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【極真館】藤井が全ロシア極真統一王者を破るも決勝戦は自滅…坂田が初優勝

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2011/11/13(日)UP


▲全ロシア極真統一王者ミツァエフ(右)を藤井(左)が破る大金星

極真空手道連盟極真館
「2011オープントーナメント~争覇戦~
全日本空手道選手権大会」
2011年11月13日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館
開会式10:00 試合開始10:40

  5階級でトーナメントが行われ、次に各階級の王者がトーナメント(組み合わせは抽選)で無差別級の王座を争うという“争覇戦”が今年も開催された。今年は フィリピン、中国、ブルガリア、ネパール、アメリカ、ロシア、ポーランドからも外国人選手が参戦。他流派も交えて熱戦が繰り広げられた。

→ミツァエフ(左)は初戦でパトリック(右)と延長戦までもつれるも下段廻し蹴り一発で一本勝ち

 最大の注目を集めたのは、昨年ロシア政府が主催して行った『全ロシア極真統一選手権ドラゴンカップ』(極真を名乗る全団体が参加)の軽重量級で優勝したマゴメド・ミツァエフ(ロシア)だ。

  ミツァエフは89kg以下級にエントリーし、2回戦から出場。ケンソン・パトリック(埼玉県南支部)と本戦判定2-1になるほどの接戦を演じたが、延長戦 になると開始からわずか3秒、右下段廻し蹴りで一本勝ちを収めた。続く準決勝も江田宜明(埼玉県西支部)から左下突きで技ありを奪うと、再開後に後ろ蹴り で一本勝ち。

→ミツァエフ(左)は準決勝も江田(右)に一本勝ち。後ろ蹴りと後ろ廻し蹴りを駆使して勝ち上がる

 決勝戦は、同じく全試合一本勝ちで上がってきたアレクサンドル・コマノフ(ブルガリア)との外国人対決。10月に行われたインドネシア国際大会の決勝戦と同じ顔合わせとなった(前回の勝者はミツァエフ)。

 コマノフは下段カカト蹴りと二段蹴り(右足で蹴るフリをしてジャンプ、左中段廻し蹴りを当てる)、ミツァエフは下突きと右内股蹴りを繰り出す。

→外国人対決となった決勝戦はミツァエフ(右)が接戦を制した

 本戦は引き分けとなり、延長戦になると重厚な下突きの打ち合い。コマノフは下段カカト蹴りを放つが、ミツァエフの下突きで動きが止まり、ミツァエフが一 気に突きのラッシュを仕掛ける。これで勝負あり、判定4-0でミツァエフが前評判通りの強さを見て、89kg以下級を制した。

 各階級の優勝者が決まったところで抽選が行われ、争覇戦のトーナメント組み合わせが決定。第1試合で89kg超級優勝の極真館のエース・藤井脩祐(城南品川支部=第4、6、7回全日本優勝)とミツァエフという事実上の決勝戦と言ってもいい組み合わせが実現した。

→争覇戦の1回戦で藤井(左)が下段廻し蹴りでミツァエフ(右)をストップした

 突きで前へ出てくるミツァエフに対し、藤井はステップを使って回り込みながら右下段廻し蹴りを狙い撃ちにする。本戦 はどちらにも旗が揚がらず延長戦となり、藤井は同じようにステップで回り込みながらの右下段廻し蹴り、ミツァエフは突き一辺倒で前へ出る。藤井が繰り出す 左の突きからの右下段廻し蹴りがスピーディーに何度も決まり、文句なしの判定5-0で藤井がロシア統一王者を破る大金星を獲得した。

 藤井は準決勝で72kg以下級優勝の森田奈男樹(宮本道場)を圧倒し、本戦で決着をつけて決勝戦へ進出。65kg以下級優勝の岩澤寿英(草加支部)を破った80kg以下級優勝の坂田好総(昭武館カラテ)と争覇戦の決勝を争うことに。

→争覇戦の決勝戦、藤井(右)はスピードとパワーで坂田(左)を圧倒していたが……

 藤井はここでも左の突きからの右下段廻し蹴りを多用し、左右の中段廻し蹴りと下突きの連打。坂田も突きと下段廻し蹴りで応戦するが、パワー、スピードともに藤井が優る。しかし、藤井の顔面殴打が響いたのか判定は2-0で延長戦に突入。

