34歳・内藤のび太が王座返り咲き「1回1回が勝負。いつ終わってもおかしくないと思っている」=2018年5月ベストファイターインタビュー
毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2018年5月のベストファイターは、5月12日(土・現地時間)インドネシア・ジャカルタ・コンベンションセンターにて開催されたMMA(総合格闘技)イベント『ONE:WARRIORS OF THE WORLD』で、昨年12月に初黒星を付けられたシウバにリベンジし、王座を奪還した内藤のび太に決定!(2018年5月21日UP)
PROFILE 内藤のび太 |
選考理由
1、「ONE世界ストロー級王座に返り咲き、唯一の日本人王者になる」
2、「初黒星を喫したシウバに見事リベンジ達成」
3、「異国の地でコールが沸き起こるほど観客を熱狂させた」
選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ
受賞された内藤のび太選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムベストファイター記念インタビュー
「1回1回が勝負。いつ終わってもおかしくないと思っている」
■「前は怖がって距離が遠かったが今回は詰められた」
「終わった…ついにこの時が来たか」
2017年12月9日(土・現地時間)タイ・バンコクのインパクト・アリーナで開催された『ONE:WARRIORS OF THE WORLD』。アジア最大規模の活動をしているMMA(総合格闘技)団体『ONE』の世界ストロー級王者・内藤のび太はアレックス・シウバ(35=ブラジル)を挑戦者に迎えて2度目の防衛戦に臨んだが、判定で敗れた。
プロ13戦目にして初の黒星。得意のタックルがなかなか決まらず、シウバの左右フックやローを被弾する場面が多く見られ、打撃でヒットを重ねたシウバに軍配が上がったのだ。
「負けたか、ついにこの時が来たか、と思いました。僕は多分、5Rに向いている選手だと思うんですよ。タイトルマッチで負けて通常の3Rになると(タイトルマッチのみ5分5R)勝率が下がると思うので、負けた時が終わりだって気持ちでやっていました」
これで終わったとは思ったが、試合後すぐに引退しようという結論は下せず、「まあ、負けることもあるだろうなとは思ったんですが、そこそこ落ち込んでいましたね。続けるも引退するも先のことは何も考えず、とりあえず落ち込んでいました」という。
そんなのび太に朗報が届く。2018年5月12日にインドネシア・ジャカルタで開催される『ONE:GRIT AND GLORY』で、シウバとのダイレクトリマッチが決定したのだ。
「再戦を組むって話は、本当かどうかは分からなかったんですが、試合直後くらいに噂で聞いてはいたんです。それが本当になってもう1回出来るってことで、もう1回だけ頑張ろうかなって思いました。ダイレクトリマッチなんてずるいなって客観的には思ったんですが、やらせていただけるならもう1回やりたいなって。ありがたく受けさせていただこうと思いました」
再起へ向けての練習が始まった。シウバには「全部で負けた」との想いが強く「寝技を警戒していたんですが打撃でやられてしまったので、全部レベルアップして全部で勝負するしかないと思いました」と、どんな局面でも戦えるように準備した。
シウバはブラジリアン柔術世界選手権『ムンジアル』で黒帯世界王者に輝き、MMA(総合格闘技)ではデビュー2戦目で黒星を付けられたものの戦績は7勝1敗。のび太戦以外は全て関節・絞め技による一本勝ちで6連勝中。
「前回はタックルが来ると思って来なかったので、来ないことも来ることも想定して練習しました。あとは打撃をちゃんと打ち込まないといけないな、と。自分、打撃の見栄えが悪いので、そこをちょっと考えながら寝技もいろいろな人からアドバイスをもらったりして。これをやったからというのはないですが、いろいろなことを考えながらやってきました。ちょっと考えすぎちゃったくらいに」
再戦では、のび太が1R序盤から積極的に前に出て、2度目のタックルでテイクダウンに成功。シウバの固いディフェンスで攻め込むことは出来なかったが、この1Rが勝負の大きなポイントだったとのび太は振り返る。
「1Rにテイクダウン出来たことが大きかったですね。いつもは1Rにテイクダウン出来ないことが多いんですが、1Rから上になれたので“これはいけるかも”って思いました。なぜ出来たのかは分かりません。なぜか今回は前に詰められたんですよね。前は怖がって距離が遠かったんですけれど、今回は詰められた。僕のやりたいように出来たかなって思います」
のび太の持ち味は、何と言っても粘り強いタックルと驚異的なスタミナだ。どんなピンチに陥ろうともしつこく食い下がり、相手にしがみついてでもテイクダウンを奪いに行く。のび太の盟友で同門のジャイアン貴裕は、相手の足元に必死でしがみついてテイクダウンを奪いに行く姿から“謝罪タックル”と命名した。
後半になればなるほど強い。本来の持ち味を発揮したのび太は4Rからさらに前へ出てシウバを下がらせていく。
「圧力で負けたらしょうがないと言うか。一応、僕は体力の選手って言われているので、そこで相手に上回られたらこれで2回目だし、完敗かなって思っていました」
シウバも寝技で抑え込まれることなく、関節技を仕掛けて一進一退の攻防が続く。そして迎えた最終ラウンド、のび太がテイクダウンに成功し、立ち上がろうとするシウバにしぶとく組み付き続ける。その懸命な姿に観客からは“のび太コール”が沸き起こった。異国の地でも、のび太が必死に勝利を奪いに行く姿は観客の心を揺さぶったのであろう。
勝敗の行方は今回も判定に持ち込まれたが、2-1でのび太が勝利。持ち前の粘り強さを発揮して、宿敵シウバからタイトルを奪回した。
「判定がどうなるかは分からなかったですね。どっちだろうなって感じでドキドキしていました。精一杯頑張りましたが山場を作れなかったので、こっちに勝利が転がって来たのでホッとしたって感じです。ベルトをまた巻けた時は嬉しかったですね。なんか感動しました」
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