【レベルス】梅野源治が衝撃告白「会長に引退すると伝えていた」
9月6日(水)東京・後楽園ホールにて開催された『REBELS.52』の一夜明け会見が、7日(木)都内にて行われた。
プロ初の2連敗を喫していたWBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者・梅野源治(PHOENIX)は、国内トップクラスを総なめにしていた元ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級7位スアレック・ルークカムイ(スタージス新宿ジム)と対戦。スアレックの強打を左ミドルキックで封じ込め49-48、50-48、50-47というほぼ完封に近い判定で復活の勝利を収めた。
「復帰戦ということもあって硬くなった。パンチを注意し過ぎて自分からパンチを打っていけなかった。ただずっと下がっているのではなく、トレーナーから言われていたのはとにかく下がるな。梅野はファイタースタイルだから、パンチで行かず蹴りで攻めていけ、と。下がりながら蹴りを合わせるテクニシャンスタイルはするな、前に出て蹴り続けろと言われていた。それは終始出来ていたと思う」と試合を振り返る。
「スアレックが3Rにスタミナが切れたのはそれが理由。普段はスアレックが前に出て攻撃するからスアレックのペースで疲れない。今回は思い通りにさせなかったのが勝利のポイントだと思っています」と説明した。
2Rにはバッティングを受けて流血。梅野の眉間には生々しい傷跡があり、顔もかなり腫れていた。「ちょうど1年前のヤスユキ戦もバッティングで途中で終わったので、今回は復帰戦だし負傷して途中で終わるわけにはいかない。切れた時は(傷が)深いと自分でも分かった。血も出てると思ったので、またかとイライラしたし、血が目に入って見えなくなったらどうしようという不安でペースが崩れそうになった」という。
しかし、「コーナーへ戻った後、トレーナーや会長に怒るな、落ち着けと言われました(笑)。なかなか試合中に怒るなとは言われないと思いますが、とにかく怒るな、普通に行け、これは喧嘩じゃないと言われて冷静になれた印象はあります」と、インターバルで冷静さを取り戻したという。
また2R終了時には、ゴング直後にスアレックがパンチを入れてきて怒った梅野が突っかかる場面もあった。「あれもだいぶイラっときた。あれくらいの強さのパンチならイエローカードは出されない、でも精神的プレッシャーはかかる、スアレックはそれが分かっていてやったのが分かったので余計にイライラしました」
試合後のマイクでも明かしたが、実は4月の試合で眼窩底骨折を負い、今回の試合でも「横を見ると物が二重に見える」状態であった。
「4月の試合後はミットをやっていても二重に見えて的が絞れない状態で、5月の試合でも頬骨をヒジで折られて目にダメージがあり、より二重に見えて。もう終わりなんじゃないかって本当に思った。目標だったラジャダムナンのベルトを失って、眼窩底骨折、上腕二頭筋断裂、その他にも骨折三カ所と大きい怪我をして。
僕が格闘技を始めた時に思ったのは世界で一番強い男になる。それが目的でやっているので、もう強くなれないのにやっているのは僕の美学に反する。そういう僕が好きでみんなが応援してくれているのに、目が見えなくて練習に集中できなくて弱くなっている。承認欲求のためだけに格闘技を続けているのを見せるのは失礼だし、自分が積み上げてきたものを自分が崩してしまう感じがした」
夜も眠れず考えて出した結論は「引退」だった。「自分は本気で諦めていた。もう無理だ、と会長にも言いました。弱くなっていると思うから引退する、と。格闘技にすがりついていたくないと自分の想いを伝えました。そうしたら、みんなは諦めていなかったんですね。お前はもっと強くなれる、お前はこんなもんじゃないんだと慰めではなく本気で僕を信じてくれているのを感じたんです。それで、会長もトレーナーも仲間も諦めていないなら自分が先に諦めてはダメだ、諦めないでまた一からやっていこうと思ったんです」
そこで復活の舞台として選んだのがレベルスだった。レベルスはプロ9戦目から参戦し、梅野が格闘技界に知られるきっかけとなったリングである。
「山口(元気)代表から、好きなことをした方がいい、好きな戦い方をして欲しい、それが勝ちにつながると言ってもらえた。いい試合をしろ、面白い試合をしろ、沸かせる試合をしろ、そうではなく自分の好きな試合をして欲しい、それをうちは応援すると言ってもらえたんです。それが嬉しかった。試合後も、いい試合だった、ありがとうと言ってもらえました。選手として認めてもらえた、評価してもらえたのが嬉しい。これからも恩返しのつもりで、梅野を使ってよかったと思ってもらえるように動いていくつもりです」
次回、梅野は11月24日(金)東京・後楽園ホールで開催される『REBELS.53』に出場が決定。タイの現役ランカーとの対戦が予定されている。
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