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2012年11月度MVP 五味隆典


毎月eFightが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2012年11月のMVPは、11月10日(土)マカオで行われた『UFC MACAO Franklin vs Le』でマック・ダンジグ(アメリカ)と対戦、気迫の前進ファイトで接戦を制し、UFC3勝目を上げた五味隆典に決定!(2012年12月7日UP)

PROFILE
五味隆典(ごみ・たかのり)
1978年9月22日、神奈川県出身
身長173cm、体重70kg
1998年11月、鶴屋浩戦でプロデビュー
2001年12月16日、佐藤ルミナを破り第5代修斗ウェルター級王者に
2002年12月14日、三島☆ド根性ノ助にTKO勝ちで初防衛に成功
2003年8月10日、ヨアキム・ハンセンに敗れて13戦目にして初黒星、王座も失った
2004年2月15日、PRIDE武士道に初参戦し、10連勝を飾ってPRIDE軽量級のエースに君臨
2005年12月31日、桜井“マッハ”速人をKOしてPRIDEライト級GP優勝
2006年3月31日、PRIDE初代ライト級王者に認定される
同年4月2日、マーカス・アウレリオに敗れてPRIDE初黒星、同年11月5日にはリマッチで勝利して初防衛に成功
2008年3月5日、戦極の旗揚げ戦に参戦
2009年1月4日、北岡悟と戦極ライト級王者決定戦を行い、
一本負けを喫して王座獲得に失敗、日本人に初黒星を喫した
2010年3月31日、ケニー・フロリアン戦でUFCデビュー
同年8月1日、タイソン・グリフィンを1R64秒でKO
2012年11月10日、マック・ダンジグを破りUFC戦績を3勝3敗にする
通算戦績:34勝8敗
久我山ラスカルジム所属

選考理由
1、「マック・ダンジグとの大接戦に競り勝つ」
2、「UFCで3勝目をあげた」
3、「日本人初のUFCタイトル奪取が期待される」

選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の両格闘技雑誌の編集長とeFightの全スタッフ

受賞された五味選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個マルチビタミン&ミネラル 1個アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、eFightより記念の盾が贈られます。

プロカルシウム 300粒

骨の形成に必要なコラーゲンやカルシウムなどミネラルを含むプロテタイトに、骨の成長を考えたカルシウム、乳果オリゴ糖、CPPなどを配合しました。
マルチビタミン&ミネラル

100%自然素材を使用したビタミン&ミネラルサプリメント。着色料、香料、保存料は一切使用しておりません。
アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒

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贈呈:ゴールドジム

MVP記念インタビュー 
「何が何でも勝たなければ、という気持ちの部分が一番違いました」

■5分3R、終始前に出て攻め続ける姿勢で勝利をもぎ取る

 初めて開催されたUFCマカオ大会には、5人もの日本人選手が出場した。第6試合の五味隆典の試合まで、日本勢は2勝2敗。対抗戦というわけではないが、五味が勝てば日本勢は勝ち越しが決まる。世界最大の総合格闘技団体UFCの中で日本は苦戦を強いられているだけに、五味にかかる期待は大きかった。

 五味のこれまでのUFC戦績は2勝3敗。勝敗を五分に持ち込むためにも勝利が欲しいところだが、対戦相手は元KOTC(UFCに継ぐアメリカの老舗団体)世界ライト級王者、UFCの新たなるスターを生み出すためのTUFトーナメント(ウェルター級)で優勝したマック・ダンジグ(アメリカ)だ。

 戦績は21勝9敗1分で、UFCにおいてその日のベストバウトに贈られるファイト・オブ・ザ・ナイト賞、最もインパクトのあるKO勝ちをした選手に贈られるノックアウト・オブ・ザ・ナイト賞を受賞したこともある。

 そのダンジグを相手に、五味は終始前に出て攻め続けた。1Rはパンチで打ち合い、タックルでテイクダウンにも成功。2Rにはボディブローで追い詰めたが、フロントチョークを極められて絶体絶命のピンチを迎えたが、ラウンド終了まで耐え抜いた。3Rも五味はパンチで攻めまくり、“来いよ!”とばかりにカモンゼスチャーでダンジグを挑発、超満員の観客を沸かせた。

