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2015年12月度MVPスペシャルインタビュー RENA(RIZIN)

 毎月イーファイトが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2015年12月のMVPは、12月31日(木)にさいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 IZAの舞』で、MMAデビュー戦を見事な大技での一本勝ちで飾ったRENAに決定!(2016年1月9日UP)

PROFILE

RENA(れーな)
1991年6月29日、大阪府出身
身長160cm 体重50.0kg
シュートボクシング/シーザージム所属
※詳細は選手名鑑へ

選考理由
1、「MMAデビュー戦で大技による一本勝ち」
2、「大みそかの注目が集まる第1試合で大いに盛り上げた」
3、「MMAとSBの両競技でますますの活躍が期待される」

選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とイーファイトの全スタッフ

受賞されたRENA選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個マルチビタミン&ミネラル 1個アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

プロカルシウム 300粒

骨の形成に必要なコラーゲンやカルシウムなどミネラルを含むプロテタイトに、骨の成長を考えたカルシウム、乳果オリゴ糖、CPPなどを配合しました。
マルチビタミン&ミネラル

100%自然素材を使用したビタミン&ミネラルサプリメント。着色料、香料、保存料は一切使用しておりません。
アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒

選び抜かれた8種類の成分。トップアスリート達が使用する回復系サプリメントです。
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贈呈:ゴールドジム

 

MVP記念インタビュー
試合前に“私、絶対に飛ぶから”って周りにも言っていたんです

■試合の2~3週間前から本当に凄い恐怖がありました

 5年ぶりに大みそかのゴールデンタイムで地上波放映され、大きな話題を呼んだ格闘技イベント『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015』。その第1試合で、一気に大会を盛り上げたのが女子ファイターのRENAだった。

 RENAは16歳でプロデビュー。シュートボクシング(以下SB)を主戦場にキャリアを積み、SBの世界トーナメント『Girls S-cup』を3連覇するなどして“SBの女王”と呼ばれる存在。現在15連勝、5年間無敗と圧倒的な強さを発揮しており、「自分への挑戦として」今回MMA(総合格闘技)に初挑戦した。

 榊原信行・RIZIN実行委員長は、「紅白もそうですがトップバッターが誰になるのかは重要。トップバッターのつかみが大事なんです。それをRIZINではRENAがつかむ。また、(未来へ向けてチャレンジするという)我々のメッセージが一番届くのがRENAの試合だと思う。日本格闘技界の新しい扉を開いてもらいたい」との想いでRENAを第1試合に抜擢。見事、その期待に応えたことになり、榊原実行委員長は「プロの仕事をやってのけましたね。まさかあんな大技で勝つとは。あれは狙っていてもやれる技ではない。素晴らしい」と絶賛した。

 大会全体を一気に成功へ導いたと言ってもいいくらいの大仕事をやってのけたRENAだが、「今回は久しぶりに緊張しました。試合の2~3週間前から、楽しみよりも不安が勝っていて、本当に凄い恐怖がありました。いつもと違うな、と。プロ初期の頃の緊張感を久しぶりに味わいました」と、試合前は恐怖感にとらわれていたという。

 その恐怖感は大会前日の計量まで続いた。計量の時に対戦相手であるイリアーナ・ヴァレンティーノ(イタリア)の顔を見た瞬間、吹っ切れた。

「最終的に覚悟を決めたのは“SBのためになるのなら”との想いでした。それと、挑戦に飢えていたので。その2つが試合当日の私に勇気をくれました」

 序盤、試合は意外な展開を見せた。スタンドの打撃ならRENAの方が有利だろうと思われていたのだが、ヴァレンティーノの左ストレートがRENAの顔面を何度も捉えたのだ。

「思ったよりも、もらってしまいましたね。あれは、私がMMAの距離でMMAをやろうと思っていて、向こうはキックボクシングの距離で戦おうとして思い切り飛び込んできたからです、その考え方、距離の違いがあの時は分かっていませんでした。そこで私がMMAの距離を貫いてしまったから、もらってしまったという感じです。もしあれが通常のボクシンググローブを着けてのSBルールでの試合だったら、私の戦い方は全然違ったと思います。私ももっと思い切り殴れますから」

 思い切り殴れなかったのには理由があった。試合中、RENAの左手に痛みが走ったのである。11月20日の練習中に、指の付け根部分(左手中指と薬指)を骨膜損傷。全治6週間との診断を受け、12月1日に予定されていたSBでの試合を欠場しており、その怪我が再び痛み出したのだ。

