【極真会館】大波乱、ブルガリアのダミヤノフが初優勝
国際空手道連盟 極真会館主催
「第11回オープントーナメント全世界空手道選手権大会(決勝日)」
2015年11月22日(日)東京体育館
3日間にわたって行われた第11回全世界選手権がフィナーレを迎えた。最終日(4回戦~決勝戦)までトーナメントを勝ち進んだベスト32のうち18名がロシア勢、日本は9名、残る5名はフランス、ブルガリア、ニュージーランド、ウクライナ、アメリカの5カ国の選手。
優勝戦線は日本vsロシアの図式になると思われたが、日本勢は4回戦から崩れだす。大澤佳心、小沼隆一、南原健太、そして2013年全日本選手権王者・安島喬平が姿を消した。
続く5回戦では、高橋佑汰と澤村勇太がロシアに敗れ、4回戦で4年前に敗れたラシャ・ガバラエフ(ロシア)にリベンジを果たした森善十朗はザハリ・ダミヤノフ(ブルガリア)の軍門に下った。
そんな中、荒田昇毅と上田幹雄がベスト8へ進出。荒田はキリル・コチュネフ(ロシア)を相手に再延長戦までほぼ互角に戦ったが、体重判定(体重差が10kg以上ある場合、軽い方が勝ちとなる)に涙を呑んだ。上田はジマ・ベルコジャ(フランス)の下段廻し蹴りに一本負けを喫し、ついに日本は全滅。しかし、ベスト8に日本人選手が2名入ったのは2003年の第8回大会以来12年ぶりとなり、健闘したと言えるだろう。
猛威を奮うロシア勢は準々決勝から潰し合いとなり、準決勝にキリル・コチュネフとダルメン・サドヴォカソフが残ったが、ここで誰もが予想できなかった展開に。
まず、コチュネフがフランスのジマ・ベルコジャに判定で敗れ、ダルメンはダミヤノフの上段廻し蹴りに一本負けを喫したのだ。これで最強国と思われていたロシアは全滅となった。
決勝の舞台に上がったのは、ダミヤノフとペルコジャ。ブルガリアとフランスの選手が決勝へ進出したのはともに世界選手権史上初。接戦が予想されたが、今大会絶好調のダミヤノフが本戦で決着をつけ、世界チャンピオンの座に就いた。
ダミヤノフは身長182cm、体重100kgの30歳。2011~2013年オールアメリカン三連覇、2008年全日本選手権準優勝などの実績を持ち、世界選手権での最高位は2011年の5位。3度目の世界選手権出場で優勝を勝ち取った。
「前大会ではロシア人選手に負けたので、今回は全ての試合に全力を尽くすことを心がけました。勝因は経験を積んだことと、少し違うスタイルで臨んだことです。突きと下段廻し蹴りばかりではなく、ヒザ蹴り、上段廻し蹴り、後ろ廻し蹴りなど多くの技を使うようにしました」とダミヤノフ。4年後の第12回世界選手権で2連覇を狙うかとの質問には、「今はイエスとは言えません」と答えた。
松井章圭館長は、「今大会は極真会館創立51年目、そして世界選手権大会は11回目ということで再スタートの大会という位置付けでした。その大会で前例のない国同士の決勝となったことはいいことだと思います」と総括。優勝したダミヤノフの勝因については「以前のように強引に前へ出なくなりました。経験のあるベテラン選手ですから、年齢的な体力などの衰えも受け入れて、技術的にも一工夫しているように見えました」と評した。
また、準決勝後には初めて全日本空手道連盟(全空連)のトップ選手による組手と形(型)の演武が披露され、特に分解形(空手の形を実戦で使った場合の動きを元に表現)のアクションでは会場が大いに盛り上がった。
<入賞者>
優 勝 ザハリ・ダミヤノフ(極真会館ブルガリア支部)
準優勝 ジマ・ベルコジャ(極真会館フランス支部)
3 位 ダルメン・サドヴォカソフ(極真会館ロシア支部)
4 位 キリル・コチュネフ(極真会館ロシア支部)
5 位 アショット・ザリヤン(極真会館ロシア支部)
6 位 上田幹雄(日本/極真会館横浜北支部)
7 位 イヴァン・メゼンツェフ(極真会館ロシア支部)
8 位 荒田昇毅(日本/極真会館千葉県中央支部)
敢闘賞 アショット・ザリヤン(極真会館ロシア支部)
技能賞 髙橋佑汰(日本/極真会館東京城北支部)
試割賞 デビッド・シャルコシャン(極真会館ロシア支部)
若獅子賞 南原健太(日本/極真会館東京城北支部)
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