2013年10月度MVP 長南 亮
毎月eFightが取材した大会の中で、最優秀選手を決める月間MVP。2013年10月のMVPは、10月20日(日)東京・後楽園ホールにて開催された総合格闘技大会『TRIBE TOKYO FIGHT』において、引退試合のタイトルマッチで見事勝利を収めた長南亮に決定!(2013年11月6日UP)
PROFILE 長南亮(ちょうなん・りょう) 1976年10月8日、山形県鶴岡市出身 身長175cm、体重80.0kg TRIBE TOKYO M.M.A.所属 ※詳細は選手名鑑へ→ |
選考理由
1、「引退試合で強敵ダン・ホーンバックルに勝利」
2、「DEEPのタイトルを日本に取り戻した」
3、「完全燃焼の試合で観客を感動させた」
選考委員
Fight&Life、ゴング格闘技の各格闘技雑誌の編集長とeFightの全スタッフ
受賞された長南選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、eFightより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムMVP記念インタビュー
「試合が終わった後は何も残っていなかったです。完全燃焼しました」
■引退試合にして最強の敵を自ら指名
PRIDE、DREAM、UFC、DEEPで多くの国内外の強豪と戦ってきた長南亮が、10月20日(日)東京・後楽園ホールで引退試合を迎えた。
引退試合にしてタイトルマッチ、しかも王者ダン・ホーンバックル(アメリカ)は長南の弟子・白井祐矢を王座から引き摺り下ろし、郷野聡寛にもKO勝ちしている強豪。この大一番に、長南は12年間の現役生活で培った全てをぶつけて見事勝利を奪い、自らの花道を飾った。
「けじめをつけたいという気持ちがありました」。長南は引退試合を行った理由をそう語る。試合から離れるきっかけとなった首のヘルニア、東京・練馬にオープンした代表を務めるTRIBE TOKYO M.M.A.ジムでの指導など、選手として現役を続けるのには酷な状況があったため、この2年間で試合は1回だけしかやっていなかった。
「自分で決めたことなので引退することに後悔はありませんでしたが、応援してくれる人たちがいるので最後に試合をやりたいという想いがありました。
ダンとは、自分からやらせて欲しいと佐伯さん(DEEP代表)に言いました。周りでも自分との試合が見たいという声がありましたし、白井が負けていますし、何よりもDEEPのベルトを誰が日本に取り返せるか? 誰がダンに勝てるのか? それを考えた時に“自分がやってやろうかな”と思ったんです」
自らプロモーターとなって『TRIBE TOKYO FIGHT~長南亮引退興行~』を企画。交渉やマッチメイク、契約書も自分で作成するなど大会の準備に駆けずり回り、ジムで指導をして自分の練習もするという大忙しの日々。元々、出稽古に通っていた高阪剛のアライアンスジム、キックボクシングのRIKIXジムとNINEPACKジム、そしてアメリカ修行時代に世話になったダン・ヘンダーソンのジムにも行き、練習も現役生活の集大成となった。
■日本の格闘技界のために、やらなければいけないことがいっぱいある
「限界まで全部やった」その自信を胸に、長南は最後のリングに上がった。試合は長南のペースで進み、最終3R開始時には“このまま行けば勝てる”との期待感から、長南コールが場内に鳴り響いた。残り時間1分でスリーパーホールドを仕掛けられるピンチはあったが、それも凌ぎ、文句なしの判定勝ちで長南は有終の美を飾った。
「想定内のことばかりでしたね。特別驚くようなことはありませんでした。思ったよりもスピードが速かったというのはありましたが、研究もかなりしていたので問題はありませんでした。
打撃、寝技、タックル、サブミッション(関節・絞め技)、パウンド(寝技で上から落とすパンチ)……全てを出しました。スタミナも全部使いましたし、試合が終わった後は何も残っていなかったです。完全燃焼しましたね。両親が見に来ていましたし、最後だから泣くのかなって思っていたんですが、涙も出なかったです。全てを出し切って爽快な気分でした」
今回、MVPに選ばれたことを「もちろん評価されたことは嬉しいですし、光栄なことです」と語る長南だが、「本音を言えば同じ大会に出た別の選手に取って欲しかった」という。
「去っていく人間がそういう賞をもらっていてはダメだと思います。自分と、自分の試合を喰って欲しかったですね。そうでなければこれからの格闘技業界のためになりません。辞める人間が輝いているようではいけないんです。だから今度は自分が業界を盛り上げる側に回って、自分がMVPを頂いた試合よりももっと素晴らしいものを提供できるようになりたいです。“あんな勝ち方をしたから、またやりたいと思わないんですか?”とよく聞かれるんですけれども、自分は別の形で戦い続けたいと思います。日本の格闘技界のために、やらなければいけないことがいっぱいあります」
今後は指導者として、そしてプロモーターとしても格闘技界のために尽くしていきたいと長南は言う。
「UFCを筆頭に世界で勝てる選手を育てていきたいです。あと日本の格闘技イベントにも活気を付けたいですね。自分が表にしゃしゃり出るのではなく、選手たちを押し出して、自分は裏方に回ってサポートしていきたいです」
後悔や未練などは微塵もなく、長南は完全燃焼で現役生活にピリオドを打ち、すでに未来を向いて歩き始めていた。
関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「長南亮、完全燃焼の引退試合でタイトル奪取」
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