【月間ベストファイター・8月】武居由樹、5戦全勝でOPBF東洋太平洋王者に「僕はK-1スタイルのボクサー」
毎月イーファイトのサイト名にちなんでより良い試合をした選手に贈られる、格闘技月間ベストファイター賞。2022年8月のベストファイターは、8月26日(金)東京・後楽園ホールで行われたプロボクシング[東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ]で、同級王者ペテ・アポリナル(フィリピン)に5R TKO勝利し、第46代OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者となった武居由樹(大橋)に決定した。(2022年9月30日UP)
PROFILE 【獲得タイトル】 【戦績】 かつては悪ガキ少年だったが、中学時代に古川誠一会長と出会いPOWER OF DREAMで練習を積む。16年には初代Krushバンタム級王座、17年にはK-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王座を戴冠。19年6月には「K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」で全試合KOで制覇するなど、新生K-1の主役の一人として活躍した。 20年12月にK-1から卒業し、プロボクシングに転向することを発表。大橋ジムに所属し、元ボクシング世界王者の八重樫東に師事する。21年3月にプロデビューを果たすと高井一憲を初回TKOで撃破。その勢いのまま、日本人を相手に3試合連続で初回TKO勝利を挙げ、4戦4勝(4KO)の快進撃を続ける。22年8月に「OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ」に挑み、ペテ・アポリナルを5R TKOで撃破。ボクシング転向後、僅かプロ5戦目でベルトを腰に巻いた。 |
選考理由
1、プロ5戦目でOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座を戴冠
2、強豪アポリナルに4度のダウンを奪うTKO勝利
3、ボクシング転向後は5戦全勝、KO率100%
選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ
受賞された武居選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC–Ⅱ 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
贈呈:ゴールドジムベストファイター記念インタビュー
8月26日(金)東京・後楽園ホールで行われたプロボクシング[東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ]で武居由樹(大橋)が、同級王者ペテ・アポリナル(フィリピン)に5RレフェリーストップによるTKO勝利。僅か5戦目で第46代OPBF東洋太平洋Sバンタム王座を戴冠した。
21年3月に待望のプロボクシングデビューを果たした武居は、日本人ファイターを相手に4連続TKO勝ち。4戦目の河村真吾戦を除く全試合は、自慢のパンチで1Rに相手を沈めてきた。
4戦4勝(4KO)の戦績の快進撃でOPBF世界タイトル戦へたどり着いたわけだが、今回対戦したアポリナルは16勝(10KO)2敗と高戦績。武居の戦績を大きく上回る強豪だった。武居が「今までの相手と違い、オーラやパワーがあった。向き合った際の圧を感じました」と振り返るほどだ。
多くのファンが見守る中、武居はいつも通りQUEENの『I WAS BORN TO LOVE YOU』の入場曲で堂々のリングイン。八重樫東トレーナーとの作戦は「長いラウンドになるので序盤から行き過ぎないこと。タイミングを見ながら倒せるタイミングがあれば倒すこと」だった。
1Rから初回から右フックや左ボディを強打する武居。すると2Rの残り20秒、武居がロープにアポリナルを追い込んで、右フックでダウンを奪取。立ち上がったアポリナルに左フックで2度目のダウンを追加し、アポリナルはゴングに救われた形となった。長いラウンド戦うことを視野に入れた中、序盤でのダウン奪取はさすがである。
1度目のダウンを奪った右フックについて、武居は「スイッチして左ストレートを出して、押し込んでの右フックでしたね」と振り返る。この技はK-1時代からPOWER OF DREAMで練習していたもの。しかし「試合で初めて出たパターンだったので印象に残っています」とのこと。K-1時代からの積み重ねを大事なタイトル戦で遺憾なく発揮した。
2Rを終えて「手応えや実感はありましたし、効いている」と考えた武居だが、「まだまだラウンドがあることに引っかかっていました」と多少の迷いはあった。しかし、セコンドから「行っていいよ」とGOサインを貰い、チャンスを見て一気に倒しに行くと決意した。
3R、ポイントを取られたアポリナルは積極的にワンツー、フックと強打で攻める。両者のパンチが随所で交錯し、緊張感のある展開に。武居は冷静に左のボディ打ちや顔面の打ち分けで応戦。徐々にダメージを蓄積させていく。そして4R、再び右フックでアポリナルからこの日3度目のダウンを奪う。オープンスコアの結果、ここまでのポイントは40-33と武居が大きくリードする。
武居の得意技は豪快な右フック。飛び込みの右フックや右にステップしながらの右フックなど多くのバリエーションを持つ。K-1時代にも右は得意だった。今年4月のプロ4戦目のKOも右フック。今回のアポリナル戦で、2Rと4Rにダウンを奪ったパンチはいずれも右フックだった。
そして、5Rには武居が左右のパンチを振り回してパンチラッシュ。武居の左フックでアポリナルが大きくバランスを崩しながら後退したところで、レフェリーが試合をストップ。武居の圧巻TKO勝利だった。
フィニッシュのパンチは得意の右ではなく左のパンチだった。デビューから4戦目までの試合を見たトレーナーから「左のパンチが少ない」とのアドバイスを貰い、今回のテーマを「左のパンチを出すこと」に設定。序盤から左ボディで快音を響かせ、フィニッシュは左フックとなっただけに「左ボディやフックは見せられた」と自身でも手応えは上々だ。
“倒して勝つ”の精神はK-1時代から変わらず。「倒すシーンが作れて良かった」と素直に喜ぶ。フィニッシュのパンチの手応え自体はあまりなかったというが「ダメージの蓄積」と分析する。フィニッシュまでに合計3度のダウンを奪っているだけに、さすがにダメージが限界だったのだろう。
K-1時代に試合解説を務めていた魔裟斗は、武居のパンチを“鉄球のようなパンチ”と評していた。このパンチが武居がKOを量産する理由だろう。八重樫東トレーナーからは「パンチの質については言ってもらえないです(笑)。練習ではまだまだだよと言われます」とのこと。これからの伸び代を期待しての言葉だろう。
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