【12月・ベストファイター】左腕骨折を乗り越えK-1王座戴冠した黒田斗真、その強さの秘密とは
■壬生狼との三度目の対戦は「負ける気がしなかった」
左腕を犠牲にして難関と思われていたムエタイの強豪を撃破した黒田は、準決勝で壬生狼一輝を迎え撃つこととなる。壬生狼とは今回が3回目の対戦で、過去2回はすべて黒田が勝利している。壬生狼とリングで対峙した黒田は、「負ける気がしませんでした」と気持ちに余裕があったという。
試合は、1Rから壬生狼が積極的に前へ圧力をかけていく展開が続く。黒田は「前回の対戦で自分は、下がりながらポイントアウトする戦いをしてしまいました。そのため壬生狼選手は、前へ出て圧力をかけてくる対策をしてきましたが、足を止めて攻撃してくるため逆に戦いやすかったです」と左ストレートを中心に攻撃を組み立てることに成功した。
壬生狼のミドルキックで負傷した左腕を蹴られて痛みが走ることもあったというが、「これまで出したことがなかった技を使う余裕があった」と三日月蹴りを相手の左足へ攻撃したり、左ミドルキックの軌道からヒザ蹴りへ変化する技などで翻弄。3Rにはヒザ蹴りで壬生狼の顔面をカットして判定勝利を収めた。
■待ち望んだ石井一成との決勝戦。11ラウンドの激闘
黒田の決勝の相手は、石井一成だった。石井と黒田は小学生の時、一緒に練習したことがある仲。黒田が格闘技から離れている時期に石井は活躍し、数々のタイトルを奪うなど名実ともにトップの座を確立。K-1へ乗り込んできた後も石井は結果を残すと、今回のトーナメントでは一回戦でオスカル・ボルケスをKO、準決勝では池田幸司との激闘を制して決勝へ勝ち上がってきた。
石井に対して黒田は、「ずっと、やりたかった選手でした。回転が速くて近い距離が得意なんですけど、サウスポーが苦手な印象で、懐へ入らせなければいいと思っていました」と攻略法が見えていたようだ。そして1Rに黒田は左ストレートで距離を保ち、右を当てるなど優位に試合を進めていた。
プラン通りに試合が進む中、黒田は「絶対にこのままでは終わらない」と石井が修正してくることも想定していた。その予想は的中し、石井は2Rに入ると右の蹴りで黒田の左腕を狙い、3Rも攻勢をかけてイーブンに持ち込んだ。
勝負は延長ラウンドへ。黒田はトータル11R目という過酷な条件だったが、「これで体が壊れてもいい。ここで勝つのと負けるのは全然違う。腕を痛めてまで勝ち上がってきて、ここで負けることは許されない」と決意して臨み、最後は気持ちで乗り越えた。判定は2-1で黒田が勝利し、初代バンタム級王者となった。
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