【月間ベストファイター・12月】扇久保博正、悲願のフライ級王座戴冠!ボクシングと極真の融合「パンチで倒せるようになる」
■試合中に切り替えた「今日は打撃で」
扇久保の本来の強みは、打撃、テイクダウン、グラウンドを全て繋いで攻めていくスタイルだ。試合前は「基本はやっぱり自分の強みで戦っていこうと、最初は思っていたんです」と言う。
しかし「いざ戦ってみたら、元谷選手のレスリングの防御がすごく上手くて。全力を使って倒したとしても、立ってくる力がすごいし、こっちが疲弊してしまうなと思いました」。
そこで扇久保は「1回か2回組んで、もう今日は打撃でいこうと。2か月ボクシングもやってきたので、『この時のためにやってきた』って感じで切り替えました」と、1ラウンドで切り替えたと言う。
一方で扇久保は、試合前から打撃での勝負も想定していたと言う。グラウンドやレスリングの技だとほぼ互角。ならば狙えるポイントはパンチだと考えた。
「相手の弱いところを攻めるのが好きなんです、勝つために。1番弱いわけではないですけど、狙うポイントがあるとすれば、やっぱりパンチかなと」
扇久保はボクシングを強化するために、矢田圭一トレーナーの指導を仰ぐことを決断。矢田氏は、オリンピアン・並木月海を育てた自衛隊体育学校のトレーナーだ。週2回、試合2か月前から集中的にボクシングを鍛え上げた。
■身体の使い方─極真の癖を修正
矢田トレーナーから教わったのは、体の使い方だった。「1番は下半身ですね。それでかなり変わりました」。
また、空手出身の扇久保には、パンチを打つ際に動きを止める癖がついていた。
「僕は極真空手をやっていたので、パンチを打つとき肩のあたりで固めてしまう癖があったんです。極真だとそれが普通なんですけど、それだと鞭のように遠くで届かせるパンチにならない。なかなか倒れないし、スピードも遅くなるんです」
ここを矢田トレーナーに徹底的に教わった。「体の使い方を細かく見てもらって。それで威力が上がったと思います」と言う。
■極真の距離─「ここの位置で入れば攻め続けられる」
さらに重要だったのが、“立ち位置”の研究だ。
扇久保は「自分の強い位置っていうのがあるんです。そこは頭の位置、距離なんですけど、ここの位置で入れば、もうほぼこっちがずっと攻め続けられる」と明かす。
その位置とは、まさに幼少期から習っていた極真空手の距離だった。
■38歳、練習方法の変化─“5分10Rのがむしゃら”を捨てた理由
扇久保は、4月で39歳になる。年齢を重ねるにつれ、練習方法も大きく変えてきた。
「若い頃はやっぱり量でした。とにかくスパーリング。1日5分10ラウンドを週6回やっていたんです。それでもう疲労が抜けなくなって」
疲労が抜けない状態で練習すると怪我をする。年齢とともに怪我の治りも遅くなる。
「今はもう1日やっても5分3ラウンド、試合と同じラウンド数しかやりません。あとはミットの打ち込みや技の打ち込みです。量だけで言うと、若い頃の半分以下ですね」
量を減らすことへの葛藤は強かったという。
「こんな楽していいのかなって思いました。量を減らすと自分に負けるような感覚があって、弱くなる弱くなるって。でも、楽してるわけじゃないんです」
35歳頃から、自分の体の声を聞くようになった。
「年を取ってくると、いかに怪我をしないかが大事になってくる。だからストレッチをすごく増やしました。体を柔らかくしないといけないので」
「でも今はそっちの方が強くなると思っています。疲労との付き合い、怪我をしない練習。それが38歳で王者になれた理由の一つかもしれません」
■「モカエフとやりたい」UFCへの対抗意識も
王者となった扇久保に、今後の目標を聞いた。
「まずは防衛ですね。そして、さらに打撃力を強化してKOも狙っていきたい。2か月しかまだみっちりやっていないので、ここから続けていけばパンチでも倒せるようになると思います」
試合時期については「夏前には出たいですね」と語る。
対戦相手について聞くと「呼んでくれるなら、(ムハンマド・)モカエフとか、そのあたりとやって勝ちたいですね。海外の強い選手ともやりたい。勝って、RIZINのフライ級のベルトの価値を高めたいんです」と、UFC無敗のままリリースされたフライ級強豪の名を出す。
UFCへの意識も聞いた。「世界のトップファイブには入ってると思います。UFCに出てもトップファイブに入れると思うし、チャンピオン(ジョシュア・ヴァン)にも勝てるなとは思っています。堀口選手には3回負けてますけど、まだ自信があるんで」と力強く語る。
2016年のTUF準優勝でもUFC契約に至らなかった経験から、今はRIZINフライ級の価値向上を目指す。
「結局、今は全ての総合格闘技の選手がUFCを目指すじゃないですか。僕はUFCに『いらない』って言われた口なんで。でもフライ級だけは、RIZINに世界中の選手が集まってくる階級にしてもいいのかなと。そのためにベルトの価値を高めていかなければいけない。強い選手に勝っていきたいですね」
極真空手で培った近距離での圧力と、ボクシングで磨いた精密な打撃技術。その融合がさらに進化すれば、38歳の新王者はまだまだ強くなれる。
■扇久保が受賞の喜びを語る
最後にベストファイター選出について聞いた。
「これで3回目ですね。本当に光栄です。節目節目で選んでいただいているので、すごく嬉しいですね。38歳ですけど、もう1回選ばれるように頑張ります」
コンディショニング面ではサプリメントが欠かせない。プロテイン、BCAA、クレアチンなど基本的なものはほぼ全て摂る。特にビタミンB群は「疲労に1番効く」と試合後も欠かさず、ラーメンを食べるときも必ず持参するという。
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