12月2日(日)東京・TDCホールで開催される『RISE/M-1MC~INFINITY~』にて、ランシットスタジアム認定王者&パタヤ・ミニフライ級王者のローマ・ルックブンミー(タイ)と対戦する神村。8・25『Girls S-cup』ではまさかの1回戦負けを喫し、今回が復帰戦となる。敗戦後の苦悩、RENAとの再戦、そして女子でもKO勝ちが出来る方法について聞いてみた。(取材日:2012年11月26日)
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■初めてパワーで負けてポッキリと心が折れてしまった
ーーまず、8月の『Girls S-cup』ではまさかの1回戦負け(ロレーナ・クラインに延長戦で投げによるシュートポイントを奪われて判定負け)を喫しましたが、あの試合を振り返って下さい。
「いい勉強にはなりました。今回の試合ではいい形で切り換えていければと思っています。ロレーナ戦では、初めて自分の一番自信があるパワーで負けたと思いました。パワーでは誰にも負けないと思っていたので屈辱的でしたし、ポッキリと心が折れてしまった部分があって、試合後はしばらく練習をお休みして遊んでいました」
ーーそうなんですか!?
「はい。試合後は考えすぎてしまって眠れなくなったり、ご飯が食べられなくなってしまい、自分の中で“このままではヤバイ!”と思ったんです。それでちょっと格闘技からは離れてみようと思い、伊藤(隆)会長と相談して休ませてもらいました。気持ちの整理がつくまでは練習も遊び程度でやって、ほとんどオフにしていましたね」
ーーそんなにショックだったんですか……。
「あの試合の前は凄くコンディションも良かったし、自分のやりたいことが明確に決まっていた試合だったんです。ところが、いざ試合になってみるとそれがひとつも出せませんでした。自分自身に“なんでだろう?”と問いかけ、“こんな試合をするくらいだったら練習なんか必要なかった”と思うくらい自分が嫌になりました。いろんなことに対してもやもやしたまま練習していてもしょうがないと思ったので、思い切って離れることにしたんです。自分の中で切り替えが出来るまでは、しっかりと休もう、と」
ーー期間的にはどれくらい?
「2カ月弱くらいですかね。10月25日のDyki君と羅王丸さんの試合(RISE後楽園ホール大会)の前には、一緒に練習していました。そして、その時の試合で2人が見せてくれたものによって、また頑張ろうとスイッチが入ったのはあります。やっぱり一番近い存在である2人が一緒に練習して試合をしたことによって、やっぱり自分もあのリングに立ちたいなって。勝てばみんなが喜んでくれて、負けたらみんなが悔しがってくれるという中にもう一度戻りたいなって思いました」
ーーこのまま辞めてしまおうかな、とは思いませんでしたか?
「いや、それはなかったです。出来ればロレーナともう1回やりたいなって思っていたくらいですから。ただ、体重が合わないですよね」
ーー以前に対戦したシルビア・ラノッテ(イタリア)よりもパワーが強かったわけですか。
「ロレーナが普段48kg契約で試合をしている選手だったなら問題なかったと思います。ウェイトの差があったんだろうなって、思わずにはいられないほどの体格差を実感したんですね。同じ階級でパワーを競うのであればそうそう負けない自信はあります。ただ、自分の中で体重というものをナメすぎていましたね。自分はどの階級でも通用するっていう自信を付けすぎていました」
ーー復帰戦はムエタイルールということになりましたが。
「強い相手を呼んでもらえたので凄く楽しみですし、久しぶりの47.6kgという自分のベスト体重で試合が出来るので、いい体調で臨めればいい試合が出来ると思っています」
ーーロレーナ戦以降、練習方法を変えた部分はありますか?
「S-cupの時はシュートボクシング対策をしていたので、その時とはもちろん違います。ただ、リズムや動きを極端に変えるわけではなく、プラスアルファして何が出来るかという練習をしています」
ーー例えば、パワーで負けたからもっとパワーを付けようとしているとか。
「いえ、今回はパワーではなくスピードを重視しています。パワーは今の階級なら十分にあると思っているので。タイ人が相手なら、パワーでグッと入り込みすぎてヒジをもらってしまうよりは、スピードと技術で対抗出来ればいいなと思っていますね」
ーー対戦相手の映像は見ましたか?
「いえ、見てないです。というか、映像がありません(笑)。でも大丈夫です」
ーーローマは16歳にして120戦ものキャリアを持ち、そのうち98勝を収め25回のKO勝ちがあるというもの凄い戦績の持ち主ですが……。
「楽しみだなって思います。相手は強いって思っておけば間違いはないですからね」
ーー神村選手は以前から、今まで戦ってきた相手で一番強かったのはムエタイのヌシアン・ポー・プラムックだった(2009年12月20日=神村が判定勝ち)と言われていましたね。
「はい。男子に蹴られるよりも蹴りが痛かったですからね(笑)。試合中に初めて“痛い”という感覚を覚えました。まぐれで勝てましたけれど、あれもいい経験でしたね」
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