2016年4月度MVPスペシャルインタビュー 大雅(K-1)
毎月イーファイトが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2016年4月のMVPは、4月24日(日)に東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された『K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN~-60kg日本代表決定トーナメント~』で優勝した大雅に決定!(2016年5月10日UP)
PROFILE
大雅(たいが) |
選考理由
1、「山本真弘、闘士を連続1RでKO」
2、「決勝で前K-1王者の卜部を破り優勝」
3、「世界最強決定トーナメントで優勝が期待される」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とイーファイトの全スタッフ
受賞された大雅選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
今年は兄のHIROYAと兄弟で世界チャンピオンになりたい
■勢いでガンガン行こうと思って行きました
3月に行われた-65kg日本代表決定トーナメントに続いて、-60kgで行われた今回の日本代表決定トーナメント。優勝候補の前K-1 WORLD GP -60kg王者・卜部功也を決勝で破り、優勝を収めたのは19歳の大雅だった。
15歳でK-1デビューを飾り、現在も新生K-1で活躍中のHIROYAの弟である大雅は、HIROYA同様アマチュアキックボクシング大会で抜群の戦績を残し、16歳で『Krush』にてプロデビュー。
デビュー戦から9連勝で22歳以下のKrush最強ファイターを決定するトーナメント『Krush YOUTH GP』で優勝、無敗のままKrush -55kg級タイトルマッチで第3代王者となった。初黒星を喫したのは10戦目の武尊戦で、昨年4月に開催された『K-1 WORLD GP -55kg初代王座決定トーナメント』では決勝へ進出するが、またしても武尊に黒星。
成長期で体重維持が難しいと判断した大雅は-60kgに階級を上げることを決意し、昨年11月に初めて-60kgで試合を行ったがレオナ・ペタスに判定で敗れ、初の連敗を喫した。しかし第2戦ではKO勝ちを収め、今回のトーナメントに臨んだ。
「自分はトーナメントを何回か経験しましたが、なるべく判定にいかないように早い段階で倒したら有利だな、とそういう練習をしてきてそれが上手くはまった感じでしたね」
大雅のその言葉通り、1回戦は1Rわずか1分47秒でKO勝利。相手はビッグトーナメントを3度も制し、国内60kg最強の名をほしいままにしたベテランの32歳・山本真弘だったが、大雅はハイアングルの左飛びヒザ蹴りで一方的なKO勝ちを収めた。
「飛びヒザはけっこう練習していて狙っていました。ボディを効かしてから打とうと考えていて、それが上手く当たった感じです。相手がちょうど体勢を低くした時だったので思い切り当たりましたね。ジャンプ力には自信ありますが、学生時代もずば抜けてはいなかったです。平均より少し飛べるくらいです」
続く準決勝では、レオナ・ペタスと倒し倒されの激闘を演じて勝ち上がってきた闘士と対戦。この試合で大雅は1回戦よりもさらに早い1Rわずか54秒でKO勝ちを収めた。
「1回戦が終わった後は、気持ちを切らさないで集中してすぐに次を考えて準備をしていたんです。控え室のモニターで闘士選手の試合を見ていました。闘士選手は1回戦のダメージがあったので、一発当たれば倒れると思っていたから早い段階で倒しに行きました」
そして決勝戦では、優勝候補の本命である前K-1 WORLD GP -60kg王者・卜部功也との一騎打ちに。
「予想通りでしたね。決勝に来ると思っていたので、前から試合映像を見ていて、相手がどういう動きをするか頭の中に入れておきました。入れておけば試合の時にビックリしません。毎回そうですが、僕は相手の試合をけっこう見ます」
1Rから大雅は一気に襲い掛かってはパンチをまとめ打ちし、その勢いに卜部は押された。卜部もカウンターのヒザ蹴りや左ストレートをヒットさせたが、全体的に大雅の攻撃が目立ち、判定3-0で大雅が前王者を破って栄冠を手にした。
「勢いでガンガン行こうと思って行きました。間合いを潰す感じですね。カウンターは、攻撃が見えていたので大丈夫でした。一回バックブローが当たってもう一発当たったら効いてしまうと思いましたが上手く誤魔化せました。1回戦も2回戦もKOしたので、気分がのっていましたね」
■実はウェイトトレーニングを一切したことがなかった
-60kgに階級を上げて3度目の試合で国内の頂点へ登り詰めた大雅。優勝出来た要因を聞くと、「頑張ったのはみんな一緒で、一番優勝したい気持ちが強かったのだと思います」と答えたが、-60kgに階級を上げてから今回のトーナメントまで準備期間があったことが大きかった。
「-60kgに上げてからフィジカルトレーニングを始めました。実はそれまでウェイトトレーニングを一切したことがなかったんです。始めたら身体がデカくなってきて、スパーリングでも相手を倒してしまうくらいパワーが上がりました。
本格的にトレーニングを始めたのは10月からですね。ウェイトトレーニングとアスリート仕様のエアロバイク、それとランニングマシンで傾斜をつけてダッシュするとか。特に変わったことはしていませんが、やったことがなかったので効果は絶大でした(笑)。筋肉を付けて身体を大きくするとスピードが落ちると聞いていましたが、逆でしたね。スピードが上がって、なおかつ身体に力が入るようになって-55kgの時とは全く違いました」
元々、身体能力の高さが評価されていた大雅だが、本人はそうは思っていないという。
「小学校3年生までは足が速かったのに、それ以降は特にそれほどでもなかったです。学校でも飛び抜けて運動神経がよかったということはないですよ」
とは言え、昨年10月からフィジカルトレーニングを始める前までは「特に何をしていたということはなく、普通にキックボクシングの練習をやっていました」と言うのだから、生まれ持った素質があったことは間違いないだろう。
トーナメントから約3週間が経ち、すでに「優勝? そんなことがあったな、という感じです。もう次に向かっています」という大雅。9月19日(月・祝)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される『K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN~-60kg世界最強決定トーナメント~』には、日本代表として出場する。
「卜部選手も世界チャンピオンだったので、そういう選手に勝ったことで自分も世界でやっていけると思いました。優勝したことで自信もつきましたしね。9月までにフィジカルをもっと上げないといけませんが、最後は気合いだと思っています」
幼き頃から思い描いていた夢が、現実に手が届くところまで来た。
「卒業アルバムにも将来の夢は“世界チャンピオンになる”と常に書いていました。小学校に入学した時から世界チャンピオンになりたいと思っていましたし、なるもんだと思っていたんです。兄(HIROYA)も6月の-65kg世界トーナメントに出場が決まったので、今年は一緒に世界チャンピオンになりたいです」
憧れの世界チャンピオン像はフロイド・メイウェザー・ジュニア。世界中の人々をテレビの前に釘付けにし、スポーツ長者番付で1位を記録するなどしたボクサーに少しでも近付きたいという。
「あそこまで出来たのは同じ格闘技として凄いと思います。憧れです。スタイル的に影響を受けたということはありません。無理じゃないですか(笑)。K-1のメイウェザーのような存在になりたいです。ただし、試合は面白くないとダメです」
今年の8月に誕生日を迎えてもまだ20歳。可能性は無限にある。世界の強豪たちを相手に、その才能をさらに開花させるだろう。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「19歳・大雅が日本トーナメント制覇」
・過去のMVP選手一覧
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