【ムエタイ】志朗がルンピニーで2連続KO勝ち
「スック・ムエタイルンピニーTKO」
2018年1月13日(土・現地時間)タイ・ルンピニースタジアム
▼第3試合
○シロー・ペットギャットペット(=志朗/KICK REVOLUTION)
TKO 4R
●チューペット・シッパナンチュン(タイ)
ISKAムエタイ世界バンタム級王者・志朗が、ルンピニースタジアムのテレビマッチ『スックルンピニームエタイTKO』に出場した。
志朗は昨年2月より現地でのムエタイに専念するために、拠点を名門ギャットペットジムに移し、2017年は5戦3勝2敗1KOという戦績で締めくくった。前回は12月9日にルンピニースタジアムのテレビマッチでTKO勝利するなど、この1年でタイのムエタイ界に志朗の存在を知らしめることができた。
2018年初戦となる今回は、志朗がさらにランクアップしていくための難関的な試合だ。対戦相手のチューペットはマハーサラカム県出身の19歳、戦績も65戦50勝とかなりの強豪。
初回、志朗はまず奥足のローを多用し距離感を掴んだところで、右ロー、左ハイキックへと繋ぐ。しょっぱなから奥足へのローキックが多数ヒットしたことで志朗は早速自身の攻撃ペースを掴んでいく。
だが2Rからチューペットは早くも距離を詰めてくる。組んだ体勢で細かい左右のヒザ蹴りを多数打ち志朗を揺さぶる。一発では効かないような小さなヒザだが、数が多く全てをよけきれないヒザ数だ。
3R、志朗は前進してくるチューペットを下がりながらカウンターパンチ、そしてカウンターのテンカオ(遠距離から刺すヒザ蹴り)で応戦。特にテンカオがチューペットの腹に正面から刺さり、チューペットの腹へのダメージ蓄積もうかがい知れるほどだが、それでもチューペットは表情を変えず前進してくる。
4Rに入ってもチューペットの前進は止まず、ミドルからヒザ蹴り、ヒジ打ちと、あらゆる技で突進してくる。ここで志朗は下がりながら立ち位置を左右にずらし、そしてローキック、ミドルキックにつないだ。それまで威勢よく前進してきたチューペットだったが、ここで志朗の素早い立ち位置捌きについてこれず、棒立ち状態になってくる。
そして、距離が詰まった一瞬に志朗は鋭い前蹴り(三日月蹴り)をチューペットの腹に刺す。この前蹴りの一撃でチューペットは真後ろに仰け反り倒れた。チューペットは苦痛の表情を見せのたうちまわる。レフェリーがカウントを数えたが、回復できる見込みもなくレフェリーストップ。前回のパンチ猛打でのKO勝利に続き、前蹴りでのTKO勝利となった。
今回の試合では、これまでファンに得意技と認知されてきたローキックや重いパンチに加え、テンカオも有効に使うことができた。そして4R目には、相手の攻撃に対し、下がりながら立ち位置を左右にずらし、カウンターの蹴りやテンカオを見舞ってゆくという試合運びも見事だった。この志朗の対応ぶりには場内ギャンブラーも驚いただろう。
試合を観戦していた興行プロモーターのヒアチュン氏にも「次回はビックマッチでの起用か、同テレビマッチで志朗をメインに興行を組む」と告げられた。志朗はタイの大手、ギャットペットプロモーションの常用選手にのぼりつめた事を実感できたのではないだろうか。
志朗は「今回も日本からの応援ありがとうございました。たくさんの応援が力になり2戦連続でKO勝ちする事が出来ました。徐々にプロモーターやギャンブラーに認められてきているのが実感出来ていて、さらに上のレベルの選手と対戦する事になると思いますが、本場タイで戦っている外国人として結果を残していけるように頑張ります。次戦も応援よろしくお願いします」とコメントしている。
Photo&Text 早田寛 Hiroshi Soda
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