S-cup世界トーナメントで優勝・飛躍の年となった海人、KO量産の理由とは=2018年11月度ベストファイターインタビュー
毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2018年11月のベストファイターは、11月18日に両国国技館にて開催された『SHOOT BOXING S-cup 65kg世界TOURNAMENT 2018』で、3試合全てKO勝ちで世界王者となった海人に決定!(2018年12月25日UP)
PROFILE 海人(かいと) |
選考理由
1、「S-cup世界トーナメントを全試合KOで制覇」
2、「2018年を9勝(8KO)1敗の好成績で終える」
3、「まだ21歳と若く今後世界でも活躍が期待される」
選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ
受賞された海人選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムベストファイター記念インタビュー
「これだけ試合をして、しかも強い相手とやらせていただいたおかげで自分のレベルが上がっている」
■どんなメンバーになっても優勝することしか考えていなかった
シュートボクシング(以下SB)のエース・海人(21=TEAM F.O.D)にとって、今年は躍進の年となった。
2月に“SBキラー”として名をはせるタップロン・ハーデスワークアウト(タイ)をヒザ蹴りでKOし、4月にはRISEライト級王者・不可思にもTKO勝ち。6月にはMAX MUAYTHAIスーパーライト級王者ジャオウェハー・シーリーラックジム(タイ)を初回KO。
7月には『RIZIN』に初参戦してウザ強ヨシヤをKOしてインパクトを残し、8月大会にも連続参戦してムエタイ&キックボクシング三冠王・小川翔との実力者対決も制した。
9月のSBではムエタイ最高峰のラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者チャムアトーンに延長戦の末敗れ、連勝が「9」でストップしたが、この敗北は無駄ではなかったと海人は言う。
「負けて経験になりましたね。あの一戦を出来たことで自分が凄くレベルアップ出来たと実感しました。技術面では首相撲、ヒジの展開、離れての展開でも凄く勉強になりました。そういう部分を自分のものにして、レベルを上げて練習してきたのでその成果は出てきていると思います」
そして迎えた11月18日に東京・両国国技館で開催された、2年に一度のシュートボクシング協会主催立ち技世界最強決定トーナメント『S-cup 65kg 世界TOURNAMENT 2018』。今回は試合前からかつてないほどの波乱に見舞われた。トーナメント出場者として発表されていた選手の負傷欠場が相次ぎ、大幅にメンバーが入れ替わったのだ。
しかし海人は「動揺も苛立ちもなかったですね。どんなメンバーでも僕が絶対に優勝しないといけないとの気持ちが強かったので。どんなメンバーになっても優勝することしか考えていませんでした。トーナメントだったので全員研究していたわけではなかったですし、相手の研究よりも自分のレベルを上げる練習をずっとやっていました」と、全く動じることはなかったという。
1回戦では韓国のキックボクシング団体『MAX FC』からの推薦選手、チョ・ギョンジェ(19=韓国代表)と対戦。序盤こそギョンジェの鋭い右ストレート、バックハンドブローに脅かされたが、海人はスーパーマンパンチでダウンを奪うと右ストレートで2度目のダウンを奪って初回KO勝ち(トーナメントルールで2ノックダウン制)。幸先のいいスタートを切った。
「トーナメントが終わってから振り返ってみると、一番パワーがあって勢いがありました。スーパーマンパンチは試合の流れでやっただけです。今まで試合で出したことはほとんどなかったですね。倒さないとあかん、との気持ちから咄嗟に出ました」
準決勝では、国内キックボクシング界を代表する強豪、WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者・健太(29=E.S.G.)との対戦に。両者は昨年11月に行われたSB日本スーパーライト級王座決定トーナメント決勝戦でも対戦しており、この時は海人が判定2-0の僅差で勝利している。
2Rに健太が細かくパンチを当てていって出入りを繰り返し、海人が前へ出てくるとヒジを打ち、海人はなかなか近付けない時間が続いたが、3Rになると海人が健太をコーナーに詰めてパンチ、ヒジ、ヒザの猛攻。健太はこれでカットされて流血し、ドクターチェックを受ける。ドクターからストップがかかり、海人がTKOで健太を返り討ち。決勝戦へ進出した。
「前回が判定で終わってしまったので、今回はきっちり仕留めないといけないと思っていて決着をつけられてよかったです。前回はやりにくいなって部分はあったんですが、今回は特にやりにくいことはなかったですね。2Rはとられていたって周りから言われたんですが、自分としてはそうでもなく、様子を見ていました。3Rに狙っていたストレートやヒジを当てられたので、自分的には理想通りの展開でした」
そして決勝戦だが、波乱は最後まで続いた。決勝へ進出した鈴木真治が眼窩底骨折の可能性が極めて高くドクターストップに。ルールにより、鈴木に準決勝で敗れた元REBELS 65kg級王者UMA((27=日本/K&K BOXING CLUB/team REBELS)が敗者復活で海人と決勝戦を争うことになったのだ。
UMAはグローブタッチと同時に飛びヒザ蹴りの奇襲をかけ、SBで認められている首投げを仕掛けた。1回戦でルンピニースタジアム認定スーパーライト級6位ランボー・ペットポートオー(タイ)からこの首投げでシュートポイント(1点)を2度奪い、番狂わせ勝利を奪っていたUMAだったが、海人は綺麗には投げさせなかった。
海人は右ストレートを連続ヒットさせると首相撲からのヒザ蹴り、そして強烈な右ローを叩き込むとUMAはダウン。UMAのセコンドからタオルが投入され、海人が全試合KOでS-cup世界トーナメント初優勝を飾った。
「次は鈴木選手だと思って待っていましたが、UMA選手に変わっても特に動揺もせずに“変わったのか”くらいでしたね。準決勝を見ていてUMA選手がローを効かされていたのは分かっていたので、ローを狙ってきっちり仕留めようと思いました。1回戦から投げをやっていましたが、そこまで上手いとは思わなかったので(笑)。自分の時にもやってきたのでビックリはしました。まさかシュートボクサーじゃない人に投げられるとは思っていなかったです」
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