【10月・ベストファイター】入来建武、悲願の世界大会優勝の理由は”意識改革と筋肉に頼らない打撃”にあった
■ヴァレリー戦での敗戦で意識が変わった!食生活も一変
意識が変わったきっかけは、4年前の世界大会、ヴァレリーに敗戦したことだった。
4年前の世界大会5回戦、本戦で入来はヴァレリーにロー連打し、入来優勢の2-0。延長に突入するもヴァレリーのパンチ・ヒザの手数の前に3-0判定負けした。
入来はその試合を振り返り「延長で疲れて、身体が動かなくなってしまいました。本戦で行き過ぎてしまったのか」と語る。そこで大長先生に「なぜだろうという話をして、やはり筋肉に頼らないで、全身をうまく使っていこう」と、現在の方針が決定したと言う。
「負けるまでは、大長先生の指導を心にしっかり沁みていなかったというか、ただ聞いているだけでそこまで意識していなかったんです。今は自分でもしっかり納得した上で取り組めてます」と、痛い敗戦が意識を変え、自主的にしっかり自分と向き合えるようになった。
また、ヴァレリー戦は延長で失速し判定負けとなったが、後日映像を見て、ヴァレリーも延長戦で息が上がっているのを見て「延長で苦しいのは自分だけではない」と心から思ったのだという。
このトレーニングの他にも、全身を連動させた上での筋トレ、スナッチや35㎏前後の錘をつけての懸垂などを行ってきた。さらにトレーナーの食事指導に添い徹底、飲酒も普段は週1回程度に。試合前は1ヶ月半前から一滴も飲まず身体を仕上げた。
■“大会最重量”選手にも効かせたローキック
そして迎えた今回の世界大会。入来は初日から滑らかなステップ、ローを活かし、全試合本戦で勝ち上がり。2日目の準々決勝では、大会最重量で体重125kg・落合光星(日本)に下段を効かせては下がらせ、これも本戦勝利した。
入来は落合戦について「結構効いているように見えました」としながら「フェイントを意識していました。相手の軸を崩してから蹴る、またはタイミングをずらして蹴るなど出来ると、肉があっても効かせられます」と超重量級相手にも効かせることが出来ると語った。
■決勝はヴァレリー、勝因は“崩し”
決勝は、“宿敵”ヴァレリーとの再戦となった。ヴァレリーは多彩な蹴りを得意とする選手だ。軽やかなステップを踏みつつ、間合いを空けるとすかさずカカト落としや飛び後ろ回し蹴りなど、殺傷力抜群の大技も飛んでくる。
入来は「(ヴァレリーは)距離を取る、外(からステップで回り込む)での試合が凄く上手。インファイトのほうが分があるかなと。接近戦をメインに、体捌きと、自分の空間を作ってから蹴る、崩してから蹴るということを意識した」と、自分の土俵に持ち込んだ。
この“崩し”にはパンチを使ったと言う。入来はローだけでなく、強烈なボディストレートなどパンチも得意な選手だ。しかし今大会では“崩す”ことを意識したと言う。
入来は「ボディを効かせて、重心を崩す。そこからローに繋ぐと、今度は相手は下段に集中する。そこでまたボディを細かく打つ。するとさらにローが入りやすくなる」と、相手の意識をコントロールする術も使ってきたのだ。
結果、ヴァレリーは体勢を崩され、手数を出せないまま入来のローを受け続ける。
最後はヴァレリーの先手を取った”外に回る”ステップからの攻撃で、見事本戦勝利、悲願の優勝を勝ち取った。
■今後は「4年間、この大会だけに懸けてきた。次の試合はそこまで考えていない」
今後の展望を聞くと「4年間、この大会だけに懸けてきた。次の試合はそこまで考えていないのが現状。気持ちも回復していない」とまだ先のことは考えられないと言う。
新極真会は来年の7月21日に『空手Champion of Champions』と銘打った、“最強空手家”男女8人を選抜した賞金総額3000万円の世界トーナメントを開催する予定だ。
この世界トーナメントへ出るかとの問いには「まだ出るか出ないかわからない。大会としては夢がある。選手たちも生活が苦しかったり、環境に恵まれていない人も多いから。僕なんかはすごく恵まれた環境で、家が道場で、空手だけの生活が出来ているけど…」と後進に譲るかもしれないという口ぶりだ。
しかしまだ試合が終わって(取材時)一ヵ月、落ち着いてから答えは出るのかもしれない。
■入来建武が受賞の喜びを語る
今回受賞した入来には、イーファイトより記念の盾と、ゴールドジムからアルティメットリカバリーなどのサプリメント3種類が贈られる。
入来は「すごいメンバーばかりで、僕が入れたというのは、すごい。嬉しいし光栄、本当に」と顔をほころばせる。
また入来は普段はゴールドジムのサプリを使っていると言う。愛用しているのは「鉄分、そしてもちろんBCAA」とハードなトレーニングの支えになっていると語った。
◀️入来の1ページ目に戻る
- 1
- 2
- ≪ 前のページへ
- 次のページへ ≫
●編集部オススメ
・選考の一戦【新極真・世界大会】エース・入来建武が初優勝、41歳の“レジェンド”ヴァレリーに勝利し、前回大会の“雪辱”果たす
・【新極真会】賞金総額3000万円!男女・各8人制の”世界トーナメント”が開催=24年7月
・【極真・世界大会ではロシアのイエロメンコが西村界人を破って優勝】
・長嶋一茂が会いたかった美女空手家が登場、ハイキック受けスタジオ騒然
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
TwitterでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!
Follow @efight_twitインスタグラムでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!