【編集部コラム】那須川天心の強さを作った意外なトレーニングとは?
那須川天心はジュニア時代から“天才”と呼ばれ、昨年7月に15歳でプロデビュー。
デビュー戦でいきなりRISEランカーを1Rわずか58秒でKOし、2戦目と4戦目では外国人選手をやはり1RでKO。そして今年3月には元シュートボクシング日本王者も1Rでマットに沈めた。
5戦全勝(4KO)の戦績で挑んだ5月31日のRISEバンタム級タイトルマッチ。王者・村越優汰から計4度のダウンを奪ってのKO勝ちで、16歳9カ月にしてRISEバンタム級王座に就いた。
幼い頃から極真空手で鍛え、キックボクシング転向後はジュニアのタイトルを総なめにするなど試合経験は豊富だが、強さの理由はそれだけではない。プロに転向するため所属したTARGETジムでのトレーニングで、現在の“倒す”テクニックが磨かれたという。
某月某日。那須川のトレーニング風景撮影のためにTARGETを訪れた。那須川が特に重要視しているトレーニングはシャドー、ミット、マススパー、ストレッチの4つに加えて、意外にも「首相撲」だという。
現在主戦場にしているRISEでは、両手でつかんでのヒザ蹴りは一発だけ認められているが、首相撲で相手を崩したり投げたりする行為は禁止されている。それなのに、なぜ首相撲を延々と20分ぶっ続けでやるのだろうか?
実は、K-1 WORLD MAXで活躍した魔裟斗も首相撲をトレーニングに取り入れていた。K-1では全面禁止となっていた首相撲だが、それをあえてやっていた理由は身体が強くなる=体幹が鍛えられ、軸が安定することによって退がらされず前に出られる力が身に付くからだ。
また、魔裟斗の最初の師匠である加藤重夫会長は極真空手の師範としても松井章圭(現・極真会館館長)を始め多くの強豪選手を育てているが、空手の選手にも首相撲をやらせていた。これも強い身体とバランス=安定した軸を養わせるためだった。
近年、首相撲禁止のルールが主流になってきたことにより、元々首相撲を苦手とする日本人選手たちが練習でもやらなくなってきたという。試合で使わないのだから、練習しても無駄、との理由からだ。
しかし、16歳の那須川は率先して首相撲を取り入れている。その理由は魔裟斗と同じで体幹を鍛えるためだ。多少バランスを崩しても、首相撲をやっていることによって安定した軸から強いパンチを放てるなど現在のRISEの試合でも活かされていることがあるという。
他にも、3種類のシャドー、ミットやスパーリングで意識していること、ストレッチ時に使う秘密グッズなど、天才と呼ばれる裏には隠された努力があった。強くなるためになら何でも取り入れる。他の選手が避けるようなこともやる。それこそが、那須川が“天才”たるゆえんなのだろう。
・【動画】那須川天心の強さの秘密とは!? 練習に密着
・【試合レポート】16歳の怪物・那須川がKOで王者に
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