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【ONE】元王者に勝利し注目のバウシュトが実はホームレスの過去、彼がプロ格闘家になるまで

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2020/04/23(木)UP

元ONE世界王者のフォラヤン(左)に勝利し、歓喜するバウシュト(右)©️ONEChampionship

 今年1月にフィリピン・マニラで開催された『ONE:FIRE & FURY』に出場し、MMAルールで元ONEライト級世界王者のエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)から勝利を収め、さらに脚光を浴びたピーター・バウシュト(32=オランダ)。 

 バウシュトはオランダを本拠地とする格闘技団体『WFL(ワールド・ファイティング・リーグ)』のMMA世界ライト級王者の実績を引っさげ昨年ONEと契約した。

 190cmの身長から繰り出される打撃とグラップリング力で昨年5月のONEデビュー戦では修斗でも活躍した下石康太に2RでTKO勝ちし、ONEでは現在まで3勝無敗。ONE以前を含めると8連勝中だ。現在はフルタイムアスリートとなり、チャンピオンを目指すバウシュトだが、ここまで歩んだ道のりは平たんなものではなかった。10年前はホームレス生活を送っていたのである。

バウシュト(左)が元世界王者フォラヤンに対し、長いリーチからの蹴りで攻める©️ONEChampionship

 バウシュトは幼少期に両親が離婚し、オランダで2番目に治安が悪いとされる地域でシングルマザーとなった母親と2人の兄弟と共に生活保護によって育てられた。それでも6歳の時に柔道を始めると、ヨーロッパのU16選手権で銅メダルを獲得するなど格闘技の素養には恵まれていた。そしてムエタイジムにも通い試合にも出場した。

 しかし、22歳になり家を出る必要に迫られたバウシュト。そうしなければ、弟と母親が保護費を受け取り続けられなかったからだ。彼は公園や誰かの家のソファで寝るホームレス生活を送るが、プロの総合格闘家になる目標を立て、生活費を稼ぐため地元自治体でのごみ収集業につき、総合格闘技(MMA)のキャリアを築くため責任をもって仕事を果たした。雇い主から理解と応援を得ることが出来たバウシュトはトレーニングと仕事の両立を開始する。

 毎日35キロ歩き、20トンのごみを集める仕事で週に5日働いた。
「汚い金じゃなかった。自分が育った地域は、ドラッグディーラーもたくさんいた。自分はそんなことはやりたくなかった。彼らの暮らしぶりを見て、ああいう風にはなりたくないと思った。ちゃんとした真っ当な仕事のおかげで謙虚になれた」とバウシュトは言う。

強烈なヒザで襲い掛かるバウシュト(右)©️ONEChampionship

 昼休みと夜に1日2回のトレーニングを行う生活を続け、2012年7月、24歳でMMAプロデビュー。アパートを借りることもできるようになった。2年間で借金の返済も終え、眠る場所を手に入れた彼の次の目標は、仕事を減らしよりトレーニングに打ち込むことだった。

 上司もトレーニングが最優先なバウシュトの戦績を知っており、ヨーロッパの王者になった時には本気だということをわかってくれていたという。その後も連勝を続けオランダを本拠地とする格闘技団体「ワールド・ファイティング・リーグ(WFL)」のライト級トーナメントの世界チャンピオンになった。

 そして、ONEでも無敗の3連勝中。MMA戦績も17勝(4敗)に伸ばした。最終目標はもちろんONEライト級世界チャンピオンだ。

 ONEと契約した今でも、あのごみ収集の仕事が大きな転機だったと語るバウシュト。ホームレスからONEの世界王者となれば、世界の人々に勇気と希望を与えることができるだろう。

協力:ONEチャンピオンシップ

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