【巌流島】無差別級で前へ出る勇気を見せた菊野、レロ負傷で一本勝ち
巌流島実行委員会/株式会社ひとだんらく
「巌流島 ADAUCHI 2017 in MAIHAMA」
2017年9月2日(土)千葉・舞浜アンフィシアター
▼第8試合 仇討ち 無差別級
○菊野克紀(沖縄拳法空手/日本)
一本 1R 1分52秒 ※レロが試合続行不可能
●マーカス・レロ・アウレリオ(カポエイラ/ブラジル)
菊野はUFC参戦を経て、2016年7月から巌流島に参戦。沖縄拳法空手の修行で身に付けた一撃必殺の拳を武器に、これまで巌流島で6戦して5勝1無効試合と負けなし。そのうち4勝がKOによる勝利で、3勝が1RでのKO勝ち。
前回5月大会では体重差57kgのジミー・アンブリッツとの無差別級戦に挑んだが、試合が始まってすぐに菊野のスネが割れてしまい試合続行不可能で無効試合に。その後、7月15日のDEEPに参戦が発表されたが、練習中に右足の中足骨(足指の付け根に相当する骨)を折り、松葉杖生活を余儀なくされて欠場。今回が再起戦となる。
対するレロはブラジルの格闘技カポエイラの使い手で、派手な蹴り技を駆使する巌流島の人気選手。これまで中島大志(大相撲)、瀬戸信介(中国拳法)らと対戦し、日本人相手には無敗を誇る。菊野は日本人エースとして、日本人選手の仇討ちを挑む。レロはこれまで80kg前後で試合を行ってきたが、前日計量でまさかの94.3kgに増量してきた。
1R、菊野は前に出てパンチを放っていく。レロも打ち合い、距離が離れると回し蹴りを放つが菊野はかわす。レロが突進してくると菊野は土俵際での巴投げで転落を奪う。さらにパンチからの押し出しで2度目の転落を奪った。
菊野が前へ出てプレッシャーをかけ続ける中、レロは後ろ回しを放ったが、自らの左ヒザをひねってしまいその場に倒れて悶絶。試合続行不可能と見て、レフェリーが菊野の一本勝ちを宣した。
レロは無差別級の試合で有利になろうと大幅に増量してきたが、それがヒザへの負担となり、仇となったのかもしれない。
するとテレビ解説席にいた小見川道大が闘技場に上がり、「菊野選手おめでとうございます。素晴らしい勇気をもらいました。素晴らしい戦いでした。次、菊野選手、僕と戦ってください。以前、菊野選手の戦いを肌で感じて負けましたが、今回のテーマ仇討ちをしたいと思います」と、菊野に再戦を要求。両者は昨年10月、トーナメント決勝で対戦して菊野が一本勝ちしている。
この対戦アピールに戸惑いを見せた菊野だが、「大好きな小見川先輩と最高にいい試合をまたしたいと思います。よろしくお願いします」と再戦を承諾した。
そして菊野は「ひとつだけ言わせてください」と観客に向かって語り始めた。
「この巌流島は今までの格闘技とは違います。世界中の異種格闘技と戦う、カポエイラと戦うなんて人生ではなかなかありません。総合格闘技の試合ではまずないです。そして無差別。大きな相手に向かっていく。本当に怖いです。だからこそ、この巌流島は勇気の大会だと思っています。
沖縄拳法空手から一緒に出てくれた種市も最高の勇気を見せてくれました。ヒザがボロボロでいきなりムエタイのチャンピオンと戦う。彼は他にも障害がいろいろあってそれを乗り越えてあれだけカッコいい試合をしました。
単純にルールの中で強さを競うんじゃなくて、この巌流島は勇気を見せる。何かに挑戦する。それを子供たちに伝える、大人の人たちの生きる勇気にもなりたい。子供たちに勇気の背中を見せたい。勝ち負けはしょうがないです。でも立ち向かっていく勇気を見せたいと思います。この巌流島はそういう舞台です。
格闘技はバイオレンスです。だからこそ選手は苦しいとか痛いとか本能的なストレスと向き合います。だからこそ格闘技でしか伝えられないものがあるんです。この巌流島をもっとそれを伝える舞台にしていきたいです」と熱いメッセージを送った。
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・2016年10月、トーナメント決勝での菊野vs小見川
※「全試合結果」はこちら
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