【月間ベストファイター・8月】“超新星”水野新太、8戦無敗でDEEPフェザー級GP優勝!亡き母へ捧げる勝利
■トーナメント8番目の選手として絶対に負けられない理由
DEEPフェザー級GPに8番目で選ばれることとなった水野だが、負けられない理由があった。それは、同トーナメントで注目を集めていた相本宗輝の欠場だ。相本は一回戦の減量中に体調不良で病院へ搬送されてしまい、対戦予定だった高橋遼伍の不戦勝となった。
水野は相本の欠場について「注目選手が抜けたことでレベルが落ちたとか言われていて。でも、このトーナメントには俺がいるんだぞと示したかった」と芦田戦はKO決着に拘り、そして結果を出した。続く準決勝の海飛戦も同じく倒そうとしたことで、逆に3Rは強打をもらってしまい、あわや逆転負けという危ないシーンが飛び出したのは根底に相本の欠場があったからだ。
相本は無敗街道を突き進む水野と同じ“超新星”。水野は相本に対して「前回の試合(9月15日、木下カラテ戦でKO勝ち)は圧倒的な試合をしていましたので、モチベーションが高くなりました。好き嫌い関係なくライバルとして意識しています」と語っている。
DEEPフェザー級GPは、ライバル不在になったことで「絶対に自分が優勝する」という気持ちでトーナメントに臨んでいたという。
また、昨年8月10日に他界した母親のために賞金(300万円)でお墓を建てると決意してのGP参戦だったことも明かした。
■トーナメント決勝の高橋戦で心掛けていたこと
決勝の高橋戦は、打撃で勝負するというのが大塚コーチと立てた共通の戦略だった。サウスポー構えの水野は、右ジャブを的確に入れて高橋の出鼻をくじくことに成功する。インカーフで相手の左前脚を蹴ってバランスを崩させてダメージを与え、強引に相手が距離を詰めてくれば左のストレートを合わせていった。
決勝のテーマは、“行き過ぎないこと”。倒したい、ビッグヒットを狙いたいと打ち急いでしまうと、カウンターの打撃をもらってしまったり、テイクダウンされる危険性も出てくる。前回の海飛戦の終了間際に受けた打撃を教訓に、水野は勝負に徹した。
そして、最後まで距離をコントロールした水野は、高橋の打撃を封じ5-0の完封勝利。8番目の男が、8戦無敗で層の厚いフェザー級を制した。ケージサイドには大塚コーチのつながりで一緒に練習したこともある平本蓮も応援にかけつけ、水野の注目度の高さを証明することとなった。
まだキャリアの浅い水野だが、1戦1戦成長した姿を見せており、その背景にはボクシングの志成ジムの山田陽一朗コーチからパンチのテクニック指導を受けていることも大きい。またサプリメント会社HALEOのサポートを受けているため、フィジカルは同社で行い、強くなるために最大の努力をしている成果が今回のGPで発揮された。
■12月のDEEPで青井人とのタイトル統一戦実現か?
DEEPフェザー級GPで優勝し、水野の次のターゲットは現DEEPフェザー級王者の青井人になりそうだ。青井は9月21日に行われたDEEP大阪大会でチェ・ソンヒョクを破っており、試合後は水野がケージ内に入り対戦表明した。2人は今年12月のDEEPでタイトル戦を行うことが濃厚で、実現すれば統一戦となる。
水野は青井について「すごく冷静に戦っていて、福田龍彌選手に似て、穴のない選手。対戦が実現したら、どう崩すかがポイントになりそうですね。相手の出方次第ではありますけど、打撃にしろ、寝技にしろ、自分から作っていきたい」と、すでに頭に攻略のイメージができつつあるようだ。
もしも青井のタイトルを奪うことができれば、水野はさらに世界へと視界が広がっていく。実際にファンからは「RIZINで水野を見たい」という声も多い。水野は「RIZINの上位陣とやっていく自信はあります。キャラも大事ですが、1戦1戦強くなっていくことが今の僕には必要です。いま一番意識しているのは、秋元強真選手ですね。いずれ戦ってみたいと思っています」と明かした。
ちなみに水野は朝倉未来と同じ階級だが、対戦が実現したらと聞くと「難しい質問ですね…。もしも実現したら試合で殴れないかもしれない」と笑いつつ「でも同じ階級の選手として朝倉選手の試合を見ている時は、いつも負けてほしくないと思っています」と、いつまでも目標でいてほしいと願っているようだ。
水野のRIZIN参戦、秋元との試合、夢は膨らむばかりだが、いずれにしても青井とのタイトル統一戦、相本とのライバル争いも含めて目の前にある壁を乗り越えた後になることだろう。DEEPの超新星がどこまで勝ち進むのか、期待は高まるばかりだ。
■水野が受賞の喜びを語る
イーファイトの月間ベストファイターに初選出された水野は、「これまでの人生で、そういう賞をもらったことがなかったため、素直に嬉しいです」と喜んでいた。イーファイトからは記念盾、ゴールドジムからはサプリが贈られる。
(取材/文=松井孝夫、構成・編集=イーファイト編集部)
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