【コラム】UFCヘビー級、ジョーンズvsミオシッチ実現の可能性は?
不祥事での王座剥奪まで文字通り“UFCナンバーワン・ファイター”だったジョーンズが、アリスターをKOしたばかりのヘビー級王者ミオシッチとの対戦を要求。これに王者ミオシッチも同意。はたして実現の可能性は?
(文:稲垣 収)
■UFC 元“パウンド・フォー・パウンド絶対王者”ジョーンズがヘビー級王者ミオシッチとの対戦熱望!
世界最高峰の総合格闘技大会UFCの公式ランキングで、長らく「パウンド・フォー・パウンド」(全階級合わせての順位)1位の座に君臨していた元ライトヘビー級王者ジョン・ジョーンズ。昨年4月にマリファナを吸引して当て逃げ事件を起こすという不祥事で王座を剥奪されたが、それまでは総合格闘技で負けは1度しかなく、それも誤って相手の顔面に垂直にヒジを落としてしまっての反則負けで、本当の意味での敗北はゼロだ。UFCライトヘビー級王座も8度防衛に成功していた、まさに“無敵の男”である。
これまで倒してきた相手には元UFCライトヘビー級王者の名がずらりと並ぶ。クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン、元PRIDEミドル級王者でもあるマウリシオ・ショーグン、“ブラジルの空手王”リョート・マチダ、カーウソン・グレイシーの弟子のビクトー・ベウフォート、ラシャード・エバンスだ。また、五輪レスラーであり元ストライクフォース・ヘビー級GP王者でもあるダニエル・コーミエにも勝利している。
今年3月に行われたUFC 197での復帰戦では、自身の謹慎期間中に新王者となっていたコーミエと再戦予定だったが、コーミエの負傷欠場により代打出場したオーヴィンス・サンプルーと暫定王座戦を行い暫定王者となっていた。そして7月に行われたUFCの記念碑的大会UFC 200のメインで、正王者コーミエと王座統一戦を行うはずだった。
しかしドーピング検査で陽性が出たためジョーンズは出場停止となり、コーミエは元ミドル級王者アンデウソン・シウバとノンタイトル戦を行った(結果はコーミエの判定勝ち)。
このためジョーンズがいつ戦線復帰できるのかは不明だが、9月10日のUFC 203で行われたヘビー級タイトル戦で、王者スティーペ・ミオシッチがアリスター・オーフレイムを1ラウンドKOして初防衛に成功するのを見たジョーンズは、ミオシッチに挑戦したいと表明したのだ。
ミオシッチに敗れたアリスターは元K-1王者で、DREAMやストライクフォースでもヘビー級王者になった日本でもおなじみの選手だが、ジャクソンズMMA(米ニューメキシコ州)でジョーンズとチームメートであり、スパーリング仲間でもある。そのアリスターがミオシッチにKOされるのを見て、ジョーンズの血が騒いだのだ。ツイッターで、ファンからスティーペとの対戦はどう? と問われて、9月12日に「彼の強さは本物だと認識し始めたよ。彼は本物だし、(彼との試合は)俺の人生最大のチャレンジになるだろう」とツイートしたのだ。
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