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ムエタイ500年の歴史に挑む18歳のミラクルボーイ・名高、史上初の快挙を狙う=2018年12月ベストファイターインタビュー

■僕が初めてルンピニーのベルトを巻く日本人になりたいです

 見事にムエタイを攻略した名高だが、意外にも「タイではほとんど練習したことがありません」という。「日本のジムにいるタイ人のトレーナーさんにマススパーリングとかミット打ちをやってもらって、こう来たらこうするとか教えてもらっています」

ジュニアキック時代の名高(右)

 近年、ジュニアキック出身選手の活躍が目立つ。これは「日本に優秀なタイ人トレーナーが来るようになって、子供時代から教わっていることが大きいのではないでしょうか。小さい頃からやっていて、プロデビューして活躍する選手が多いので」と名高は分析する。

 それでも、ムエタイでここまで活躍する選手はなかなかいない。名高がタイ人に勝てる理由を聞くと、次のような答えが返って来た。

「いつも相手の蹴りは絶対に腕では受けないことを意識しています。カット(スネで相手の蹴りをブロックする)かスウェーは絶対にしようと思っていて、最悪でも相手の蹴り足をキャッチしようと思っているので相手の蹴りをもらわないのは大事です。あとは首相撲の時にロックされてヒザを打たれるとポイントが大きく傾いてしまうので、首相撲も凄く練習しています。

 ただ単にパンチ&ローではなかなか勝てないですし、ディフェンスも採点に響きます。蹴りをカットしてもその後にバランスを崩すと減点の対象になるので、しっかり相手の攻撃を見て防ぎつつ、自分の攻撃を相手の防御を掻い潜って綺麗に当てるのが難しくて面白いです」

 また、日本人対決には興味がないのかと名高に聞いたところ、「自分のミニフライ級にはあまり日本人選手がいないので…」との答え。しかし「身長も体重もまだ増えているのでいずれは上の階級に行くと思います。そうしたらやってみたいですね」と、戦う気は十分にあるとのこと。

タイでの試合を戦う名高(左)

 同じジュニアキック出身であり、出世頭である那須川天心(20)をどう見てるかを聞くと、「自分が28~30kgでやっている時に50kgでやっていて、その時から凄く強くて速かったです。同じ大会に出ている時はいつも見ていました。会ったら挨拶するくらいですし、お話したことがあるのはけっこう昔です。天心選手はムエタイルールも出来るので、もし同じ階級になったらやってみたいと思います。一番活躍している日本人選手なので。試合はいつも見ています」と、いずれ階級が合うことがあればやってみたいと答えた。

 名高の王者としての2019年第1戦は、2月7日(現地時間)タイ・ラジャダムナンスタジアムで行われることも決まった。当初はラジャ王座の初防衛戦も辞さないつもりだったが、ノンタイトル戦で同スタジアム認定ミニフライ級3位の選手と対戦することに。両陣営が賞金を出し合う賭け試合と呼ばれる形式で、タイでは人気の試合形式で行われる。

「相手はランカーですが、いつも通りにやります。しっかりチャンピオンらしい試合が出来たらと思っています。チャンピオンはベルトが懸かっていなくてもラジャで勝たないといけないので、頑張ろうと思います」

タイのリングでIBFムエタイ世界王座を手にした

 1月8日に18歳となった名高。異国の地、しかも敵地で試合を行うことに怖さを感じないのかと聞いたところ、「最初は相手の応援しかないと思っていたんですが、ムエタイには賭けがあるので自分に賭けてくれているギャンブラーは自分のことを応援してくれるので、最近は敵地とは感じないですね。タイでタクシーに乗った時に自分のことを知っててくれている人もけっこういるので嬉しいです」と、すでに現地でも名前が知られているため、アウェイという感じはしないという。

 ラジャ王座奪取という大きな目標を達成したが、名高にはさらに大きな目標がある。

「ルンピニーのタイトルにも挑戦したいですね。日本人は獲ったことがないので、僕が初めてルンピニーのベルトを巻く日本人になりたいです」

 名高の師匠・中川夏生エイワスポーツジム会長は「ラジャのチャンピオンになるとルンピニーのランキングに入れるので、挑戦権が得られます。4月のBOMでルンピニータイトルマッチの計画を練っています」と、なるべく早い時期にルンピニー王座挑戦を実現させるつもりだ。もし名高がルンピニー王座にも就けば日本人初、それどころか外国人でラジャとルンピニーの両スタジアムで王座に就くのはムエタイ500年の歴史の中で史上初の快挙となる。

 ミラクルボーイが前人未到の記録を達成するのか。名高からもう目が離せない。

●受賞者・名高が喜びを語る

 今回のベストファイター受賞について名高は、「この賞に選ばれて一流の日本人選手の仲間入りが出来たことを嬉しく思います。これからも賞にふさわしい試合をしていきたいと思います」と語った。

 なお今回受賞した名高には、イーファイトより記念の盾と、ゴールドジムからサプリメント3種類が贈られる。

 名高にサプリメントの利用方法について聞くと、「自分が行っている整骨院の先生に『これを飲むといいよ』と勧められたビタミン剤を飲んでいます。名前もよく分かっていないのですが、身体に良さそうなので飲んでいます」と笑って答えた。

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