判定巡り炎上!五明宏人vs赤田プレイボイ功輝、勝敗わけたポイントを審判団が公開
昨年の大晦日、さいたまスーパーアリーナにて行われた『RIZIN DECADE【雷神番外地】』のRIZIN MMAルール5分3R (66.0kg)で、五明宏人(JTT)が赤田プレイボイ功輝(剛毅會)に2-1で判定勝ち。赤田のチームの監督を務めた平本蓮が、自身のSNSで判定を不服として抗議文を提出したことを伝え、勝敗を巡りネットで炎上していた。
この試合について、一般社団法人日本MMA審判機構(JMOC)は、昨日14日、JMOCオフィシャルYouTubeチャンネルにて見解を公開した。
【フォト&動画】五明のヒジ打ちで赤田が出血!審判団の検証動画も
五明は伝統空手をベースとするストライカーで、DEEPを主戦場にしてこの試合までのプロMMA戦績は6勝4敗のキャリアを持っていた。
対する赤田は元Krushファイターで、24年11月のアマチュアMMA戦(DEEP)では左のパンチでKO勝ちを収めている。今回がプロMMAデビュー戦となった。
【1ラウンド(R)の攻防:五明がタックルを仕掛けるも赤田が上を取り、パウンド攻撃。猪木アリ状態から、蹴りを放つ赤田。スタンドになると五明が再度タックルを仕掛け、コーナーでヒザ蹴り、そのままグラウンドへ持ち込もうとするが、赤田はロープを背にしてテイクダウンを許さない。五明のヒジ打ちが入り、赤田が眉間の右側をカットして出血した】
この1Rの攻防についてJMOC審判団は、「五明選手がコーナーに押し付けているだけで何もしていないという意見もありますが、いいヒザ蹴りもありますし、隙間からちょくちょく攻撃を入れている」と五明の打撃を評価。レフェリーの柴田旭氏は「インパクトのある打撃を入れているのでブレイクしなかった」と振り返った。
そして、豊永稔氏は「手数が違う。赤田選手は守り、五明選手は大きな動きはないけど累積的なインパクトは与えていました」と五明の打撃を評価した。また五明のヒジ打ちが入り、赤田が出血すると、その場で有効打を確認して共通認識を持ったという。「このラウンドは明らかに五明選手がとっています」と松宮智生氏の見解(※RIZINは10ポイントマスト制ではなくトータルマスト制を採用しているため、1Rが五明についたわけではない)。
【2R:五明が足へのタックルを仕掛けて、テイクダウンに成功。パウンド、ヒザ蹴りを見舞った五明だが、赤田は立ち上がる。スタンドで五明は縦ヒジのカウンター、赤田は左ストレートを放つが、五明は上手く組み付く展開に。赤田はストレートを見舞うが、五明は見切った印象。赤田はボディ打ちを見せるが、総合力では五明が上回ったか】
このラウンドについて豊永氏は序盤の攻防を「五明選手が胸をつけているので大きなダメージを取ろうとしていうようには見えない。赤田選手は下からの仕掛けがなく、立とうとしているようには見えなかった」とコメント。松宮氏は「1Rに五明選手がインパクトを与えたんですけど、それが消えてしまうようなラウンドになってしまったかもしれません」と続けた。
中盤から後半にかけて豊永氏は「プレスをかけているのは赤田選手かもしれませんけど、クリーンヒットを入れているのは五明選手という見方ができるかもしれません」と五明の技の的確さを評価。また赤田の打撃の空振りも指摘した松宮氏は「2分半までは、五明選手の縦ヒジとパンチのインパクトがありました」と説明した。
2Rが終わると福田正人氏が「もしも5分2ラウンドだったら、どうジャッジをつけますか?」と審判団に質問を飛ばし、松宮氏は「五明選手にダメージの50ポイントをつける人がいるかもしれません」と語る場面もあった。
RIZINのMMAルールのポイントの振り分けは、ダメージが50、アグレッシブネス(攻撃の積極性)が30、ジェネラルシップ(試合支配率)が20の計100となっている。
JMOCの見解だと、2R終了までに五明はジェネラルシップ、ヒジ打ちやパンチで累積ダメージをとるジャッジがいる可能性があるとし、赤田がアグレッシブネスをとれるかどうか、また3Rにすべてをひっくり返すようなインパクトを与えない限り、勝利は難しいと見ていた。
【3R:いきなり組み付く五明に、コーナー際で右ヒザ連打の赤田。五明は一度離れて、左右フックからタックル。すると、赤田はスタンドで強烈右フックを当ててダウンを奪う。赤田はパウンドで追撃するが、五明は気合いで立ち上がり、タックルを仕掛けるもブレイクに。五明は組みに戦術を絞り、組み付きを繰り返す。それでも、赤田は腰が強く、簡単にテイクダウンされない。ブレイク後、赤田は左フックを振り回し、五明がタックル。最後まで赤田は倒されずに判定となり、2-1で五明が勝利した】
JMOCは、五明のプレッシャーが弱くなり、そこに赤田の右が入りダウンを奪うも、完全に追撃できなかったことが大きなインパクトまでに至らなかったと判断。ラウンドマストだったら、3者とも29-28で五明勝利で一致。トータルマストだと松宮氏は「半々でした。赤田選手がダウンをとった場面をどれだけ拾うか拾わないかだと思います」とスプリットになった理由を明かした。
その拾うか拾わないかというのは「五明選手の累積インパクトか、赤田選手の即時的なインパクトのどちらを取るかでガラっとひっくり返る」と松宮氏。さらに「ダメージポイントの50は、そこまで差があったかどうかでつけるものなんです。五明選手の累積と赤田選手の一発にどれだけ差があったか。差があると見たジャッジもいたということ。僕もパッと見た時に赤田選手が勝ったかなと思いましたが、細かく見ていくと累積もかなりありました。結論は、妥当でした」と訂正はないとした。
どちら側で見るかで印象が変わるような難しい判定基準だが、今回の配信映像で平本側が納得いく見解になったのかは分からない。次に再戦した際は、明確な差がついてくれることを祈りたいものだ。
なお、参考までに公式ジャッジは以下となっている(※JMOC発表)。
■第1試合 RIZIN MMAルール フェザー級(66.00kg) 5分3R
○五明宏人
判定2-1
●赤田プレイボイ功輝
ジャッジ:
内田龍介/赤・五明 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0]
橋本 貴/青・赤田 [D 0-50/ A 30-0/ G 20-0]
石川喬也/赤・五明 [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0]
※D=ダメージ、A=アグレッシブネス、G=ジェネラルシップ
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