【テクニック】天心の勝因、武尊の敗因を久保優太が解説、勝敗ポイントは「足の位置、メイウェザーのディフェンス」
■メイウェザーのディフェンスの動きからダウンが生まれた
さらにダウンシーンの場面は、武尊が右、左とワンツーを打っていくが天心が外側を取っているため、相手の左脇の辺りまで体を沈ませることで「パンチが当たらない場所へ移動し、左のカウンターを当てることができた」と久保は見ている。ちなみに、このディフェンスはフロイド・メイウェザーが得意とする動きのようだ。
あとは、「スタンスの広さが影響した」と久保。天心は、武尊と対戦する前に風音と試合をしたが、この時はパンチでKOを狙うあまりに「スタンスが広くなっていた」ようだ。この時の失敗を修正し、天心はスタンスが狭くなっている。久保は「その欠点が分かって修正しても、普通は2、3試合くらいかかる」と天心の天才ぶりに驚いていた。
■武尊の敗因とは?
逆に武尊は、2R以降、パンチでKOを狙うあまりにスタンスが広くなり、「蹴りを出しにくい状況にしてしまった」という。天心はスタンスを見ながら蹴りがこないことを確認し、パンチを被弾しないようにボディワークでかわした。
賢司は「武尊選手の怖さは、倒せるパンチを持っていながら蹴ってくることだと思います。パンチをもらってはいけないのに、蹴りもあると相手はどうしたらいいか分からなくなる」と武尊が武器を捨ててしまったことで、攻撃力が下がったと説明する。
最後に久保は、ワンキャッチ、ワンアタックのルール(抱え込みや蹴り足の掴みから瞬間的な1回の攻撃がOK)の違いも影響したという。
「K-1はクリンチ禁止なので、蹴りが出しにくくパンチに比重を置いたルールなんです。そうなるとトータルバランスが長けている選手は、パンチだけ気を付ければいいのでディフェンスが簡単なんです」と久保。
賢司も、「僕はK-1とRISEの両方のリングで試合をしているので、よく分かります。K-1だと蹴りよりもパンチでポイントを取ってくれている印象はありますが、RISEはそれがないかもしれない」と同調する。
天心は今回クリンチ(頭部への抱え込み)からのヒザ蹴りなどの蹴り技も多く出していた。武尊は抱え込まずのヒザ蹴りだった。足の位置、スタンスの広さ、抱え込みや掴みなどのルールの影響が、世紀の一戦の勝敗をわけたということなのだろう。久保の解説を頭に入れながら試合映像を見返すと、納得する点が多いことが分かるはずだ。
▶次ページは【解説写真と動画】久保が指摘する勝敗を分けたポイント、わかりやすく解説
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