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【3月・ベストファイター】強豪ジョムトーンをKOし初防衛に成功したK-1和島大海インタビュー

■ローキックでジョムトーンを倒し、世界のスタートラインに

ベルトを巻き和島が魔裟斗と並んでポーズ

 2Rに入ると、和島のペースになっていく。ローキックがバチンと入り、ジョムトーンの動きがみるみる落ちていった。「1Rにパンチを受けてみて、このくらいならば“行ける”と思うことができました」と圧力をかけて前に出て、強烈なローキックを叩き込んだ。3Rは、さらにその傾向が強くなり、和島が試合を支配した。

 判定は1(和島)-0。「負けはないなと思っていましたが、延長か…と思いました」と和島はショックだったようだが、すぐに気持ちを切り替えたという。おそらく和島が1Rに受けた左フックの印象が、ジャッジに響いたのだろう。そして、延長ラウンドに突入した。

 ジョムトーンは左ローキックを受け続けて右足にダメージがあるのは、素人目にも明らか。延長ラウンドは和島がローキックを蹴り続け、セコンドからのタオル投入でTKO勝利をものにした。

 7連勝6KOで王座初防衛に成功。自信になったのか和島に聞くと「まあ、その辺の相手には負けることはないと思いますが、これからの相手は海外の強豪選手ですからね。ようやくスタートラインに立てた感じです」と謙遜した。ここ2戦は海外の強豪選手をKOしているのだが、もっと上を目指しているのだろう。

■“ネガティブキャラクター”和島の強さの正体

メレティスにハイキックを繰り出す和島(2022年9月)

 2戦前のメレティス戦もそうだったが、今回のジョムトーン戦が決まった時の記者会見で和島は「また強豪を連れてきたので、やられないようにします」とネガティブな言葉を発している。それは自信の裏返しなのか、それともキャラクター作りなのか聞いてみた。

 和島は「試合が決まる前は、やってやろうと思っていますが、決まった時は“マジかよ”と思います(笑)。メレティス戦の時も計量で相手を見て、“マジで来てるよ”と思いましたし(爆笑)。どうせならば試合がなくなれって、みんな思っているんじゃないですかね」とつぶやいた。

“怖い”“やりたくない”と言っておきながらも、試合ではKOする。和島は、これまでにないキャラクターかもしれない。相手が計量オーバーで試合がなくなってもいいのか聞くと「それは、ちゃんとせえよ思います」と笑って否定した。

 練習で不安を打ち消して本番を迎える選手は多いが、和島は「練習すればするほど不安になります。もっと、こうしておけば良かったとか、もっとやることがあったんじゃないかとか、やってきたことが出せるのか不安で仕方がないです」と証言する。

 この練習への拘りの強さは、とことんまでやってしまう芸術家気質が根底にあるからなのだろう。不安という強敵は、対戦相手よりもやっかいだ。そして、乗り越えた時に本当の強さを得ることができる。和島の強さの正体は、そこにあるのかもしれない。

■今後の対戦相手、次戦について

ベルトと共に笑顔の和島

 ジョムトーンを倒したことで、和島の評価はさらに高くなっている。70kg周辺の階級は、日本だとK-1ウェルター級(-67.5kg)王者の野杁正明、シュートボクシングの海人、海外では和島が一度負けているジョーダン・ピケオー、さらにマラット・グレゴリアン、シッティチャイ、スーパーボン、チンギス・アラゾフなど強豪が集まっている。

 ファンの間では、海外勢との対戦も含めて、野杁とのマッチアップも見たいはずだ。和島は野杁の印象について「強いですね。どうしようって感じです」と、ここでもネガティブパワーが炸裂した。

「周りから『もっと大口を叩け』と言われるんですけど、どうなんでしょうね。野杁選手や海人選手は、そんな挑発するようなことは言ってこないと思いますし、自分に自信がある人は言わないですよね。その2人以外の日本人に何を言われても、そんなに気にしないと思います」と和島は、このまま自分を貫くという。

試合後にコメントする和島大海

 和島の次戦は、7月17日(月・祝)に開催の『K-1 WORLD GP 2023』(東京・両国国技館)。対戦相手はまだ発表されていないが「誰と当てられるのかビクビクしています。でも、その日は海の日。僕の名前に海が入っているので、大海(ひろみ)の日にします」と意気込みを語った。はたして、和島が誰と戦うことになるのか楽しみだ。

■和島が受賞の喜びを語る

 なお今回受賞した和島には、イーファイトより記念の盾と、ゴールドジムからアルティメットリカバリーなどのサプリメント3種類が贈られる。和島は「こんな賞があるのは知らなかったので、ビックリして嬉しいです!」と喜び、「サプリメントは減量中に、いつもゴールドジムのプロテインを摂っています」とコメントした。

取材/文=松井孝夫(Takao Matsui)、編集=イーファイト編集部

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