 両者が打ち合い、場内が盛り上がり中、試合は終了。判定が読み上げられ、ジャッジ1人目はダンジグ、2人目は五味、そして3人目は……五味! 最後まで前に出続ける気迫を見せた五味が、勝利をもぎ取ったのだ。五味はダンジグ戦を次のように振り返る。

「今回は準備期間がしっかりあったし、信頼できるスパーリング相手とセコンド陣がいたことが大きかったです。落ち着いてやれば打撃の技術では負けない自信がありました。相手の動きもよく見えましたね。今までみたいにKO狙いの試合ではなく判定でも何でもとにかく勝つ、ということを考えていました。同じ大会で勝った日本人選手もそういう試合の流れだったので。最後に出た自分がKOを狙いすぎて負けるよりは、同じような流れで勝とう、と。必ず打撃で勝って上をキープする、というような形です。日本人で、UFCで勝っている選手は自分の形が出来ていますよね。日本人選手も少しずつ外国人選手に追い付きつつあるんじゃないですか」

 UFCで2連敗してからの2連勝。今回はこれまでの試合とどこが違っていたのだろうか。

「何が何でも勝たなければ、という気持ちの部分が一番違いました。何とか勝敗を五分に持っていきたいというのがあったので。UFCの場合はお客さんに魅せるような試合ではなく、とにかく勝つこと。勝ち星優先で、(いい試合が求められる)日本の格闘技イベントとは少し違います。2月のUFC JAPANでだいぶUFCに慣れたというのと、マカオという地の利もありましたね。時差も考えると五分五分か、こっちが有利くらいじゃないですか。アメリカの選手とアメリカでやるのとは違うんですよ。そういった意味ではマカオはやりやすかったですね」

■UFCでの戦い方が分かってきた、タイトル奪取を目指す!

 6戦を経験し、UFCでの戦い方も分かってきたと五味は言う。

「体力のある選手たちですからダメージはもらいますけれど、それに耐えた方が勝つという格闘技本来の形ですよね。一気に打撃でKOを狙ったり、関節を取りに行くのではなくて、最後は気持ちの勝負になるところがあります。とにかくUFCの場合は時間をかけてやること。慌てて勝負にいくことはないんです」

 次の課題は、UFCの本拠地アメリカでアメリカ人選手に勝つことだという。

「アメリカでも今回のようなしぶとい試合をやりたいですね。でも、アメリカの場合だと同じようなしぶとい試合というだけではなく、相手にダメージを与えないと判定もどうなるか分からないし、いろんなことが要求されます。そうなるとKOするか、一本を取らないと……。ダンジグ戦もギリギリの判定で、どっちに転んでもいいような試合でした。アメリカではハッキリと勝敗が分かるような試合がしたいですね」

 そんな五味に、UFCトップファイターの一人であるディエゴ・サンチェスが「3月2日のUFC日本大会で五味とやりたい」とツイッターで挑戦状を叩きつけた。

「その話はジムの会員さんから聞いて知りました。いい相手だと思います。彼はタイトルにも挑戦していますよね。そういう選手とも、そろそろ当たるのは仕方がないし、やらないといけない。どんどんレベルが上がっていくのはしょうがないですね。日本大会は日本人選手が盛り上げるべきだと思うんですよ。でも、毎回最後のチャンスだと思って頑張ります」

 サンチェスに勝てば、日本人選手がまだ誰もその腰に巻いていないUFC(トーナメント優勝ベルトは除く)のベルトへの挑戦も見えてくる。

「ここ1~2年で何とか1度、タイトルマッチをやりたいですね。そのつもりで練習していきます」

 かつてPRIDEの頂点に君臨し、“世界最強”の称号を手にした五味。UFC王座の栄光をつかみ、再び世界最強の座に就くことが出来るか!?

写真提供/ゴング格闘技

関連リンク

・ゴールドジム Web site
・試合レポート「五味隆典が前に出続けて気迫の判定勝ち! 」
・復活動画「五味隆典×塚本徳臣 ドリームスパーリング」

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