10月27日(土)28日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された、NPO法人全世界空手道連盟 新極真会『第44回オープントーナメント全日本空手道選手権大会』で優勝を果たした将口恵美。3度目の全日本制覇を達成し、来年のワールドカップに向けて好スタートを切った“世界女王”を直撃した!(取材日:2012年10月31日)
PROFILE |
■第1章 兄・祐太が優勝候補の村山努に勝利。その時、将口は…
――優勝おめでとうございます。大会から3日経って現在の心境はいかがですか。
「世界大会のときは優勝した実感が湧かないまま大会翌日から練習を再開しましたが、今回は大会が終わってからすぐに練習する気になれませんでした。試合でケガを負ったので、翌日からの全ての選手稽古にまともに参加できず、今日やっと参加することが出来ました」
――まだ3日しか経っていないのにもう練習に参加ですか!? 練習する気になれなかった理由は何があったのでしょう?
「やる気がおきないと言うと語弊がありますが、今凄く疲れているんです。体にダメージが残っていてなかなか練習をやろうという気になれなく、やはり今週は休もうかなと。世界大会の翌日はケガをしていても元気だったので、練習できる範囲でやっていました。今回は体を動かしたくないほどの凄い疲れです。自分としては、あんまりすっきりしない大会でした」
――優勝しながらもすっきりしなかった部分があると。
「今までの試合前の流れとは違うものがいくつかあったんです。今までになかったことなんですけど、東京に向かうときになぜか携帯を家に忘れてしまって家に取りに戻ったり、横断幕を忘れてしまったりしました。東京に着いてからも腰が痛くなったり、大会当日は他人のジュースを全部こぼしてしまったり……なんかそわそわして落ち着かない感じでしたね。大会2日目なんて、兄(祐太)が村山努師範に勝ってしまって、あんまり自分のことに集中出来ませんでした。優勝候補だった村山師範が負けたことで、自分にもそういう波が来るんじゃないか、と不安を抱いてしまい微妙な感覚になりました」
――普通ならお兄さんが番狂わせの勝利をしたことで、そのパワーをもらって勢いがつくという感覚になりそうですよね。
「逆に勝ちの運を吸い取られてしまう感覚でした(笑)。実際、兄の快進撃は嬉しかったのですが、ふと我に返ったときに『やばい、私も大丈夫かな』みたいな。女子の試合では、初日から世界大会に出ていたメンバーが10代の子にどんどん負けてしまいました。そういうのにも私は影響されやすいんですよね。兄は次の四回戦も勝ち上がってしまうし、え~どうしようみたいな感じでした。自分の試合では、今までに対戦したことのない軽量級の選手が相手だったので戸惑ってしまいました」
――そうはいっても2日目の初戦は上段廻し蹴りも出ていて、いい感じで動けていましたよね。
「初戦と2戦目はいい感じで上段の蹴りを出せていたので、そこは唯一良かったところかなと思います。でも全体を通して見ると、ボディへの攻撃で相手が効いているのがわかってしまい、そこしか狙わなくなってしまう単調な攻撃になってしまいました。いつもだったら、相手が効いているかどうかわからないので、色んなところを攻撃していく中でたまたま効いているところに打撃が入って倒すことが多いんです。同じ所を攻めることで、相手にも私の狙っている箇所がわかってしまい、そこに力を入れられてしまいます。山本(健策)師範からは『もっと技を振り分けろ』と言われましたね。もっと冷静に技を変えたり出来ればよかったと思います」
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