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【ボクシング】王者・木村翔が元王者・五十嵐俊幸と大晦日に対戦。勝者は因縁のゾウと対決も

2017/11/21(火)UP

王者・木村翔(左)に元王者・五十嵐俊幸(右)が挑む

 12月31日の大田区総合体育館でWBO世界フライ級王者・木村翔(28=青木)が元WBC世界フライ級王者の現1位・五十嵐俊幸(33=帝拳)の挑戦を受ける形で初防衛戦が21日、都内ホテルでの記者会見で発表された。同興行ではWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)、IBF世界ミニマム級王者・京口紘人(23=ワタナベ)もそれぞれ防衛戦を行い、トリプル世界戦となる。

 会見で、自身にとって「大晦日」とはどんな存在か。そんな質問に五十嵐は「昔だったら合宿かな。人生の半分以上でボクシングをやってきたのでそんなイメージです」と答えると、木村は「年末になる頃には、金欠で首が回らなくなっていたので、家に引きこもっているイメージですね」と笑わせた。エリートとヤンチャと対比すれば、それぞれの個性がよく表れた言葉だ。

 2004年のアテネ五輪出場を経て、プロに転向した五十嵐と高校1年目でボクシング界から姿を消し、カムバックとなるプロデビュー戦でも初回KO負けを喫した木村。両選手のボクサー生活には大きな格差があり、私生活を聞いても、五十嵐からは妻の支えや子育てのエピソードがよく出るが、木村から出るのは五畳半のアパートに暮らし、アルバイト生活に追われる貧乏自慢が多い。

 しかし、今回重要なのは五十嵐が4年半前、 学生時代に4戦全勝だった八重樫東(大橋)から世界王座を奪われて以来、目のケガに苦しんできたことと、木村が、五十嵐にとってアマ時代に2度完敗を喫しているゾウ・シミン(中国)を倒し、世界王座に就いていることだ。引退との狭間をさまよい続けた五十嵐よりも華やかに、木村の名はまず中国で知れ渡った。

 五十嵐の方が年上で、世界王者としても先輩であるにも関わらず、木村を下に見る様子は皆無だ。
「エリートっていう個性は周りが当てはめたもので、自分はアテネ五輪の予選でも全階級で一番期待されていなかった落ちこぼれです。でも一番練習していた自信があるし、気持ちも強いと思っている。大切なのは今、努力が報われているかどうか」
 過去の男から現在、未来の男に戻ろうとする五十嵐に、木村も中国・上海から持ち帰った王座を譲るつもりはない。

木村(右)がゾウ(左)にフィニッシュの右を打ち込む(2017年7月=中国)

「今年の大晦日は真面目に働ける。今回に向けて、香港で専門的なフィジカルトレーニングをしてきたんですけど、自分でもびっくりするほどの成果があったんです。自分が王者でいることはシンデレラのようなので、この夢の中のまま、来年もいさせて頂きます」

 この試合が終われば、どちらが勝っても必然的にゾウがランキング1位に昇格するので、王者への指名挑戦権を得る。7月、木村はゾウに勝ち、衝撃の番狂わせと報道されたが、ゾウ陣営は木村とのダイレクトリマッチを要求していた。一方、五十嵐は、アマチュア時代にゾウに勝利できなかったこともあり、両者にとってはこだわりのある因縁の相手だ。因縁の再戦に結びつけるためにも、目先のベルト争いはいっそう貪欲になりそうだ。
(善理俊哉)

・元ヤンチャ少年の木村、中国の英雄にTKOで世界王座奪取

 

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