【吉鷹弘の打撃研究室】連載第54回「グレゴリアンの今までに類を見ない構え」の巻
打撃のスペシャリストである筆者が、話題の試合を題材に打撃技術を分析していく連載コラム。今回は7月4日に『K-1 WORLD GP IN JAPAN』で行われた-70kg初代王座決定トーナメントを全試合KO勝ちで制したマラット・グレゴリアンを分析する。筆者が見たグレゴリアンの強さの秘密とは!?
■グレゴリアンの誰しもが取り入れていない構え
先日行われた新生K-1の70kg級トーナメントにて、全試合KO勝ちという完璧な勝ち方で優勝したグレゴリアンの打撃技術について論じてみたい。
アルメニア出身のグレゴリアン。目標とする選手はあのラモン・デッカーとのことで、デッカーに酷似した戦い方・スタイルかと思いきや実際はまったく異なるものであった。
上体をやや伸ばし気味にしてアップライト気味に構えるグレゴリアンは、この構えにプラスアルファして誰しもが取り入れていない構えをとっていた。
欧州のキック界を今なお牽引するオランダスタイルといえばムエタイ式のアップライトの構えではなく、ボクシングの様なクラウチングスタイルでもなく、重心を両足五分五分においたパンチ・キックを交差で繰り出すスタイルである。往年の名選手、ロブ・カーマンやラモン・デッカーも同様の構えであった。
この構えの特徴は体の捻り・タメを存分に使いこなせることにあり、右の攻撃の次はそこから身体のねじれを利用するため左の攻撃をつなぐ、左ならばそのあとは右という様にいわゆる交差式のコンビネーションを多様するところ。
しかし、グレゴリアンの攻撃はこの交差法を用いず、 ・・・
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吉鷹弘の「打撃」研究室 第54回 内容 |
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