【12月・ベストファイター】左腕骨折を乗り越えK-1王座戴冠した黒田斗真、その強さの秘密とは
■“ライバル”風音へのエールと誓い
初代王者となった黒田はリング上でベルトを腰へ巻くとマイクを握り、「今回、トーナメントで石井選手が注目する中で、こうして僕が優勝して『みたか、ボケ!』って感じです。この階級は僕が引っ張っていくんで、応援をよろしくお願いします」と叫んだ。
「みたか、ボケ」は、風音が21年に行われたRISEの『DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント』を制覇した後に、リング上で吐いた言葉。黒田は、初代王者となったタイミングで、あえてこの言葉を使ったという。黒田は昨年6月の『THE MATCH 2022』で風音に判定負けを喫した。今回のトーナメント前に風音からSNSで「絶対いける!とれる!がんばれ!!」と激励メッセージが贈られていた。このエールに対する、彼なりの答えだった。
その意味を問うと黒田は、「風音選手は昨年10月、大﨑一貴選手にタイトルマッチで負けてしまいました。僕たちは、53kgのトップ同士の対決として東京ドームで試合をしたわけで、再戦するまで勝ち続けなければいけないと思っています。お互いにがんばろうという意味でのエール、メッセージでした」と説明した。
いつか、また風音と対戦する時が来るかもしれない。その時までお互いに負けないようにしよう。黒田の「みたか、ボケ」には、そんな願いが込められていたのだろう。
■今後は世界と戦いたい。他団体で気になるのは吉成名高!
黒田は試合が終わった昨年12月、左腕のケガもあり、完全休養を取ったという。ヒジの尖がった部分にヒビが入った状態だったが少しずつ回復へ向かい、2023年1月から練習を再開することとなった。1月1日に更新したSNSには「全戦全KOする」と目標を書き込んだ。
復帰は夏くらいで、2023年は2、3試合を想定しているという。「全戦全KO」と書き込んだのは、「チャンピオンとしてしっかり倒して盛り上げたい。結果を出すのはもちろんですが、内容も問われてくるので圧倒的に勝ちたい」という理由からだそうだ。気になる相手だが、「K-1の日本人とやるつもりはないです。日本トーナメントで優勝していますから、今年は世界の強豪と戦っていきたいですね。フランスに強い選手がいるようなので、ぜひ戦ってみたいです」と黒田。
他団体の選手では、日本人初のラジャダムナン・ルンピニー統一王者の吉成名高が気になるようで「パワー、スピード、テクニック、どの階級と比較しても、すべてにおいて強いと思っています」と評価した。吉成と旧知の仲である石井一成がK-1へ挑戦している背景を考えると、黒田と吉成が対戦する可能性はゼロではないはずだ。それこそ『THE MATCH 2022』のようなビッグイベントが開催されれば、候補の一つとなるだろう。
最後に今後について黒田は、「倒せるチャンピオンになります」と宣言した。黒田が強い精神力と左ストレートを武器に、世界の強豪を倒す姿が見られるかもしれない。
■黒田が12月MVP受賞の喜びを語る
なお今回受賞した黒田には、イーファイトより記念の盾と、ゴールドジムからアルティメットリカバリーなどのサプリメント3種類が贈られる。黒田は「記念の楯をもらえるんですよね? 欲しかったので嬉しいです」と喜び、「サプリメントはプロテインをたまに摂るくらいでしたが、これをキッカケに摂りたいと思います」とコメントした。
取材/文=松井孝夫(Takao Matsui)、編集=イーファイト編集部
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