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2013年7月度MVP 野杁正明

毎月eFightが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2013年7月のMVPは、7月15日(月・祝)後楽園ホールで行われた『NJKF 2013 4th』で初の本格ムエタイルールに挑戦、高橋誠治にKO勝ちしてWBCムエタイ日本スーパーライト級王者となった野杁正明に決定!(2013年8月5日UP)

PROFILE
野杁正明(のいり・まさあき)
1993年5月11日、愛知県出身
身長172cm、体重63.0kg
OISHI GYM所属
※詳細は選手名鑑へ→

選考理由
1、「初の本格ムエタイルールで見事なKO勝ち」
2、「WBCムエタイ日本王座を獲得した」
3、「まだ20歳の若さで世界への飛躍が期待される」

選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とeFightの全スタッフ

受賞された野杁選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個マルチビタミン&ミネラル 1個アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、eFightより記念の盾が贈られます。

プロカルシウム 300粒

骨の形成に必要なコラーゲンやカルシウムなどミネラルを含むプロテタイトに、骨の成長を考えたカルシウム、乳果オリゴ糖、CPPなどを配合しました。
マルチビタミン&ミネラル

100%自然素材を使用したビタミン&ミネラルサプリメント。着色料、香料、保存料は一切使用しておりません。
アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒

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贈呈:ゴールドジム

MVP記念インタビュー 
「強ければ両方のルールでチャンピオンになれることを僕が証明してみせる」

■ヒジ打ちありのルールでも圧倒的な強さでKO勝ち

 野杁は2009年の『K-1甲子園』を高校1年生にして制覇する衝撃デビューを果たし、“天才児”と謳われた。以後はK-1とKrushを主戦場にして活躍し、5月に開催された『GLORY』の世界トーナメントでは準優勝。世界トップクラスの実力を持っていることを証明し、日本を代表する選手にまで成長した。

 その野杁が今回プロで初めて、ヒジ打ちありのムエタイルールに挑戦。

 ジュニア時代の中学2年生の時にタイでも一度だけ経験しているが、以後はヒジ打ちなしのルールに専念していたため、野杁がどのようなファイトを見せるか大きな注目が集まった。

 試合はWBCムエタイ日本スーパーライト級王座決定戦として行われ、対戦相手の高橋誠治は同タイトルの元王者であり、現NJKFスーパーライト級王者。ヒジ打ちありの試合経験は野杁よりもはるかに多いベテラン選手である。

 野杁は「作戦通り」に両腕のガードを高く上げてガッチリと固め、前へ出て圧力をかけていった。高橋はテコンドー仕込みの多彩な蹴り技、そしてヒジ打ちを繰り出していったが、野杁はしっかりディフェンスしてボディ打ちを決めていく。3Rにパンチ連打でダウンを奪うと、立ち上がった高橋に顔面前蹴りを突き刺してKO勝ち。ヒジ打ちありのルールでも圧倒的な強さでチャンピオンベルトを獲得した。

「接近戦でクリンチの状態になった時に、ヒジがあると打たれてしまうので緊張感がありました。

 実際に一度組んだ時にヒジをもらってしまい、ダメージはなかったですが、この距離でも打てるんだな、と思いましたね。ムエタイルールらしいヒジや首相撲の攻防は出来ませんでしたが、作戦通りにいったという感じでした」と、試合を振り返る野杁。

 ヒジなしルールで地位を築いたにも関わらず、なぜリスクを背負ってヒジありルールで試合を行ったのか。野杁は「元々、僕はパンチでガンガン行くようなタイプではなく、ムエタイスタイルなので前からムエタイルールに挑戦したかったんです。今までも何度かお話はあったんですが、他の試合と重なって実現出来ませんでした。今回のお話はタイミングよくいただいたので、いいチャンスだと思って出ることにしました」と説明する。

 WBCムエタイには日本王座からインターナショナル王座、そして世界王座と段階が用意されているが、「やっているからには世界のベルトが欲しいので、チャンスをいただけるのなら挑戦していきたい」と言い、「機会があればヒジ打ちもどんどん出していきたい」と、今回の挑戦だけに終わらずヒジ打ちあり・なしのルールを並行して行っていきたいという。

 しかし、両ルールの試合を並行して行うことで、戦い方や間合いの違いに戸惑い、過去多くの選手が両立に失敗している。そんな危険が伴うことにあえて挑戦するのはなぜなのだろうか。

「自分が“最強”であることを証明したいからです。強い選手はどっちのルールでやっても強い。ヒジなしの試合しかやっていなかったら、『あいつはヒジありでは勝てない』って言われるじゃないですか。強ければ両方のルールでチャンピオンになれることを僕が証明してみせます」

■今の自分の強さに「自信を持っている」

 衝撃デビューから4年、野杁は20歳となった。“天才児”のニックネームは“怪物”へと変わったが、野杁自身は自分の成長をどう思っているのだろうか。

「K-1甲子園の映像をたまに見ると、身体が小さいなと思います。今はフィジカルトレーニングを取り入れているので身体が全然変わりました。でも、ただ身体を大きくするだけのトレーニングではなく、スピードを落とさず攻撃の威力を上げるトレーニングをしています。技術的には、昔は蹴りで倒すことが多かったけれど、最近はパンチでも倒せるようになってきたことに成長を感じます。昔はパンチに苦手意識があったけれど、最近はそれがなくなってきましたね」

 野杁は今の自分の強さに「自信を持っている」と断言する。それは「周りの人たちのサポートのおかげです。環境に恵まれていると思います」と、周囲の協力に支えられている自信だという。

 所属するOISHI GYMにはREBELS 55kg級王者・日下部竜也、WBCムエタイ日本女子&J-GIRLSフェザー級王者・大石綾乃を始め、多くの強豪選手たちがいる。

「みんなで切磋琢磨し合って練習しているのでイヤでも強くなります。試合が近くなってアツくなると、スパーリングで倒しに行くくらいボッコボコにやるんです。そういったことが強さにつながっているのだと思います。それと、みんなが会長を信頼しています。会長が細かく対策を練ってくれるので、OISHI GYMが強いのはそれが一番大きいと思います」

 次回の試合は、9月1日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホールで開催される『Krush.32 ~in NAGOYA~』にて、王者・久保優太に挑戦するKrush -67kg級タイトルマッチが決定している。久保とはこれまで2戦して2敗。「同じ相手に3度も負けるわけにはいかない」とリベンジを誓う。

「本当は2回目で勝ちたかったけれど、不運もあって勝てませんでした(偶発的に急所へ蹴りを受けて大きなダメージを負った)。3回目は負けるわけがない。対策も出来ているので、勝つ自信しかありません」

 今後、ヒジなしルールでは、久保へのリベンジを果たすとともにホームリングであるKrushのベルトを奪取、その次は世界最大の立ち技格闘技団体であるGLORYの世界王座獲得を目指す。ヒジありルールではWBCムエタイの世界王座、さらには、まだ日本人が誰も巻いたことがないムエタイの最高峰ルンピニースタジアムのタイトルも視野に入れている。

 まだ20歳という若さの怪物・野杁は、これからもさらに伝説を築いていくことになるだろう。

関連リンク

・ゴールドジム Web site
・試合レポート「野杁がKO勝ちでWBCムエタイ日本王座を獲得、次は世界タイトル狙う」

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