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7月度ベストファイターは矢地祐介、RIZINで3連続KO勝ちの理由

 毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2017年7月のベストファイターは、7月30日にさいたまスーパーアリーナにて開催された『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2017-夏の陣-』で北岡悟にTKO勝ちした矢地に決定!(2017年8月16日UP)

PROFILE

矢地祐介(やち・ゆうすけ)
1990年5月13日、東京都出身
身長176cm
戦績:18勝6敗1敗
KRAZY BEE所属

選考理由
1、「国内トップファイターの北岡にTKO勝ち」
2、「序盤の劣勢を覆しての逆転劇」
3、「RIZINで3連続KO勝ち」

選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ

 受賞された矢地選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー
「階級を上げたことで全てが変わりました」

■最後のラッシュはセコンドに助けられた

 2017年7月は好勝負が続き、多くの候補者の名前が挙がった。新極真会・第6回全世界ウエイト制空手道選手権大会の男子重量級で優勝した島本雄二(1日・2日)、わずか5戦目で三浦広光をTKOに破り第11代パンクラス・ウェルター級王座に就いた阿部大治(2日)、ボクシングで国内最速の世界奪取となった京口紘人(23)、45歳にして28歳のホープと大激闘を演じて場内を感動の渦に巻き込んだ立嶋篤史(23日・J-NETWORK)など数人がベストファイターの候補にあがった。

 その中から7月のベストファイターに選ばれたのが、7月30日にさいたまスーパーアリーナにて開催された『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2017』で、北岡悟(37=ロータス世田谷/パンクラスイズム横浜)にTKO勝ちした矢地祐介(27=KRAZY BEE)である。

 北岡は2000年10月にパンクラスでプロデビューし、2009年1月に五味隆典に一本勝ちして初代戦極(SRC)ライト級王者となり、2013年4月には中村大介を破り第8代DEEPライト級王者に。昨年12月には元UFCファイターのダロン・クルックシャンクを必殺のフロントチョークで沈めるなど、国内ライト級トップファイターとして君臨してきた。

 一方、矢地は2009年4月に修斗でプロデビュー。同年のライト級新人王に輝き、2013年3月には修斗環太平洋ライト級王座に就いた。2015年3月、グアムの大会『PXC』ではフェザー級王座も獲得。RIZINには2016年12月から参戦した。

 矢地はこれまでも、元修斗世界ライト級王者の田村彰敏とリオン武、クルックシャンクといった大物食いを果たしているが、北岡は23戦のキャリアの中でも大物中の大物。しかし、矢地は全く臆することなく試合前には「俺が勝たないとRIZINが盛り上がらない」と言ってのけた。

「モチベーションは上がりっぱなしでした。名前のある選手とやらせてもらえるのはファイターとして嬉しいことですよね。高校生で格闘技を始めたばかりの頃、北岡選手が五味選手に勝ったのをリアルタイムで見ていました。だから感慨深いなとか、そういう感情が湧くのかなって思っていたんですが意外とそんなことはなく(笑)。いつもの試合と一緒で、名前を知っている相手って感じでした。やっとここまで来たかとかはなかったですね。意外とケロッとしていました」

 北岡といえば、タックルから寝技に持ち込んで相手をコントロールし、相手が立ち上がればすぐにテイクダウンを奪うことを繰り返す“無限ループ”を得意とする。寝かされることに不安はなかったのだろうか。

「でも、座ってからの攻防はけっこう得意だったのでそんなに怖さはなかったです。(ロープで囲まれた)リングはケージ(金網で囲まれたリング)より圧倒的に立ちにくいのでそこは不安でしたが。それよりもフロントチョークとか足関節技とか極めの部分に関しての恐怖感はありました」

 試合では、前に出る北岡にカウンターのパンチを狙う矢地だったが、片足タックルでテイクダウンを奪われた。立ち上がろうとする矢地を北岡が阻止していたように見えたが…。

「今回はフロントチョークと足関節技のプレッシャーがあったから、なかなか立てなかったんです。慎重に極められないように立とうとしていたので、それでいつもより時間はかかってしまいましたね。足を取られた時は凄くヤベぇと思いました。このまま足関来たら嫌だなって焦った部分がありました」

 しかし、最初の寝技を防ぎきって立ち上がった後は、「北岡さんが失速したように感じた」と矢地。その後は最初ほどのパワーを感じなくなったという。2Rになると矢地がタックルをかわし、パンチを放っていく。北岡もパンチをもらっても一歩も下がらず前へ出ていくが、矢地はラッシュをかけて左ストレートで北岡をロープ際まで吹っ飛ばす。ここでレフェリーが試合をストップした。

「北岡さんはポーカーフェイスというか、のらりくらりと最後までしていたので、自分ではパンチの感触はあったんですけれど、効いていないのかなって思っちゃいました。でもセコンドの声が聞こえて“今行け”っていう指示が飛んでいたので、今行かないといけないんだってスイッチが入ったんです。だから最後のラッシュはセコンドに助けられました」

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