2017/12/16（土）UP
（最終更新：2018/01/04 19:32）

ドス・アンジョス（右）のエルボーがローラー（左）の顎にヒット

Ultimate Fighting Championship
「UFC FIGHT NIGHT：LAWLER VS DOS ANJOS」
2017年12月16日（土・現地時間）カナダ・ウィニペグベルMTSプレイス

▼メインイベント　ウェルター級　5分5R
○ハファエル・ドス・アンジョス（33＝ブラジル/元UFCライト級王者、ウェルター級4位）
判定3-0　※三者とも50-45
●ロビー・ローラー（35＝アメリカ/元UFCウェルター級王者、同級2位）

　ドス・アンジョスはムエタイとレスリングの高度なテクニックを武器に、2015年3月にUFCライト級王座を獲得した実績を持つ。昨年7月に迎えた2度目の防衛戦でエディ・アルバレスに王座を奪われ、さらに同年11月の再起戦でも黒星。だが、復活を懸けて今年からウェルター級に転向すると、タレック・サフィジーヌとニール・マグニーに連勝して順調な再スタートを切った。

　対するローラーはボクシング仕込みの強烈なパンチを武器とし、常にKOを狙うアグレッシブなファイトスタイルで人気のファイター。2014年12月にはUFCウェルター級王座を獲得。昨年6月に迎えた3度目の防衛戦でタイロン・ウッドリーにKO負けして王座から陥落したが、今年6月の再起戦でドナルド・セラーニを判定で下して復活の狼煙を上げた。

　1R、サウスポーに構える両者。パンチの距離まで詰めるローラーに対し、ドス・アンジョスは細かいフェイントを入れながら左右に動いて間合いを保ち、左右ミドル＆ローを蹴る。ローラーもフックとアッパーのコンビネーションで仕掛けるが、ドス・アンジョスは首相撲に捕らえてヒザ蹴りとエルボーで削る得意のかたちに持ち込んだ。

　2R、ローラーが早々にパンチのラッシュで仕掛け、ドス・アンジョスにケージを背負わせる。ドス・アンジョスはガードを固めて凌ぐとすぐに反撃。クリンチから細かい右アッパー連打を入れ、離れようとしたローラーにドス・アンジョスは強烈な左フックと右ボディを叩き込む。　

飛びヒザ蹴りを突き刺すドス・アンジョス。ムエタイのテクニックを存分に見せつけた

　さらに飛びヒザ蹴りも顔面に突き刺し、ローラーがよろめいたところでドス・アンジョスはボディと顔面にパンチをラッシュ。だが、ローラーはサンドバック状態になっても倒れず、ドス・アンジョスの追撃が止まったところで離れる。すると終盤、今度はローラーがパンチ連打でドス・アンジョスにケージを背負わせ、脅威のタフネスぶりを見せつけた。

　3R、ドス・アンジョスがタックルでローラーに尻餅を着かせる。ローラーが立ち上がるとドス・アンジョスはすぐにクリンチに捕らえ、ヒザ蹴りとエルボーを打ち込み続ける。しびれを切らしたローラーは強引に左右ボディを連打するが、ドス・アンジョスに突き飛ばされて転倒。ドス・アンジョスはパンチとエルボーを落としながらトップをキープした。

　4R、なおも間合いを詰めてパンチで仕掛けるローラーだが、ドス・アンジョスはクリーンヒットを許さず、クリンチに捕らえてヒザ蹴りを突き刺す。苦しい展開が続くローラーは終盤に再びパンチ連打を浴び、さらに左ハイと飛びヒザ蹴りも被弾するが、それでも倒れない。

　5R、ドス・アンジョスが再びタックルでローラーに尻餅を着かせるが、この体勢のまま膠着したためレフェリーがブレイクを指示。スタンドの状態から試合が再開されると、ドス・アンジョスはすぐにローラーを首相撲に捕らえてヒザ蹴りとエルボー。ローラーは最後まで劣勢を跳ね返すことができなかった。

　ドス・アンジョスが得意のかたちでローラーを完封し大差の判定勝ち。試合後には「タフな相手だったが、自分のコンディションに自信はあった。頭に打っても倒れないからボディを攻めたんだ。それがうまくいったと思う。この階級で最もタフな男を倒したんだ。自分は一度ベルトを巻いた実績もあるし、10年近くUFCで戦ってきた。階級転向から3連勝だし、今夜の戦いぶりからもタイトル挑戦にはふさわしいと思っている。ウッドリーに挑戦できるなら、自分がベルトを獲る自信はある」と王座挑戦をアピールした。