【ムエタイ】東北ムエタイキッズ、プーケット遠征で4戦全勝
宮城県石巻市にあるドラゴンボクシングスタジアム(以下DBS)を主戦場にする、ムエタイキッズが3度目のタイ・プーケット遠征試合を行った。
出場メンバーはムエタイ3戦目となるDBS認定30kg級王者・佐藤太陽(DRAGONGYM/小学6年)、ムエタイ2戦目のDBS40kg級1位・佐高仁(DRAGON GYM湯沢/中学1年)、ムエタイデビュー戦のDBS45kg級1位・平塚温大(DRAGON GYM石巻/中学1年)、中学生のスパイダーマン(本名は非公開)の4名。
8月2日(金・現地時間)プーケットのシャロン地区にあるスウィットスタジアム(右写真)の興行には、平塚とスパイダーマンが出場。ここスウィットスタジアムは歴史あるパトンスタジアムよりもさらに古くからあったサパーヒンスタジアム(現在は消滅)のプロモーターが取り仕切っているスタジアムで毎週金曜日に興行がある。
特徴としてはプーケット(観光地)ながらギャンブラーが多く、タイ人同士の試合(子供も大人も)が他のスタジアムよりも多いことが挙げられる。つまり、外国人vsタイ人もあるけれど、タイ人同士の試合もハイレベルで面白くタイ人ギャンブラーも騒いでいる昔ながらのスタジアムといったところ。規模としてはパトンスタジアムよりも少し小さいが2階席もあり雰囲気のある地方スタジアム。スタジアム隣りにはリングが3つもあるスウィットジムがあり、タイ人だけでなく外国人もムエタイの練習に励んでいる。
全10試合中の第4試合に出場したスパイダーマンは43kg契約でファープラターン(タイ)と激突。ファープラターンはパンガー出身の7戦4勝3敗の12歳。スパイダーマンはデビュー戦ながら落ち着いてパンチからのコンビネーションを繰り出しファープラターンを圧倒。スパイダーマンの右ストレートがファープラターンの顎を打ち抜き、ファープラターンが前のめりにダウン。そのまま起き上がれずに何とスパイダーマンが1ラウンド1分15秒でKO勝ち。
続いて第6試合に出場した平塚は42Kg契約でファスーン(タイ)と激突。ファスーンはムエタイが盛んなクラビ出身で戦績は8戦5勝3敗の11歳。緊張でガチガチの平塚だったが、左ミドルキックの連打からの左ストレートでファスーンが吹っ飛びダウン。すぐさまレフェリーが試合を止めて平塚の1R46秒KO勝ちとなった。敗れたファスーンは自力で立ち上がれずに担架で運ばれた。
両者ともにムエタイデビュー戦ながら1ラウンドKO勝利に会場のギャンブラーや関係者も驚いていた。激しいトレーニングを乗り越えて掴んだKO勝利に笑顔がこぼれるスパイダーマンと平塚。プロモーターのマニット氏から生まれて初めてのファイトマネー(両者ともに1500バーツ)が贈られた。両者は次回12月に再びシャロンスタジアムのリングに上がる予定。次回はもっと経験豊富な賭けの成り立つ相手との試合が予定されている。
5日のパトンボクシングスタジアムで行われたPK-1興行には、佐藤と佐高が出場し地元強豪選手を相手に勝利を収め、プロモーターから破格のファイトマネー(※)が贈られた。※佐藤、佐高は共に3,000バーツ(日本円で約9,000円)。
4戦全勝という結果を受けて、ドラゴンジムの佐藤亮会長は「プーケットはスマトラ沖大地震(2004年12月26日)で津波被害のあった地区です。現在は復興していますが、私も東日本大震災の被害に遭い、縁を感じています。キッズたちには復興した場所で試合をやることで現地の方々の力を感じ取って欲しいと思い、今回3度目のプーケット遠征となりました。ルンピニーやラジャダムナンのあるバンコクではなく、あえてこういう場所で試合経験を積んで後々にはルンピニーやラジャダムナンに進出したい。今の気持ちを水泳に例えると、深いプールに潜水しながら水面を見ている感じです(誰も見ていない角度からムエタイに挑戦しているという意味)」とした。なお次回、DBSムエタイキッズの4度目のプーケット遠征試合は12月を予定。
PK-1
「MONDAY NIGHT SUPER FIGHT」
2013年8月5日(月・現地時間)タイ・プーケット パトンボクシングスタジアム
▼第1試合 29kg契約 日タイジュニア対抗戦
○佐藤太陽(DRAGONGYM/DBS30kg級王者&WINDY SUPER FIGHT20kg級王者/小学6年)
判定
●コンピチット(タイ)
当初、佐藤は今年4月に対戦したチャカトーン(タイ)と10,000バーツ(35000円相当)の賞金マッチで再戦する予定だったが、チャカトーンはイスラム教徒の義務の一つ、断食(サウム)のラマダーンの時期と重なったために欠場。代替選手として、チャカトーンに勝利しているコンピチットと対戦することとなった。最強と言われていたチャカトーンを破っている二人だけに、この試合に勝った方が真の最強となる。
1R、パンチ勝負の佐藤に対し、コンピチットは組み付いて首相撲を仕掛ける展開。佐藤が左ミドルで突き放そうとするも、コンピチットはすぐに首相撲へ。
2Rには佐藤が前方回転蹴りを見せると、避けたコンピチットは佐藤を踏みつける荒々しい一面も見せた。3R、佐藤はパンチから左ミドルで勝負も、コンピチットが首相撲。佐藤のミドルを食らっても前に出続けながら首相撲を仕掛け、互角の勝負となる。
4R、佐藤は左ミドル、前蹴り。コンピチットが前に出たところに上段後ろ廻し蹴りも見せる。最終ラウンドも、徹底した首相撲勝負のコンピチットに対し、佐藤が的確に左ミドル、前蹴りを叩き込み判定勝ちを収めた。
真の最強決定戦を制した佐藤に対し、地元プロモーターも「佐藤は南部で最強だ」と評価した。
▼第3試合 37kg契約
○佐高 仁(DRAGON GYM湯沢/DBS40kg級1位/中学1年)
KO 2R ※ヒザ蹴り連打
●キィャウモラコット(タイ)
佐高は4月にタイ人相手にヒザでKO勝ちしており、今回はムエタイチャレンジ2戦目。1R序盤は、佐高がパンチとヒジで優勢に進めるも、キィャウモラコットは右ロー連打。キィャウモラコットの重くて速いローの前に、佐高はカットすることが出来ず失速してしまう。ローを蹴られるたびに、佐高は体が流れてしまい印象は悪い。痛そうな表情も見せレフェリーがいつ止めてもおかしくない状況に追い込まれた。
2R、インターバル中に佐藤会長に活を入れられた佐高が必死の反撃に出る。パンチを出しながらガンガン前に出た佐高は、コーナーに追い込むと首相撲を仕掛けヒザ蹴り連打! コーナーでヒザをモロに食らったキィャウモラコットはその場に倒れ、佐高の逆転KO勝利となった。
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