【新極真・世界大会】エース・入来建武が初優勝、“レジェンド”ヴァレリーに勝利し、前回大会の“雪辱”果たす
フルコンタクト空手の“体重無差別”『第13回全世界空手道選手権大会』の決勝日が10月15日(日)東京体育館で行われ、男子では現在全日本大会3連覇中の“エース”入来建武(28=日本)が、41歳の“レジェンド”ヴァレリー・ディミトロフ(ブルガリア)を本戦判定5-0で下し、見事王者に輝いた。
初日には、4強の一人である前回準優勝者マシエ・マズール(ポーランド)を17歳の新星・遠田竜司が破る番狂わせから始まった今大会。2日目の第一試合・4回戦では岡田侑己が、第二シードの世界ウエイト制優勝者エヴェンタス・グザウスカスを本戦で撃破。落合光星が、今年のヨーロッパ重量級優勝パウリウス・ジマンタス(リトアニア)をこちらも本戦で破るなど、予想を覆す活躍を見せた。
決勝は、1日目、2日目全て本戦で勝ち上がった入来。準決勝ではヨーロッパ大会三冠エドガー・セシンスキー(リトアニア)に重いパンチとローを効かせ、順当に決勝へ駒を進めた。
対するは世界ウエイト制重量級“3連覇”経験を持つレジェンドのヴァレリー。他格闘技でも広く使われる、足へのカカト蹴り“ヴァレリーキック”の考案者でもある。準々決勝では岡田から中段前蹴りで技ありを奪い、準決勝では20歳の新星アントン・ジマエフ(カザフスタン)に本戦5-0勝利と、若手の台頭を許さず決勝へ進んだ。
入来は2015年島本雄二と決勝を争うも敗北、しかし前回19年大会では5回戦でヴァレリーに判定負けし、入賞すらならなかった。今回は優勝を狙うと共に、4年越しのリベンジでもある。
一方のヴァレリーも、世界大会の舞台ではベスト4入りしてきたが、決勝は初となる。
決勝は、入来が開始から真っ向勝負。左右ローを繰り出し前へ出る。しかしヴァレリーも腹へ下突き、離れてはカカト落としを繰り出す。拮抗した接近戦が続くが後半、入来が左周りにステップをはじめると、ロー、ヒザが良く入る。ヴァレリーもパンチで一歩も引かずも、最後は入来がステップしながら細かいパンチを繰り出し続け、手数を印象つけた。
判定は3-0(審判は全員で5者)で入来が勝利。日本エースとしての重責を果たし、世界大会3回目にして、初優勝を成し遂げた。
惜敗したヴァレリーだが、会場からは長らくヴァレリーコールが鳴りやむことはなかった。
入来はマイクで「夢の舞台で3回目にして優勝することが出来て本当に嬉しいです」と感無量の様子で、喜びと感謝を語った。
また入来は試合後インタビューで「ヴァレリー選手のおかげで強くなれた。4年間頑張る原動力になった」と語る。
決勝を振り返り「自分を出し切れた。気押されないよう自信を持って行けた」と心の部分でも負けなかったと言う。
そのヴァレリーは試合後「自分の試合で、会場の皆さんに心に残せたものがあったと感じ取れた。そこが一番嬉しかった」と静かに語る。
今大会で引退ではという声も聞かれたが「その可能性はある。一度戻って、ゆっくり休んで、周囲の人と話して今後どうしていくか決める。来週で42歳。大会に出場するというのは、若い人向けだなという気持ちもある」と微笑んだ。
また緑代表もヴァレリーについて「年齢もある中で、あれだけ動けるとは。海外の中で一番素晴らしい選手、彼の姿を見て学ぶべきことはたくさんある」と称えた。
▶︎次ページは【フォト&動画】入来とヴァレリーの激闘の打ち合い!
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