2020/01/12（日）UP
（最終更新：2020/01/13 10:30）

大森がタフなタムピピを終始攻め立て勝利、無事再起を果たした

▼第5試合　賞金ワンマッチフェザー級 5R
●ダニー・タムピピ（フィリピン）
TKO　5R1分18秒
○大森将平（ウォズ）

幾度となくパンチをヒットさせるも崩れなかったタムピピだが、最後は大森の連打を浴び試合を止められた

　大森は「魔の左」と呼ばれる強烈な左ストレートを武器にKOを量産し世界に挑むも、2015年12月にマーロン・タパレス（フィリピン）とのWBO世界バンタム級王座挑戦者決定戦で1Rに3度のダウンを奪われTKO負け。2017年4月にタパレスへの再挑戦の機会を得るも、900g体重超過のタパレスに11RTKO負けを喫し、世界タイトル奪取はならなかった。昨年8月には OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチにおいて勅使河原弘晶（輪島功一スポーツ）に12R残り24秒でTKO負け。今回が再起戦となる。

　1R、両者サウスポー。大森が速いジャブと強いジャブを打ち分けプレッシャーをかける。タムピピは大振りのフックを見せるが空転。大森がガードの上から左ストレートから右フックを打ち込み、タムピピをロープに釘付けにする。2Rもロープに押し込んで左右ボディを叩き込む大森。タムピピは効いた表情は見せないが足取りは重い。

大森は得意の左をストレート、アッパー、フックと様々なバリエーションでヒットさせてみせた

　3Rに入るとタムピピが息を吹き返し、大振りフックで前進。対する大森は手が出なくなるが、左ボディを受けたタムピピがロープに後退すると大森は距離を詰めさらに左右ボディを連打。タムピピは足を使いロープから逃げるシーンが増える。4Rも大森がコーナーに詰め左右ボディ、左ストレートを顔面に打ち込むが、タムピピは耐えながら手を出し続ける。

　最終5Rに入ると頭をつけながら前進するタムピピに手数が減る大森。しかし密着状態からの離れ際にタムピピに左ストレートを直撃させると、タムピピはよろよろと後退。一気に距離を詰めた大森は青コーナーにタムピピを釘付けにし右フックの3連打から左を上下に散らす。タムピピの顔面に左ストレートがヒットし大きくのけぞったところでレフェリーが割って入り、大森のTKO勝利を宣言。大森は無事再起を果たすとともに、5RKOにより1万円の賞金を手にした。

復帰戦が中止となった土屋修平（左）が三冠王者吉野とスパーリング

▼第4試合　賞金ワンマッチライト級 5R→エキシビションスパーリング2分2R
リ・ヤンヤン（中国）→吉野修一郎（三迫）
エキシビションのため勝敗なし
土屋修平（Reason大貴）

土屋の左のクリーンヒットで吉野のヘッドギアが外れそうになるほどの白熱のスパー

　土屋はキックボクサーからプロボクシングに転向し、2009年7月のデビュー以来12連続KO勝利。その後連勝は14で止められたものの、着実にキャリアを積み重ね2016年12月に日本ライト級王座を獲得した。しかし2017年6月の水藤翔太（とよはし）に勝利したリング上で「最高のものを提供できないなら引退」と引退表明していた。しかし「ボクシング界に風穴を開けたい」と復帰を決意。今回復帰戦に臨む予定だった。

　しかし本来は中国のリ・ヤンヤンと5Rで対戦予定だったが、直前になりヤンヤンが入国VISAの都合で来日不可となり試合が中止に。急遽現日本、OPBF、WBOAPライト級の三冠王者の吉野修一郎を相手にスパーリングを披露することになった。

吉野もタイミングのいい右のカウンターを披露、緊迫感のあるスパーを披露した

　BGMに”アイ・オブ・ザ・タイガー”が流れる中、黒いグローブとヘッドギアをつけた土屋が軽快にジャブを飛ばす。フットワークを使い前後の出入りを見せながら左のジャブ、フック、アッパーと3連打から右ストレートを伸ばすと、赤いグローブの吉野も長いリーチから左フック、右ストレートをカウンターのタイミングで合わせる緊迫感のあるスパーリングを披露した。