部一緒なので」
ーー一緒、とは?
「相手がどこから来ても自分のポジションは一緒なので、全ての仕掛けに対して全て同じことをします。簡単に言うと、相手に極めさせる余裕を持たせないんです」
ーー総合は面白いですか?
「面白いですね。 ・・・
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