「思い切りは殴れなかったです。最初に左フックを打ってしまった時に痛みを感じました。セコンドには手を振る仕草で伝えました。でも試合中はアドレナリンが出ていたので、まだ頑張れる程度の痛みだったのでよかったです。左手の不安は最初からありましたが、そこは“まあ、どうにかなるんじゃないの”と思っていましたね(笑)。試合中も“やっぱり痛くなったか”という程度で焦りはしませんでした」

 さらに、大きな誤算があった。SBでも得意技としている首投げなどで何度かテイクダウンを奪ったが、ヴァレンティーノにすぐに立たれてしまったことだ。

「上になってマウントを取れなかったのが残念なポイントでした。抑え込みが下手すぎて、あれが誤算。練習の時は抑え込み出来たんですが、ヘタクソすぎましたね」

■このままでは判定までいく。流れを変えないと

 1Rが終わって自軍コーナーへ戻る時、「これはヤバい」と考えていたという。

「どうしようかな、どうフィニッシュに持ち込もうかなと考えていました。これ、判定まで行くなと思いましたね。ダメだ、この展開はまずい、と。そこで、2Rは流れを変えないといけないと思いました。本当はテイクダウンしようかな、タックルに行こうかなと考えていたんですが、今日の調子だとテイクダウンしても抑え込めなくてすぐに立たれるかなと思って、もう打撃でいこう、殴り合ってもいいと決めました。ある程度は相手の打撃も分かってきたので」

 しかし、2Rになるとヴァレンティーノはさらに勢いづき、左ストレートでRENAは追い込まれる形に。両者が組み合い、首相撲からヒザの蹴り合いになったところで、セコンドに就いていたAACCの阿部裕幸(RENAのMMAコーチ)が「飛べ!」と叫び、RENAは飛んだ。試合前に予告していた飛び付き腕十字固めだった。

「ずっと練習していたことなので身体が勝手に動いたのと、やろうとは意識していたので、自然と意識していたのと半分半分ですね。相当練習していたでしょうと言われますが、そこまで練習していたわけではないです。これをやったら盛り上がるだろうな、くらいに考えていました。

 佐藤ルミナさん(修斗のカリスマと呼ばれた選手で飛び付き腕十字を得意としていた)に教えていただいてやりたい気持ちはあったので、試合前に“負けてもいいからとりあえず飛ぶ”とは周りにも言っていたんです。私、絶対に飛ぶからって。それであの時、“今や!今のタイミングじゃないと”と思ったんです」

 ところが、技は不完全だった。これは逃げられるかもしれない、多くの関係者がそう思ったが、RENAは冷静だった。

「浅かったので失敗したかなと思ったんですが、相手の顔を見たら一瞬曇ったので、これはいけると思いました。それで、技をかけながら(関節が極まるように)位置をずらしたんです。立ってこらえていた相手が倒れてくれたので極まったという感じでした。試合中は冷静でしたね」

 一か八かの賭けで見事に大技を極め、一本を奪ったRENA。その瞬間、会場は大歓声に包まれた。

「マジか!と思いました。ウソ!みたいな、そういう感じでした。お客さんが凄く盛り上がってくれたので、久しぶりにめちゃくちゃ嬉しかったです。試合中も投げひとつでもワーッとなってくれるじゃないですか。気持ちよかったですね。飛んだ瞬間も歓声が聞こえたくらい冷静でした」

 この試合は大みそかの地上波中継でも最初に放映され、注目を浴びることになった。その反響は大きかった、とRENAは言う。

「反響はめちゃデカいです。ごはんを食べに行くため外出したら、100%の確率で『RENAさんですよね?』と話しかけられます。今までもありましたけれど、ここまでは初めてですね。今日も部屋着のまま近所を歩いていたら、写真撮ってくださいと言われて困りました(笑)。ブログのアクセス数も凄かったですし(462,586アクセス)。やっと女子の私にも世間の目が向いてくれたのかと思うと嬉しいですね。これで女子の格闘技が盛り上がってくれれば、MMAに挑戦した甲斐があります」

阿部裕幸とともにRENAのコーチを務めた日本人女子唯一のMMA世界王者、INVICTA女子アトム級王者の浜崎朱加

 気になるのは次回の試合だが、怪我の治療もあって春過ぎになりそうだ。

「SBの試合が4月にあるので、そこに照準を合わせようと思っています。次は多分、SBの試合です。次はSBの私を見てください。MMAの練習は続けますが、当分はいいかなって感じです。SBもやりたいので。そこはSB協会にお任せします」

 大仕事を終え、「終わってみれば凄く楽しくてやりたいことを全部やれたので、今はホッとして安心感が凄くあります」というRENA。身体を休め、再びリングに帰ってくる日が待ち遠しい。

写真提供/RIZIN FF/Sachiko Hotaka 

関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「RENAがMMAデビュー戦で一本勝ち」
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