2022/02/25（金）UP
（最終更新：2022/02/25 23:26）

卜部が復活をかけて、島野との戦いに挑む（C）K-1

　2月27日（日）東京体育館で開催される『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN～第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント～』の-61kg契約ワンマッチで対戦する卜部弘嵩（32＝K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST）と島野浩太朗（29＝菅原道場）がそれぞれ公開練習を行なった。

　二人は、2014年11月にKrushで対戦しており、この時は卜部がダウンを奪って判定勝ちを収めている。その戦いは、大激闘として多くのファンを虜にし、Krusbの歴史に残る一戦となった。7年の時を経て、K-1の舞台で再び拳を交えることになった。

【動画】ダウン応酬の激戦！7年前に卜部が島野に勝利

　卜部は、昨年9月のK-1横浜アリーナ大会での芦澤竜誠と熱戦を展開したが、芦澤の猛烈なラッシュに押されて判定負け。自身の実力を見せられない試合が続く中、弟の功也が自ら練習相手を務めるようになった。この日の公開練習では、功也の持つミットにて、パンチを打ち込んでいった。

弟の持つミットに打撃を繰り出す卜部（C）K-1

　功也はトレーナーとしてだけでなく、兄弟として弘嵩の性格も体調も読み取ってくれる。「例えば『今日はもう動けねえな』って思ってそれを口にすると、他のトレーナーの人たちは『一回やめとこうか』とか『ちょっと調整しようか』ってなるんですけど、弟だから『いや、今日はいけるでしょう』となるんで、さらに追い込めるんですよね」と話す。功也のサポートもあり、厳しいトレーニングに打ち込めている。

　今回の試合は弘嵩にとっては節目の60戦目となる。自身の中では、”集大成”へ向かう思いもあり「毎日出しきって、必死になって頑張って練習しないと引退した後に後悔する。今回は60戦目でキリがいいし、ラストになってもおかしくないぐらい練習しています」との覚悟で試合へ挑む。

　”魂の破壊王”の異名を持つ卜部は、かつては「試合が組まれた瞬間、相手のことが嫌いで嫌いでしょうがなくて、常にその怒りを忘れないように常にギラギラしてました。殺意でリングに上がっていました」というが、直近ではそのようなギラついた卜部が見られていないようにも思える。

　だが、今回の試合へ向けては「相手も必死で倒しに来ているわけですから、僕も必死になって相手を倒しに行かなければいけない」と倒しにいく姿勢を見せるつもり。「今は島野だけです。全力集中です。僕の勝利を待ち望んでくれてたファン、皆様に向けて必ずいい試合をしたいと思います」とアピールした。

左右のフックの破壊力が持ち味の島野（C）K-1

　一方の島野にとって、卜部は特別な存在だ。島野が格闘技を始めた頃、菅原道場に出稽古で足を運び、先輩の“狂拳”竹内裕二らと壮絶な練習を続けていたのが上京前の弘嵩だった。のちに、初代Krush-60kg級（現スーパー・フェザー級）王者になる弘嵩を島野は「目標の始まりのチャンピオンだった存在」という。

「僕が菅原道場に入門して練習を始めた頃、弘嵩選手が出稽古に来ていて、竹内（裕二）先輩や他の先輩たちとスパーリングしたり、練習している姿を見て、自分は右も左も分からない時期だったんですけど『すごいなあ』という目で見ていました。当時、自分が弘嵩選手と戦うことは全くイメージはしていなくて、ただ強くなるんだ、チャンピオンになるんだと思って練習していました」と当時を振り返る。

卜部超えに全てをかける島野（C）K-1

　この試合を迎えるにあたり「弘嵩選手を越えるチャンスは今回が最後だと思う。だからこのチャンスは何が何でも絶対にものにすると思って、そのことだけを考えて毎日を過ごしています。目指すものは頂点への挑戦権や次への一歩なんですけど、この試合に勝たないと前には進めません。僕はこの試合に勝つことにすべてを注ぐし、今は弘嵩選手に勝つことがすべてです」と自身の目標を超えることに全てをかける。

　7年ぶりの対戦となる両者は、KrushからK-1へ舞台を変えて、どのような戦いを見せてくれるのか。

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