 延長戦でも藤井は突き連打からの右下段廻し蹴りで猛攻を加えて坂田を圧倒したが、またも顔面を殴打してしまい注意が与えられる。

→他流派の坂田(中央)が争覇戦を初制覇した

 その後も藤井が突きで押しまくり、優勝は間違いなしと思われたが、3度目の顔面殴打! これで藤井に減点1が与えられ、坂田が判定5-0で優勝を飾った。藤井は自滅した形となった。



▲岩澤(右)がパワフルな攻めで長年のライバルである山下(左)を破る

▼65kg以下級決勝戦
○岩澤寿英(草加支部)
判定5-0
●山下康太朗(東川口支部)

 決勝戦を争う2人の20歳は、青少年大会時代からしのぎを削っているライバル同士。小学生時代は岩澤が勝ち、中学生時代は山下が勝っているという。9月に行われた全関東練成大会でも対戦し、その時は山下が勝利を収めた。

 岩澤が右下段廻し蹴りを効かせて右下突きの連打から後ろ蹴り! これで山下の動きを止めると突きでラッシュを仕掛ける。終盤は疲れが見えて動きが鈍くなったが、最後まで突きと下段廻し蹴りで前へ出て岩澤がリベンジを果たした。



▲森田(右)が下突きとヒザ蹴りで打ち合いを制した

▼72kg以下級決勝戦
○森田奈男樹(宮本道場)
判定4-0
●若林 遼(城南川崎支部)

 両者ともに突きと下段廻し蹴りで打ち合い、森田が左下突きとヒザ蹴りを効かせて最後まで攻め切り、本戦で決着をつけた。



▲坂田(右)の下段廻し蹴りで石田(左)はたびたびバランスを崩した

▼80kg以下級決勝戦
○坂田好総(昭武館カラテ)
判定5-0
●石田武司(総本部)

 坂田の右下段廻し蹴り、左内股蹴りで石田は足が流れ、たびたびバランスを崩す。石田も突きと下段で応戦するが、坂田の下段によるダメージは明らかで坂田が本戦で判定勝ちした。



▲藤井(右)がジオルギエフ(左)に一本勝ちで優勝

▼89kg超級決勝戦
○藤井脩祐(城南品川支部)
一本勝ち ※左中段逆突き
●フリスト・ジオルギエフ(ブルガリア)

 藤井は1回戦シード、2回戦は右下段廻し蹴りで一本勝ちし、準決勝は不戦勝での決勝進出。対するジオルギエフは1回戦シード、2回戦と準決勝は共に一本勝ちと圧倒的な強さを発揮していた。

 藤井はスピードのある突きの連打から右下段廻し蹴り、さらに右の突きでジオルギエフを場外へ追い出す。再開後、すぐに藤井が右中段逆突きを決めて一本勝ちを飾った。


RESULT

▼65kg以下級
優 勝 岩澤寿英(草加支部)
準優勝 山下康太朗(東川口支部)
3 位 遊佐真介(川崎元住吉支部)
4 位 萩原 翔(川崎元住吉支部)

▼72kg以下級
優 勝 森田奈男樹(宮本道場)
準優勝 若林 遼(城南川崎支部)
3 位 デヤン・ブラドコフ(ブルガリア)
4 位 笠井 優(士衛塾)

▼80kg以下級
優 勝 坂田好総(昭武館カラテ)
準優勝 石田武司(総本部)
3 位 ニコライ・ヨルゴフ(ブルガリア)
4 位 木場真吾(同真会)

▼89kg以下級
優 勝 マゴメド・ミツァエフ(ロシア)
準優勝 アレクサンドル・コマノフ(ブルガリア)
3 位 江田宜明(埼玉県西支部)
4 位 大橋 剛(埼玉東支部)

▼89kg超級
優 勝 藤井脩祐(城南品川支部)
準優勝 フリスト・ジオルギエフ(ブルガリア)
3 位 サイモン・カントウスキー(ポーランド)
4 位 アダム・デルジコウスキー(ポーランド)

▼高校生男子争覇戦
優 勝 山田 亮(士衛塾)

▼一般男子争覇戦
優 勝 坂田好総(昭武館カラテ)

敢闘賞 マゴメド・ミツァエフ(ロシア)
技能賞 アレクサンドル・コマノフ(ブルガリア)
試割り賞 藤井脩祐(城南品川支部)

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