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 11月17日(日)東京・ディファ有明で開催された『M-FIGHT SUK WEERASAKRECK IV』にて、元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級王者ゴンサヤーム(タイ)にKO勝ちした梅野。9月の試合でゲーオに初のKO負けを喫し、失意のどん底に落ちたかと思われていた梅野だが、さらに進化してリングに帰ってきた。屈辱の敗北をいかにプラスへ転換したかを語る。(取材日:11月30日)
※試合レポート=【M-FIGHT(昼の部)】梅野とゲーオが豪快KO勝ちの競演

PROFILE
梅野源治
(うめの・げんじ)
1988年12月13日、東京都出身
身長178cm、体重59kg
PHOENIX所属
※詳細は選手名鑑へ→

■第1章 ゲーオに敗れて練習に変化が

ーー元ムエタイ王者を相手に見事なKO勝利、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

ーー今回はいつになく序盤から積極的に攻めていたように見えました。

「はい。相手の映像を見たらテクニシャンで、ミドルキックと前蹴りで距離を取って戦うタイプだったからです。

 トレーナーからも自分からプレッシャーをかけて前に出ないと、距離を取っての蹴り合いをやってしまうと勝てないと言われました。それで自分からどんどん攻撃して相手のリズムを崩していかないといけない、と思っていたのであれは最初からの作戦だったんです」

ーーしかし、セコンドやジムの仲間からは「行き過ぎだ!」との声があがっていましたよね?

「1Rと2Rが終わるたびに言われていました(笑)。でも、自分としては相手の攻撃がよく見えていたんです。ミドルキックは予想以上に速くて1Rはなかなか反応出来なかったんですが、パンチにしてもヒジにしても相手の攻撃を見ながら気をつけて打っていたので。

 ゲーオ戦では相手の攻撃に気をつけないで、自分の攻撃だけを意識してガンガン前に詰めていたんです。セコンドは“またそうやっているんじゃないか”と心配していたようですが、自分の中では見ながら攻撃していたので、いつ相手がヒジやパンチを打ってきてもよけられるように気をつけていました。

 改めて映像で試合を見てみると、手数も多いし、自分からガンガン行ってるんですけれど、相手の攻撃を見ながらやっていたのでそんなに行き過ぎているようには見えなかったです。カウンターをもらう心配もなかったと、映像を見ても思いましたね」

ーー相手の攻撃がよく見えるようになったのは、そういう練習方法をやったからですか?

「そうです。ウアンというタイ人の先生がミットでコンビネーションを打たせている中で、パンチや蹴りを当ててくるんです。

 以前は強く打つことだけを考えていたんですが、ゲーオ戦のあとは“強く、速く”を意識して、先生が返してくる攻撃をもらわないようにする、という練習を何回もやってきました。その練習していたことが試合でも出たかなって思います」

ーーゲーオに敗れたことで、新しい戦い方に開眼したんですね。

「以前は練習でも試合でもただ重い攻撃をする、としか考えていませんでした。注意はずっと前から何度もされていて、ウアンが返して来る攻撃にもなかなか反応出来なかったんです。反応はするんですが、反応が遅れてしまうんです。そこを直せと何回も言われていたんですが、それでも勝っていたし、ウアンほど攻撃が速い相手もいなかったので、自分の中で“これでいい”と思ってしまっていたんですね。自分の悪い部分を見ようとしなかったというか。

 勝っているんだからこのままでいいだろう、と思い込んでしまっていたんですね。でも結局、 ・・・
第2章 屈辱の敗北からいかにして立ち直ったか

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