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日本人唯一人のONE世界王者・猿田洋祐、海外で勝つには「平常心が大事」=2019年1月ベストファイターインタビュー


毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2019年1月のベストファイターは、1月19日(現地時間)にインドネシア・ジャカルタにて開催された『ONE: ETERNAL GLORY』でONE世界ストロー級王座を奪取した猿田洋祐に決定!(2019年2月18日UP)Photo by ONE

PROFILE

猿田洋祐(さるた・ようすけ)
1987年7月8日、埼玉県出身
身長160cm
第7代修斗世界ストロー級王者
第6代ONE世界ストロー級王者
戦績:19勝8敗3分
和術慧舟會HEARTS所属

選考理由
1、「激戦の末にONE世界ストロー級王座奪取に成功」
2、「修斗世界ストロー級王座と合わせて二冠王に」
3、「日本人唯一人のONE世界王者として活躍が期待される」

選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ

 受賞された猿田選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー
「内藤のび太選手とはどこかで必ず交わりたいと思っています」

■人生で2度とないチャンスが来たなって感じでした

 1月19日(土・現地時間)インドネシア・ジャカルタにて開催された『ONE: ETERNAL GLORY』で、修斗世界ストロー級王者・猿田洋祐(31=和術慧舟會HEARTS)がONE世界ストロー級王座を奪取。日本人2人目のONE世界ストロー級王者となった。

 猿田は器械体操を経てMMA(総合格闘技)を始め、アマチュア修斗で活躍後2008年1月にプロデビュー。翌年にはバンタム級新人王に輝き、2017年10月の王座決定戦で修斗世界ストロー級王座を獲得。また、2011年にはブラジリアン柔術世界選手権茶帯ルースター級でも優勝している。

 シンガポールを拠点としてアジア最大規模の活動を展開している格闘技団体『ONE』には、2018年12月のマレーシア大会に初参戦。いきなり元ONE世界ストロー級王者アレックス・シウバと対戦し、得意のレスリングを活かした戦い方でシウバを圧倒。判定3-0で勝利した。

 当初、1月のジャカルタ大会では王者ジョシュア・パシオ(22=フィリピン)に鈴木隼人(32=BRAVE)が挑戦することが決まっていたが、事前の健康診断で体調不良が発覚したため、ONEの規定により欠場。アレックス・シウバ戦の勝利が評価され、鈴木に代わって参戦間もない猿田がパシオに挑戦することが決まった。

「オファーが来たのは試合のちょうど1カ月前です。人生で2度とないチャンスが来たなって感じでした。
タイトルマッチなのでもうちょっと練習に時間をかけたかったんですが、そういうチャンスってなかなかないじゃないですか。でも前回のアレックス・シウバ戦も2週間前のオファーだったので、いつでも出来る覚悟と準備はしていました」と、急きょの出場にも対応できるようにはしていたと猿田は言う。

 パシオは昨年9月、ONE世界ストロー級王者・内藤のび太(34=パラエストラ松戸)に挑戦し、判定3-0で王座を奪取。打撃を得意とする選手だ。しかし、この試合の判定は物議を醸した。3R以降、テイクダウンして上のポジションをキープ=グラウンドコントロールで優勢だったのはのび太の方だったからだ。猿田もこの試合を見て、ONEでの勝ち方を研究した。

「同じMMAでも別競技なくらい違うなって印象がありました。コントロールがほとんど判定に響かないと言うか、ダメージ重視だなって。だからシウバ戦もそうだったんですが、グラウンドでもスタンドでもしっかりダメージを与えることを考えていました。修斗の自分の戦績を見ると判定勝ちが多いんですけれど、自分はコントロール重視というかそれが得意な方だったので、そこからいかに相手にダメージを与えたりフィニッシュに持って行くかをイメージしながら戦略を立てました。上になったら殴る、あとがぶり(相手の上に覆いかぶさった状態)でのヒザ蹴りがあるので上手く使って、出来ればがぶりの展開に持って行きたいと思っていました」

 試合は1R、パシオの右ハイキックをもらった猿田だが、そのまま蹴り足をつかんでテイクダウン。2Rからは猿田が積極的に前へ出て、打撃の手数を出しながらタックルでのテイクダウンを狙う。パシオはハイキックやバックスピンキックなどの大技で一発KO狙いの試合展開。危険な打撃に脅かされながらも、猿田は冷静に相手を分析していた。

「何度かタックルを切られてしまって、相手はダブル(両足を抱えるタックル)を切るのが得意だなと思ったので、前足のシングル(片足を抱えるタックル)に行ってから切り替えた方がいいかなって思ったんです。それでインターバルの時にセコンドの大沢(ケンジ=和術慧舟會HEARTS代表)さんに伝えて変えました。4Rの始まり際にすぐに入ったんですが、あれで流れが変わったと思います」

 すぐに立たれたが、4Rはテイクダウンに成功した。パシオも必死のディフェンスを見せる。そして勝負は最終5Rにもつれ込んだ。

「全ラウンド勝負しましたが、やっぱり最大の勝負は5Rでしょうね。大沢さんからも厳しく『負けているから行け、倒しに行け』と言われたので、覚悟を決めて前へ出ました。最後まで自分のやりたいことをやり通したというイメージですかね。打撃でプレスしてパンチとタックルを混ぜながらやっていくという。大きなインパクトを与える攻撃をしたいというのがありました」

 待ちの体勢のパシオに、猿田はパンチ連打。何度もタックルを絡めてアグレッシブな姿勢を見せる。残り2分、テイクダウンした猿田はマウントポジションの体勢までいくが、パシオは上を取り返して逆にテイクダウン狙い。上を取り返した猿田はフロントチョークもパシオは離れてスタンドへ。最後に猿田がテイクダウンし、パウンドラッシュを仕掛けて終了のゴング。

「自分は5Rまで五分五分か自分がとっているかなって気持ちがどこかにあったんですが、セコンドの言うことは100%信頼しているので。大沢さんも最後まで行かせるために勝っているとは言わずに、全ラウンドとられているくらいのイメージで言ってくれました。途中で絶対に勝っているとか今のままでいいと言うと、守りに入っちゃうじゃないですか。アウェイですし、挑戦者なので最後まで戦う気持ちを前に出させてくれたのだと思います」

 判定は2-1で猿田が勝利。激戦を制し、再びONE世界王座を日本にもたらした。

「判定は分からないとは思っていました。フィニッシュ出来なかったので。大きいインパクトとかダウンをとったりもなかったですし、拮抗した試合だったので覚悟はしていました。ONEの採点基準は難しいです。会場にいると相手への声援が凄いので、向こうのジャブが少しかすったくらいでもウワッと歓声があがるんです。ダメージがなくても、歓声でジャッジが向こうにつけてしまうんじゃないかって不安はありましたね」

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