【吉鷹弘の打撃研究室】連載第47回「アンディ・サワーはさらなる進化を遂げていた」の巻
打撃のスペシャリストである筆者が、最近の試合を題材に打撃技術を分析していく連載コラム。今回は6月23日に行われた『SHOOT BOXING2013 act.3』で、パンクラスの岡澤弘太を1RでKOした、アンディ・サワーの技術を分析する。30歳にして160戦以上のキャリアを誇るサワーが、いまだ進化している部分とは!?
▼メインイベント シュートボクシングvsパンクラス3vs3対抗戦 70.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R無制限延長R
○アンディ・サワー(オランダ/TEAM SOUWER/S-cup2002・2004・2008・2012優勝)
KO 1R1分43秒
●岡澤弘太(ノヴァウニオン/パンクラスライト級7位)
※試合レポートはこちら
■岡澤の圧力に体勢を崩さなかった柔軟性
6月23日(日)後楽園ホールにて開催されたシュートボクシンvsパンクラスの対抗戦。その中で行われた、アンディ・サワーvs岡澤弘太の一戦について論じてみたい。
結果はサワーの1R1分43秒、KO勝ちという完勝。全く何もさせずに、技術・パワーなど全てにおいて差を見せつけることに。これ程までに差があるとは予想以上だった。
戦前より、シュートボクシング初参戦ではいくら総合の試合で際立つ打撃をみせる岡澤とはいえルールに不慣れなところは否めなく、シュートボクシングを主戦場とするサワーが圧倒的有利の予想であった。
序盤、体力と圧力の強さにものをいわせるかの様に岡澤がじりじりと間合いを詰めていく。サワーは岡澤の前に出てくる圧力に逆らわず、間合いを詰めてくる分だけ後ろに退いていく。
身体が伸びることなく、反ることなく、いつでも得意の右クロスを合わせられる体勢でいるサワー。元々、軸がしっかりしているサワーゆえ、後ろに退かされても身体が伸び上がることはなかったのだが、この日のサワーは後ろに退きながらも、今まで以上に軸の柔軟性を外見から感じさせる程だった。
軸に柔軟性が生じ始めると、より身体の力みが抑制され、相手の起こり(攻撃の起こり)に対して、より精度がよい反応・反射が可能となる。さらに攻防の中で技へのつなぎの精度と速さも増すため、例えば、コンビネーションで攻め込んだりすれば相手にとってはつなぎが速すぎるためディフェンスが間に合わなくなってしまうのである。
サワーは岡澤が攻め込んでこないと判断すると、得意の左インローで相手の出方を伺い、それでもこないと見るとさらにワンツーから左インローへつないでいく。 ・・・
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