第28回「ムエタイにムエタイで挑んでも勝てない、そう思われていた常識を覆そうとした男」
「ムエタイの魅力、語りまくります」の第28回。今回もムエタイの敵側、つまり打倒ムエタイを狙う側の話をしてみよう。
様々な試行錯誤が繰り返され、日本人選手たちは打倒ムエタイに挑んでいった。その方法論は様々だが、ひとつだけ共通点がある。それは、ムエタイにムエタイで対抗しないというものだ。幼い頃からムエタイを学び、試合経験も豊富なタイ人に同じムエタイで挑んでいっても、テクニックとキャリアの差は埋められないからである。
しかし、90年代後半から2000年前半にかけて、この方法論とは真逆の方法でムエタイに挑んでいった選手がいる。NJKFフライ級王者だった佐々木功輔だ。佐々木が取った方法論は、ムエタイに抗うのではなくムエタイにムエタイで対抗するというものだった。
佐々木は単身タイへ渡り、タイのジムに寝泊りしてムエタイそのものを学んだのである。どうすれば勝てるのか、なにがポイントになるのか、どうなるとロストポイントとなるのか……ムエタイを徹底的に知ることによって、ムエタイに勝とうとしたのだ。
その競技で勝とうと思ったら、その競技の練習をして研究するのが当たり前。ところが、ムエタイでは当たり前の方法論がまだ試されていなかったのである。だから、佐々木がタイ地方の試合でキャリアを積み、1999年にルンピニースタジアムで勝利を収めたのは衝撃的だった。実は、ムエタイに勝つためにはムエタイを学ぶことが一番の近道だったのではないか、と ・・・
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