44歳で体力の衰えも無し、進化し続ける山本美憂のポジティブシンキング=2018年7月ベストファイターインタビュー
毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2018年7月のベストファイターは、7月29日にさいたまスーパーアリーナにて開催された『RIZIN.11』で、MMAファイターとして大きな成長を見せて石岡沙織に競り勝った山本美憂に決定!(2018年8月23日UP)
PROFILE 山本美憂 |
選考理由
1、「キャリアに優る石岡沙織から勝利」
2、「MMAファイターとして大きな進化を見せた」
3、「アラフォー世代に元気を与える活躍」
選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ
受賞された山本美憂選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムベストファイター記念インタビュー
「ネガティブになっても仕方ないので、毎日強くなる事だけを考えてきました」
■「とにかく自分、落ち着けって感じでした」
レスリングからMMA(総合格闘技)に転向して約2年、5戦目にして山本美憂はこれまでにない大きな“進化”を見せた。
お互いに子供を持つ“戦うママ対決”として話題となった、7月29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN.11』での石岡沙織(30=禅道会)との対戦。
石岡は『DEEP JEWELS』の前身であるJEWELSの旗揚げ時からエースとして活躍。2007年3月にプロデビューを果たし、女子総合格闘技界のレジェンド・藤井惠と辻結花、後にUFCファイターとなるハム・ソヒ、現在はアジア最大規模の活動を展開する『ONE』で女子トップコンテンダーとして活躍するV.V Meiらとしのぎを削り、15勝11敗の戦績を持つ。2017年4月に念願のRIZIN参戦を果たし、ベスターレ・キシャーから一本勝ちを収めた。
MMAのキャリア・戦績では大きな差がある相手。山本はこの試合に備え、グアムのMMAジム「SPIKE22」でトレーニングを積んでいたと試合前のインタビューで答えた。
「ずっとグアムで練習していました。トレーニングキャンプをやったのは初めてかな、MMAを凄く知っている選手から毎日教えてもらい、日々集中してダメなところもいいところも反復練習してきました。午前中は走ったり。凄くいいキャンプでした」
指導したのは、セコンドにも就いたカイル・アグオン(アメリカ・グアム)。2008年のプロデビューから地元グアムのMMA団体『PXC』で試合経験を積み、2014年10月にはPXCバンタム級王座を獲得。田中路教やラッセル・ドゥアンといった後のUFCファイターとの対戦経験もある。2007年にはパンクラスに来日し、元パンクラス・ライト級王者のISAOを破るなど日本でも活躍した選手だ。
そのアグオンの指導で「キックボクシング、レスリング、グラップリング、全部偏らずにやってきましたし、自分の弱点であるテイクダウンしたあとのことを徹底的にやってきました。パウンド、(関節・絞め技での)極めのどちらもやってきました。自分で何をやっているかが分かるようになったんですよね。前は何をやっていたのかと思うことが多かったんですが、自分のペースで試合運びが出来るようになりました」と、山本はかなりの成長を感じている様子だった。
試合になると、山本は出会い頭に石岡の右フックでスリップダウンを喫するが、すぐに立ち上がると今度は山本が左フックで石岡をダウンさせた。試合後、石岡はこの左フックが効いてその後の試合運びが上手くいかなかった、とコメントしている。事実上、試合の流れを決めた一発だった。
「最初に近付いた時点でバババッと行こうと思ったんですが、(石岡は)なかなか間合いの取り方が上手かったので自分の想い通りにいかなかったです。とにかく自分、落ち着けって感じでした」と振り返る山本は、「打撃を一発一発でやると自分のリズムがつかめないので、連打で行けるように用意していたからその一発は頭に残ってないです」と、覚えていないようだった。
パンチからテイクダウン、抑え込んでのパウンドと攻め込む山本。この攻撃の流れもそうだが、石岡が下からの腕十字を仕掛けた時のディフェンスがよく、山本はこれまでとは見違えるほどの動きを見せたファーストラウンドとなった。
「(腕十字を仕掛けられた時も)落ち着いていました。今回はグラウンドをいっぱい練習したので、セコンドからの声もあって落ち着いて対処できたと思います。試合時間の中でオンとオフを付けられたと自分では思っています」
「自分の身体をどんな位置に置けばいいかはレスリングで身に付いています。練習相手が自分より重い人ばかりだから、重さは感じなかったので組み合っても落ち着いて出来ました」
3Rも軽快なフットワークから左右のパンチを出して石岡を近づけさせず、石岡が自ら寝技に持ち込んできてもパウンドを落とし、腕十字をまたも防いだ。試合終了と同時に、勝利を確信した山本は雄叫びをあげて喜ぶ。判定は2-1と割れたが、山本が勝利。ベテランの石岡を破り、MMAで2勝目をあげた。
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