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【柔道】原沢が絶好調の七戸を下し全日本初V

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2015/04/29(水)UP

初優勝した原沢久喜

講道館/全日本柔道連盟
「平成27年全日本柔道選手権大会」
2015年4月29日(水・祝)東京・日本武道館

 この大会は毎年1回行われ、柔道男子無差別での日本一を決めるトーナメント。全国の予選を勝ち抜いた42人の出場選手の8割が100kg超級の選手の中、世界選手権で2度3位の実績がある181cm、94kgの小野卓志が3回戦まで勝ち上がり素早い動きで会場を沸かせた。

 また昨年11月の大道塾世界大会で120kgの巨体と柔道の投げを活かし、準優勝した野村幸汰も出場したが2回戦で敗退。ロンドン五輪代表の上川大樹は準々決勝で七戸龍に敗退。決勝は原沢久喜vs七戸龍の初優勝をかけての対戦となった。

▼決勝戦

○原沢 久喜(191cm 122kg 22歳 2013年全日本準優勝 世界ランキング100kg超級19位)
有効(小外刈り)
●七戸 龍(193cm 121kg 26歳 2014年世界選手権100kg超級銀メダル 世界ランキング100kg超級6位)

 両者とも今大会4戦中3戦で一本勝ちと好調。過去の対戦では一昨年のグランドスラム東京の3位決定戦で、七戸の指導4による反則で原沢が勝利している。

お互い組み手の取り合いでなかなか仕掛けられない中、七戸が巴投げを仕掛ける場面も

 試合開始、お互い組み手争いが続く。

 途中、七戸が組み合った状態からのブロック(腰を曲げた状態で、片手、または両手で相手を押して、すぐに攻撃しない場合はブロックしている姿勢とみなされ指導が与えられる)などで指導2となる。

 七戸は指導分を取り返すべく大内刈りなどの足技で積極的に前に出るが原沢はうまくかわす。原沢も今回一本を取ってきた内股をかけるも七戸は倒れない。

七戸の大内刈りを返して有効を取った原沢

 残り1分46 秒のところで、七戸が得意の大内刈りを仕掛けてきたところを小外刈りで返し原沢に有効が与えられる。残り時間、組み手争いの中からも技を仕掛けていく七戸だが試合時間6分が終了。

 原沢が初優勝を飾った。

 試合後、原沢は「一昨年もいいところまで行って、昨年は準々決勝で負けて、自分の中でもう一つ勝ちきれないというのがあり、今回全てかけるようなつもりでこの試合に挑みました。王子谷選手には今まで一度しか勝ったことがなくていろんな人に対策を一緒に考えてもらって、皆んなのおかげである勝利です」と喜びを語った。

▼準決勝第1試合

○原沢 久喜(191cm 122kg 22歳 2013年全日本準優勝 世界ランキング100kg超級19位)
僅差(王子谷に3つの指導)
●王子谷 剛志(2014年全日本優勝、2014年柔道グランドスラム・チュメニ100kg超級準優勝)世界ランキング100kg超級11位)

 昨年優勝の王子谷剛志は2連覇をかけこの大会に挑むが、前日の会見で、この一週間、2連覇のプレッシャーで浅い眠りにしかつけなかったと語った通り、技を出す回数が少なく、返し技が多い。
 

原沢の積極的な投げ技をしのぐ昨年王者の王子谷

 3回戦では慎重になりすぎたか積極的戦意に欠けると指導1が与えられる。しかしそんな状況でも2回戦に技あり合わせ一本、準々決勝では出足払いで有効ポイントを取り勝利を掴んできた。

 準決勝の相手は同い年のライバル原沢久喜。原沢には1度だけ指導ポイントによる僅差で負けてはいるが、昨年の大外刈りでの一本勝ちを始め原沢に何度も勝っている王子谷。

 相性的には王子谷と思われたが、今大会全て一本勝ちで勝ち上がってきている好調な原沢に王子谷は攻めあぐねる。一方原沢は開始早々払い腰を出し、その後も足払い、支え釣り込み腰、払い腰など積極的に技を仕掛ける。

終盤、王子谷が大外を仕掛けるが原沢はこらえる

 王子谷は防戦一方となり、2度も積極的戦意に欠けると指導を受ける。3度目の指導は自ら場外に出たとのことで、あと1つの指導で反則負けとなるため後がない王子谷は、圧力をかけ大外刈りに行くも不発に終わる。

 試合時間6分時間切れで2つ以上の指導差が王子谷にあるため原沢の優勢勝ち。2年ぶりに決勝に駒を進めた。

「これまで何度も負けているので王子谷選手の対策を立てて練習してきたことが実を結んだ」と原沢は語った。

▼準決勝第2試合

○七戸 龍(193cm 121kg 26歳 2014年世界選手権100kg超級 銀メダル 世界ランキング100kg超級6位)
一本(小外刈り) 
●西潟 健太(193cm 130kg 27歳 2012年~14全日本実業団個人100kg超級3連覇、2014年全日本3位、2014年講道館杯全日本体重別100kg超級2位)
 

七戸は準々決勝、優勝候補の上川大樹に開始12秒、大内刈りで一本勝ち

 これまで七戸戦は5戦5勝の西潟健太。しかし七戸は今大会、一本勝ちまたは有効技によるポイントで勝ち上がってきた。

 しかも準々決勝ではロンドン五輪代表であり、2013年の講道館杯全日本体重別100kg超級優勝・上川大樹に開始12秒、大内刈りで一本勝ちしている。

七戸が小外刈りで一本

 西潟は七戸の両襟を持ち、強く引き込み技につなげようとする。七戸は大内刈りなど足技を狙う。

 お互いパワーファイター同士で掴んでは強く引き合う。

 その状況の中、七戸は突然相手の懐に入り小外刈りを仕掛けると西潟が倒れ一本に。これまで勝ったことのなかった相手に完勝し初めての決勝に駒を進めた。

<試合結果>

優 勝 原沢 久喜(東京)

準優勝 七戸  龍(九州)

第三位 王子谷剛志(推薦)
    西潟 健太(九州)

第五位 高橋 和彦(東京) 
    上田 轄麻(東京) 
    石井 竜太(東京) 
    上川 大樹(推薦) 

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