【ムエタイ】東北で活躍のキッズは全敗も、明日につながる大善戦
1月7日(月・現地時間)タイ・プーケットにあるパトンボクシングスタジアムで開催されたPK-1興行『MONDAY NIGHT SUPER FIGHT』に、東北で活躍するムエタイキッズが遠征試合を行った。
この遠征試合は、宮城・石巻にあるドラゴンボクシングスタジアム(以下DBS)で大震災復興チャリティーイベント「戦場」を主催するドラゴンジムの佐藤亮会長を団長、Y’ZD GYMの龍野右紀会長を副団長とするチームがムエタイキッズを率い、現地で行われるムエタイの試合に出場するというもの。今回、チャレンジするのは佐藤太陽(DRAGONGYM)、齋藤紘也(DRAGON GYM)、熊井亮介(Y’ZD)の3選手。
スタジアムはローカル感が溢れているもののプーケット最大のスタジアムで、これまでにブアカーオvsナムサックノーイというムエタイのスーパースター同士のスペシャルエキシビションマッチも行われた場所でもある。また、プーケットは観光地であることから、外国人観光客が場内を埋め尽くし、攻撃が当たるたびに大声援が飛び交い、全8試合で白熱した試合が展開された。
試合では、地元の強豪選手を相手に敗れた3選手だったが、最後まで諦めないファイトスタイルがプロモーターから評価されたことから破格のファイトマネー(※)が贈られた。※熊井は5,000バーツ(日本円で約15,000円)、齋藤は3,000バーツ(日本円で約9,000円)、佐藤は2,000バーツ(日本円で約6,000円)。
大会後、佐藤会長は「今の気持ちを水泳に例えると、自前のプール(=DBS)から飛び出してアンダマン海(インド洋の緑海)に飛び込んだ感じ。そこは広くて深くて色んな魚がいました。今回は熱帯魚(=ムエタイ)から洗礼を受けましたね。ムエタイも奥深い。どの相手も強かったけれど、日本のキッズたちは最後まで戦い抜いた。結果的に負けてしまったけれど、学ぶべきことが多く明日につながる大善戦だったと思います」と総括した。
東北で活躍するムエタイキッズたちは継続的にタイ遠征試合を行う予定であり、今後の活躍に注目が集まる。
PK-1
「MONDAY NIGHT SUPER FIGHT」
2013年1月7日(月・現地時間)タイ・プーケット パトンボクシングスタジアム
▼第3試合 55kg級契約 日タイジュニア対抗戦
○イッキュウサン(タイ)
判定
●熊井亮介(Y’ZD/APKFジュニア50kg級王者、UKF48kg級王者、DBS50kg級王者)
昨年8月、タイ・バンコクで開催された史上最大規模の女子ムエタイ大会『タイ王妃生誕記念イベント クイーンズカップ』に出場した熊井(中2:14歳)のムエタイ2戦目。相手のイッキュウサンは50戦以上の戦績を持つ18歳。「今回勝ってぜひ日本で試合をしたい」と気合い十分。場内のボルテージが最高潮の中、熊井は相手よりも長い見事なワイクルー(試合前の舞踊)を披露した。
序盤、熊井は左右ローを中心とした攻撃。相手のローに合わせて熊井が左フックをクリーンヒット! ぐらつくイッキュウサンだが耐え抜き、左ミドル、テンカオで徐々に主導権を握っていく。劣勢の熊井は鼻血を出しながらイッキュウサンと打ち合う場面も。バックスピン、バックブローと逆転の一発を狙う熊井だったが挽回は出来ず、判定負けを喫した。
▼第2試合 46kg級 日タイジュニア対抗戦
○ペットゥール(タイ)
判定
●齋藤紘也(DRAGON GYM/DBS45kg級1位)
ムエタイデビュー戦となる齋藤(小6:12歳)の相手ペットゥールは30戦近い戦績を持つ17歳。蹴りを得意としているという。
1R、じっくりと構えるペットゥールに対し、齋藤はミドルからローにつなげる。ローからパンチの齋藤に、ペットゥールは重い右ローを返す。2R、ガンガン前に出る齋藤だが、ペットゥールが首相撲で優位に立つ。齋藤がローを出せば、ペットゥールが蹴り足をキャッチしこかすなど一枚上手の攻撃を見せる。
3R以降、一気に首相撲で勝負に出るペットゥール。齋藤はパンチで突き離すも、すぐに組み付かれる。
足を掴んでこかされる場面も目立ち印象の悪い齋藤。疲れを見せ始めたペットゥールだが打ち合いに応戦するがやはり首相撲で削っていく。善戦した齋藤だったが、判定で敗れた。
▼第1試合 29kg級 日タイジュニア対抗戦
○ソーンギンペット(タイ)
判定
●佐藤太陽(DRAGONGYM/DBS30kg級王者&WINDY SUPER FIGHT20kg級王者)
今回、ムエタイデビュー戦となる佐藤(小5:11歳)の相手ソーンギンペットは11戦の戦績を持つ10歳。キャリアは浅いが、左側頭部にはヒジでカットされた傷跡が目立っている。
1R、サウスポーの佐藤は左ミドル、前蹴り。ソーンギンペットの足を掴んでこかすなどペースを握る。2R、ソーンギンペットは前蹴りを出しながら一気に距離を詰めて首相撲。嫌がる佐藤はミドルの蹴り合いに持ち込むも距離を潰される。
3R、ソーンギンペットは佐藤の蹴り足をキャッチしてこかす。首相撲でも劣勢の佐藤だが、ソーンギンペットをコーナーに詰めてパンチ連打で追い込む。さらに前方回転蹴りを繰り出すと、場内は大盛り上がりを見せた。
4R、左ハイ、左ミドルの連打の佐藤だが、ソーンギンペットの首相撲に手を焼いてしまう。最終ラウンドも首相撲で優位に立つソーンギンペットは勝ちを確信したか、ムエタイ特有の“流し”の体勢に入り終了。判定負けした佐藤だったが、最後まで攻め続けるハートの強さがプロモーターの目に留まり、高評価を受けていた。
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