2015年7月度MVP 浜崎朱加
毎月イーファイトが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2015年7月のMVPは、7月9日(木・現地時間)アメリカ・ラスベガスで開催された『INVICTA FIGHTING CHAMPIONSHIPS 13』でエリカ・チブルシオに勝利し、世界アトム級王座を奪取した浜崎に決定!(2015年8月10日UP)
PROFILE
浜崎朱加(はまさき・あやか) |
選考理由
1、「日本人初のINVICTA世界タイトルを奪取」
2、「レベルの高い北米大会で勝利」
3、「女子格闘技のリーダーとして活躍が期待される」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とイーファイトの全スタッフ
受賞された浜崎選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
「トレーナーからのメッセージに勇気をもらえた」
■勝利は全く確信していなかった
ラスベガスで開催された、女子単独のMMA(総合格闘技)大会で世界最高峰の『INVICTA FIGHTING CHAMPIONSHIPS』にて、浜崎朱加がINVICTA FCアトム級世界タイトルマッチでエリカ・チブリシオ(ブラジル)に勝利。日本人初の同団体の王者となった。
『UFC』でも女子の試合は行われているが、ストロー級(52.2kg以下)とバンタム級(61.2kg以下)のみタイトルを制定しているため、女子アトム級(47.6kg以下)はこのINVICTAの王座が事実上、世界の頂点となる。
5分5Rという長丁場を戦い抜いた浜崎。判定の結果を待つ間、「勝利は全く確信していなかった」という。
「どのラウンドを自分が取ったのか、認識出来ていませんでした。セコンドの阿部(博幸・AACC会長)さん、藤井(惠・元AACCで浜崎の師匠)さんは“勝っている”と言ってくれていたんですが、それは励ましかもしれないと少し思っていました。いつもそうなんですが、試合の内容をあまり覚えていなくて。だから1人目のジャッジがエリカだったので負けたかなと思いました」
1人目のジャッジはエリカ、2人目は浜崎、そして3人目は浜崎。判定2-1の接戦だった。
「自分が勝ったと分かった時は、自分が自分じゃないみたいな、本当に夢の中のような感じでした。試合映像を見て“あ、こういう場面があった”と思い出しました。試合中はその場面場面で考えているし、セコンドの声も聞こえていましたが、自分が勝っているという認識はなかったです。柔道をやっている時もそうでした。興奮しすぎてしまって本当に覚えていなくて」
■2年前の初敗北が浜崎を強くした
試合では1R序盤から浜崎がワンツーをヒットさせ、特に左ストレートが印象的だった。浜崎は柔道出身で元々はグラップラー(寝技を得意とするタイプ)。パンチ技術の向上が今回の試合の大きな勝利のポイントだった。
スタンドでパンチをしっかりと当て、テイクダウンを奪う戦法。3R終盤にはバックを奪われチョークスリーパーを狙われたが、最終5Rまで浜崎は打撃&寝技をミックスさせて攻め続けた。
「勝因はテイクダウンして私が上を取っていたのもそうですが、映像で確認したら打撃を当てていたのも私の方でした。打撃、寝技にしても危ない場面はありましたが、全体的に私が少しずつ優っていたと思います」
試合前に野木(丈司=ボクシングトレーナー)さんがメッセージをくれたんです。それが本当に心に響くメッセージで、“行くのは勇気だから”と。試合になったら、今までは怖くて左ストレートが出せなかったんです。伸びないし、カウンターをもらう恐怖もあったので出せませんでした。
そのメッセージを試合直前まで見ていたんです。それで勇気をもらえて、思い切って入ったら一発目が当たったんです。それで“あ、いける!”って思いました。ストレートからフック、フックからストレートが練習通りに出せたのが大きかったですね。ただそればかりになってしまったので、もっとレパートリーを増やさないといけないことが反省点です」
浜崎は過去2回INVICTAに参戦し、2012年7月のレイシー・シャックマン戦では3R腕ひしぎ十字固めで一本勝ちするも、2013年7月のクラウディア・ガデーリャ戦ではプロ10戦目にして初黒星を喫した。この初めての負けが浜崎を変えたのである。
「前回と明らかに違うのは打撃でした。クラウディアに負けたことで、打撃を本格的に強化しようと決意しました。フィジカル面でも前よりトレーニング量を増やしてパーソナルトレーナーについてやってもらいました。その甲斐あってか、エリカはもちろん力が強かったんですが、前はとんでもなく感じたフィジカルの差を今回はそれほど感じませんでした」
国内では無敵を誇った浜崎だが、海外で初めての敗北を喫し、世界のレベルを知った。それから2年をかけて課題を克服し、ついに世界の頂点にたどり着いた。
「これからの目標は、このベルトを長く保持するため防衛を続けていくことです」
浜崎が活躍して脚光を浴びれば、近年女子の試合が増えてきたUFCもアトム級の新設に乗り出すかもしれない。女子MMAの大いなる可能性の道を、浜崎は切り拓いた。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「浜崎朱加が接戦制し世界タイトル獲得」
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